2015.11.29 | ニュース
パーキンソン病患者のすくみ足はどんな状態で起こりやすいか?
仮想の環境で検証
from PloS one

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パーキンソン病の患者さんは、歩くときに足がすくみ、上手く足が前に出ないという症状が見られます。様々な環境で起こるこの「すくみ足」という症状ですが、この研究では、どのような心理状態であるとすくみ足に影響しやすいか調査しました。
♦パーキンソン病患者21人を対象に検証
この研究は、すくみ足歩行の
仮想環境は、地面に板を渡したもの(低地環境)と深い穴の上に板を渡したもの(高地環境)の2種類とし、その上を歩いた時の歩く様子や、歩いた後の心理状況を分析しました。
◆すくみ足歩行があるパーキンソン病患者は恐怖感を感じやすい?
2つの環境において、心理状態は以下の通りでした。
すくみ足歩行患者は、すくみ足歩行がない患者と比べ、高いレベルの不安感を訴えた(p<0.001)[…]。すくみ足歩行患者は、高い位置の板を渡っているときに、
有意 に多くのすくみ足歩行を経験し(p=0.013)、それぞれの課題でのすくみ足歩行となった割合も有意に増加した(P=0.005)。[…]
すくみ足歩行の症状があるパーキンソン病患者は、歩行に対してより不安を感じており、さらに恐怖感が強くなる高地環境ではすくみ足歩行となりやすいことが分かりました。
パーキンソン病患者にとって、すくみ足を代表とした歩行障害は日常生活を妨げる大きな要因となります。今回の研究結果を踏まえ検証がすすめば、パーキンソン病患者の歩行障害のメカニズムがさらに知られるきっかけになるかもしれません。
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。