じょういたいばんそうきはくり
常位胎盤早期剥離
正常だった胎盤が、分娩前に子宮の壁から剥がれてしまった状態。母子ともに命に関わる
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最終更新: 2018.08.24
常位胎盤早期剥離の基礎知識
POINT 常位胎盤早期剥離とは
常位胎盤早期剥離とは、正常な位置に付着していた胎盤が分娩の前に子宮の壁から剥がれることを指します。妊娠高血圧症候群や切迫早産、外傷などがリスクになるといわれています。 症状は性器からの出血やお腹のはり、下腹部痛などです。超音波検査や胎児心拍モニタリング、血液検査などの検査を行い診断されます。治療は緊急の帝王切開を行うなどして、なるべく早く分娩をすることです。常位胎盤早期剥離では、母体だけでなく胎児の死亡のリスクもあり、迅速な診断と治療が求められます。妊娠中に性器出血や、お腹のはり、下腹部痛などの症状がある場合には、すみやかにかかりつけ医に相談してください。
常位胎盤早期剥離について
- 正常位置に付着していた胎盤が、妊娠中や分娩前に子宮の壁から剥がれてしまった状態
- 胎盤が剥がれることにより、胎児へ血液が届かず十分な酸素と栄養が届かなくなるため、場合によっては胎児が死亡することがある
- 大量出血することがあり、母親も死亡することがある
- 常位胎盤早期剥離の原因となる主なリスク
- 全分娩の0.5-1.3%の頻度で生じると言われている
- 重症例は全分娩の0.1%
- 妊娠32週以降で起こることが多い
- どの程度剥がれてしまったのかで、症状や胎児への影響の大きさが変わる
常位胎盤早期剥離の症状
常位胎盤早期剥離の検査・診断
腹部超音波検査 - 胎盤がどの程度剥がれているのかを確認する
- 前置胎盤がないのかを確認する
内診 :性器出血があるか、またその程度を調べる- 胎児心拍数モニター(
NST ):胎児の心拍数に異常がないかを調べる - 血液検査:出血しやすい状態になっているか確認する