きゅうせいちょうかんまくどうみゃくへいそくしょう
急性腸間膜動脈閉塞症
上腸間膜動脈または下腸間膜動脈などの腸間膜動脈が急に詰まって、小腸や場合によっては結腸などの消化管が壊死する病気。
7人の医師がチェック 131回の改訂 最終更新: 2018.12.04

急性腸間膜動脈閉塞症の基礎知識

POINT 急性腸間膜動脈閉塞症とは

急性腸間膜動脈閉塞症は、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈などの消化管を栄養する動脈が詰まって、小腸などの消化管の壊死を起こす病気です。主な症状は急に起こる激しい腹痛です。悪心や嘔吐、下血を伴う場合もあります。異常なほどの強い腹痛が突然起こった場合、腹痛がありしばらく様子をみても改善せず状態が悪くなる場合には救急を早めに受診するようにしてください。 高齢者の場合には症状がはっきりしない場合でもこの病気が隠れている場合がありますが、その場合は診断が難しく残念ながら救命も難しいことの多い病気です。

急性腸間膜動脈閉塞症について

  • 主に腸に酸素や栄養を運ぶ「腸間膜動脈」と呼ばれる動脈が詰まる病気
  • 腸間膜動脈は「上腸間膜動脈」と「下腸間膜動脈」の2本がある
  • 主に3つの原因が考えられる。
    • 心房細動やそのほか心臓の病気により心臓に血栓ができやすくなりこれが飛んできて詰まるケース(塞栓症)
      動脈硬化によって上腸間膜動脈の狭窄が進んで最終的に詰まるケース(血栓症
    • 急性大動脈解離が上腸間膜動脈のつけ根にも広がってきて上腸間膜動脈の血液の通るところを閉じてしまうケース
  • 急性下腸間膜動脈閉塞症は小腸の壊死を生じる場合もあるが、側副血行路(血液の迂回路)が発達しているために急性上腸間膜動脈閉塞症よりも軽い症状や病状で経過する場合がある。
  • 空腸にもっとも多く、ついで回腸、上行結腸、横行結腸に多い。
  • 急性腸間膜動脈閉鎖症のリスク
    • 心不全
    • 膠原病
    • 高齢
    • 脱水
    • 透析治療
    • 血管内治療

急性腸間膜動脈閉塞症の症状

  • 上腸間膜動脈閉塞症が起こると、腸の一部に栄養や酸素が届かずに、出血や壊死を起こす
  • 主な症状
    • 急激な激しい腹痛
    • 突発性の激しい腹痛
    • 吐き気、嘔吐
    • 血便
  • 病気が進むと、腸閉塞急性腹膜炎合併する
    • ショック状態を起こし命に関わることもある
  • 動脈硬化性でゆっくりと詰まった場合や詰まったところが上腸間膜動脈や下腸間膜動脈のつけ根でなく枝分かれした先である場合などは症状が軽い場合もある。
  • 超高齢者の場合には、認知力の低下や重症すぎて意識状態の悪い場合などで本人の訴えが乏しい場合もある。

急性腸間膜動脈閉塞症の検査・診断

  • 腹部超音波検査:お腹の中でなにが起こっているのか、素早く簡便に調べることができるが、この病気の場合には確定診断にいたらない場合が多い。
  • 造影CT検査
    • 血管ダイナミック造影CT検査を行い、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈やこれらの動脈から枝分かれした動脈に血栓が詰まっているか、解離があるかなどの異常を確認する。この病気の確定診断に用いられる検査。
    • 上腸間膜動脈や下腸間膜動脈の血栓によって、どこの腸管が血液の流れが届かず虚血の状態になっているかを診断できる。
  • 血管造影検査
    • 血栓が詰まっている部分を観察するとともに、同時に血管内治療を行うことができる。

急性腸間膜動脈閉塞症の治療法

  • 主な治療
    • 血管内治療
      血栓を溶かす薬を血管内のカテーテルから投与する
      ・血栓そのものを吸入・回収することもある
      ・頻度は多くないが、動脈硬化性の場合にはバルーンで狭窄部分を拡大する場合もある
      ・血管造影検査と同時に行う
    • 緊急手術(腸管切除):血栓溶解療法が効かない、またはすでに腸管が壊死している場合は、壊死した腸を切り取る手術を行う
  • 腹膜炎ショックを起こしているような場合は、それらに対して集中治療を行う
  • 状態が落ち着いたら、血のかたまりができないように、抗凝固薬などを服用することがある

急性腸間膜動脈閉塞症のタグ

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