ぜんちたいばん
前置胎盤
胎盤が子宮口を覆って付着している状態
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最終更新: 2018.09.18
前置胎盤の基礎知識
POINT 前置胎盤とは
胎盤が子宮口を覆っている状態のことを指します。胎盤がどの程度覆っているかで、全前置胎盤・部分前置胎盤・辺縁前置胎盤の3種類に分けられます。前置胎盤には自覚症状はなく、出血や妊婦検診で気づかれることが多いです。出血した場合一度止まっても、また出血を繰り返すことが多いです。「帝王切開の経験」や「高齢」、「経産婦」、喫煙などが危険因子として考えられています。胎盤の位置が決まる妊娠31週前後で膣超音波検査で診断が行なわれ、前置胎盤と診断された場合はMRI検査が追加されるて胎盤の位置や癒着胎盤の有無が調べられます。前置胎盤の人が出産するときは経膣出産ではなく帝王切開が行なわれ、大出血の危険性を考慮して37週より前に帝王切開となることもあります。前置胎盤といわれていて出血を起こした際は緊急手術となる可能性があります。すみやかに産婦人科を受診してください。
前置胎盤について
- 胎盤が子宮口を覆って付着している状態
- 子宮内のどこに胎盤が付着しているかによって分類が異なる
- 正常な胎盤
- 子宮口と胎盤の位置が離れている状態
- 子宮の上側から横側に付着する
- 全前置胎盤
- 子宮口が完全に胎盤で覆われている状態
- 子宮口から胎盤の縁までの距離が2cm以上離れている
- 部分前置胎盤
- 子宮口の一部が胎盤で覆われている状態
- 子宮口から胎盤の縁までの距離が2cm未満である
- 辺縁前置胎盤
- 胎盤の縁が子宮口に接している状態
- 子宮口から胎盤の縁までの距離がほぼ0cm
- 正常な胎盤
- 子宮口が開くと胎盤が剥がれてしまうため、分娩方式は帝王切開となる
- 胎盤が
癒着 している事があり、分娩時の出血量が多くなるリスクがある
- 胎盤が
- 主な原因
前置胎盤の症状
- 自覚
症状 はない - 性器出血
- 子宮口が開くと胎盤の付着部位より出血が起こり常居胎盤早期剥離となる場合がある
- 胎盤が剥がれている場合には、鮮血の出血が持続的にみられる
- 出血には腹痛を伴わない場合もある
前置胎盤の検査・診断
超音波検査 - 胎盤の付着部位や胎盤の血流について確認を行う
- 妊娠週数によって子宮の大きさも変化し付着部位も上方に移動するため、妊娠中期までは確定診断は行わずに妊娠31週ごろに診断を行うことが多い
- 骨盤
MRI 検査- 胎盤の位置の確認
癒着 胎盤の有無の確認
前置胎盤の治療法
- 妊娠37週末までに帝王切開が行われることが多い
- 実際には妊娠34週-35週で帝王切開に至るケースが多い
- 前置胎盤と診断された場合には、
早産 の管理や大出血に対応する準備ができる病院に転院となる場合がある
- 輸血が必要となる可能性がある
- 帝王切開後の14%に輸血が必要であったというデータがある
- 特に、前回の帝王切開創部を胎盤が覆っている場合には、胎盤が
癒着 し出血が多くなる場合がある - 出血の増加が認められた場合には、輸血の投与ができるように予め準備しておく
- 産後の出血が多くなる可能性があるため、事前に自分の血液を貯血し、産後に使用できるように準備することがある
- 自宅で出血がみられた場合には、かかりつけの病院へ連絡し、緊急で帝王切開となる可能性があるため飲み物や食べ物は控えて病院を受診しましょう
- 子宮への負担をかけないようにするため、過度な運動や性交渉は避ける