急性腸間膜動脈閉塞症 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
きゅうせいちょうかんまくどうみゃくへいそくしょう
急性腸間膜動脈閉塞症
上腸間膜動脈または下腸間膜動脈などの腸間膜動脈が急に詰まって、小腸や場合によっては結腸などの消化管が壊死する病気。リウマチ性心疾患や心房細動、心筋梗塞、急性大動脈解離などの経過中に発症する。
1人の医師がチェック 3回の改訂 最終更新: 2018.10.13

急性腸間膜動脈閉塞症の基礎知識

POINT 急性腸間膜動脈閉塞症とは

急性腸間膜動脈閉塞症は、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈などの消化管を栄養する動脈が詰まって、小腸などの消化管の壊死を起こす病気です。主な症状は急に起こる激しい腹痛です。悪心や嘔吐、下血を伴う場合もあります。異常なほどの強い腹痛が突然起こった場合、腹痛がありしばらく様子をみても改善せず状態が悪くなる場合には救急を早めに受診するようにしてください。 高齢者の場合には症状がはっきりしない場合でもこの病気が隠れている場合がありますが、その場合は診断が難しく残念ながら救命も難しいことの多い病気です。

急性腸間膜動脈閉塞症について

  • 急性上腸間膜動脈閉塞症は重い症状を起こし小腸の壊死を生じることが多い。
    • 動脈硬化によって上腸間膜動脈の狭窄が進んで最終的に詰まるケース(血栓症
    • 心房細動やそのほか心臓の病気により心臓に血栓ができやすくなりこれが飛んできて詰まるケース(塞栓症)
    • 急性大動脈解離が上腸間膜動脈のつけ根にも広がってきて上腸間膜動脈の血液の通るところを閉じてしまうケース  などが主な原因として考えられる。
  • 急性下腸間膜動脈閉塞症は小腸の壊死を生じる場合もあるが、側副血行路(血液の迂回路)が発達しているために急性上腸間膜動脈閉塞症よりも軽い症状や病状で経過する場合がある。
  • 空腸にもっとも多く、ついで回腸、上行結腸、横行結腸に多い。

急性腸間膜動脈閉塞症の症状

  • 激しい腹痛。
  • 突発性の強い腹痛。
  • 悪心、嘔吐、下血
  • 動脈硬化性でゆっくりと詰まった場合や詰まったところが上腸間膜動脈や下腸間膜動脈のつけ根でなく枝分かれした先である場合などは症状が弱い場合もある。
  • 超高齢者の場合には、認知力の低下や重症すぎて意識状態の悪い場合などで本人の訴えが乏しい場合もある。

急性腸間膜動脈閉塞症の検査・診断

  • 血液検査
  • 造影CT検査
    • 血管ダイナミック造影CT検査を行い、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈やこれらの動脈から枝分かれした動脈に血栓が詰まっているか、解離があるかなどの異常を確認する。ほぼ確定診断できる。
    • 上腸間膜動脈や下腸間膜動脈の血栓によって、どこの腸管が血液が不足した状態になっているかを診断できる。
  • 血管造影検査
    • 診断は造影CTできることがほとんどだが、上腸間膜動脈のつけ根や近いところに血栓がある場合には診断と同時に血管内を通してカテーテルで血栓を吸って回収することができる場合がある。
    • 小腸に壊死を生じているような場合は手術でないと命を救うことは難しい。

急性腸間膜動脈閉塞症の治療法

  • 発症早期であれば血管の中からカテーテルを通して血栓を回収してくる血管内治療が行われる場合がある。
  • 原則的には外科的治療(手術)を行う。
    • 壊死をした腸管の切除と血行再建術を行う。
    • しかし、壊死をした腸管を切除しても一度腸管が壊死してしまうと多臓器不全や高度の腹膜炎合併する場合が多く、命を救えない場合が多くある。

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