きゅうせいちょうかんまくどうみゃくへいそくしょう
急性腸間膜動脈閉塞症
上腸間膜動脈または下腸間膜動脈などの腸間膜動脈が急に詰まって、小腸や結腸などが壊死する病気
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最終更新: 2022.12.06
急性腸間膜動脈閉塞症の基礎知識
POINT 急性腸間膜動脈閉塞症とは
急性腸間膜動脈閉塞症は、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈などの消化管を栄養する動脈が詰まって、小腸などの消化管の壊死を起こす病気です。主な症状は急で激しい腹痛です。吐き気や嘔吐、下血を伴う人もいます。異常なほどの強い腹痛が突然起こった場合、腹痛がありしばらく様子をみても改善せず状態が悪くなる場合には、救急外来を早めに受診するようにしてください。高齢者の人は症状がはっきりしなくてもこの病気が隠れていることがありますが、その場合は診断が難しく、残念ながら命に関わることも少なくありません。
急性腸間膜動脈閉塞症について
- 主に腸に酸素や栄養を運ぶ「腸間膜動脈」と呼ばれる動脈が詰まる病気
- 腸間膜動脈は「上腸間膜動脈」と「下腸間膜動脈」の2本がある
- 上腸間膜動脈閉塞症の方が
症状 が重くなりやすい
- 上腸間膜動脈閉塞症の方が
- 主に3つの原因が考えられる。
- 急性下腸間膜動脈閉塞症は小腸の
壊死 を生じる場合もあるが、側副血行路(血液の迂回路)が発達しているために急性上腸間膜動脈閉塞症よりも軽い症状や病状で経過する場合がある。 - 空腸にもっとも多く、ついで回腸、上行結腸、横行結腸に多い。
- 急性腸間膜動脈閉鎖症のリスク
- 心不全
膠原病 - 高齢
- 脱水
透析 治療血管内治療
急性腸間膜動脈閉塞症の症状
急性腸間膜動脈閉塞症の検査・診断
腹部超音波検査 :お腹の中でなにが起こっているのか、素早く簡便に調べることができるが、この病気の場合には確定診断にいたらない場合が多い。造影 CT 検査- 血管ダイナミック造影CT検査を行い、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈やこれらの動脈から枝分かれした動脈に
血栓 が詰まっているか、解離があるかなどの異常を確認する。この病気の確定診断に用いられる検査。 - 上腸間膜動脈や下腸間膜動脈の血栓によって、どこの腸管が血液の流れが届かず
虚血 の状態になっているかを診断できる。
- 血管ダイナミック造影CT検査を行い、上腸間膜動脈や下腸間膜動脈やこれらの動脈から枝分かれした動脈に
- 血管造影検査
- 血栓が詰まっている部分を観察するとともに、同時に
血管内治療 を行うことができる。
- 血栓が詰まっている部分を観察するとともに、同時に
急性腸間膜動脈閉塞症の治療法
- 主な治療
血管内治療 血栓 を溶かす薬を血管内のカテーテルから投与する- 血栓そのものを吸入・回収することもある
- 頻度は多くないが、
動脈硬化 性の場合にはバルーンで狭窄部分を拡大する場合もある - 血管
造影 検査と同時に行う
- 緊急手術(腸管切除):血栓溶解療法が効かない、またはすでに腸管が
壊死 している場合は、壊死した腸を切り取る手術を行う
- 腹膜炎や
ショック を起こしているような場合は、それらに対して集中治療を行う - 状態が落ち着いたら、血のかたまりができないように、
抗凝固薬 などを服用することがある
急性腸間膜動脈閉塞症のタグ
急性腸間膜動脈閉塞症に関わるからだの部位


