きゅうせいふくまくえん(にじせいふくまくえん)
急性腹膜炎(二次性腹膜炎)
お腹の中の臓器を囲う腹膜や腹腔内のさまざまな臓器に炎症が及ぶ状態
9人の医師がチェック 127回の改訂 最終更新: 2017.12.06

急性腹膜炎(二次性腹膜炎)の基礎知識

POINT 急性腹膜炎(二次性腹膜炎)とは

急性腹膜炎はお腹の中の内臓を包む膜(腹膜)に急激な炎症が起こる重篤な病気です。原因は感染や化学物質(薬剤、腸液、胆汁、膵液など)による影響などが挙げられます。また、放置すると致死的になり得る状態で、緊急で手術が必要になることも多いです。主な症状は腹痛・腹部膨満感・発熱・吐き気・嘔吐などですが、状態が悪化すると頻呼吸・頻脈・意識障害などが起こります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・画像検査・超音波検査などを用いて診断します。治療法は腹膜炎の原因によって異なりますので、どういった治療を行うか主治医に確認すると良いでしょう。急性腹膜炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科・消化器外科・救急科を受診して下さい。

急性腹膜炎(二次性腹膜炎)について

  • お腹の中の内臓を包む膜(腹膜)に急激な炎症が起こる重篤な疾患
    • 原因は感染や化学物質(薬剤、腸液、胆汁、膵液など)による影響などが挙げられる
    • 放置すると致死的になり得る状態で、緊急で手術が必要になることも多い
  • 主な原因
    • 胃や腸などの壁に穴が空き、内容物や細菌が流れ出るもの
      ・胃穿孔、十二指腸穿孔、大腸穿孔など
    • 膵臓や盲腸(虫垂)などの臓器の炎症が広がって起こるもの
      急性膵炎、虫垂炎、胆のう炎
    • 手術後の経過で縫合が外れること(縫合不全)で起こるもの
    • 太い動脈が詰まることで内臓が壊死して起こるもの
      ・急性腸管脈動脈閉塞症
    • 原因不明のもの

急性腹膜炎(二次性腹膜炎)の症状

  • 主な症状
    • 腹痛:特に、歩く振動で腹部に痛みがある場合に可能性が高まる
    • 腸が麻痺して大便とガス(おなら)が出なくなっている
    • 腹部の張った感じ
    • 発熱
    • 頻脈(脈拍が早い)
    • 頻呼吸(呼吸回数が多い)
    • 吐き気
    • 嘔吐
  • その他に見られることのある症状
    • 意識低下
    • 血圧低下
    • 腹部全体が板のように固くなる(板状硬)

急性腹膜炎(二次性腹膜炎)の検査・診断

  • 触診:触って腹膜の状態を調べる
    • 圧痛:押されると痛む
    • 反跳痛:押した手を離すときに痛む
      ・反跳痛があるとお腹の全体に炎症が広がっていると考えられる
    • 筋性防御:痛くて腹筋の力が抜けず、思わず力んでしまう状態
  • 聴診:腸の音を聞いて雑音がないか調べる
    • 腸雑音(消化中に生じる空洞で響くような雑音)
  • 血液検査
    • 炎症の程度を調べる
    • 血液中にいる細菌の種類を調べる
  • 画像検査
    • 腹部レントゲン検査(X線写真):腹膜炎によって腸閉塞になっていないかを調べる
    • 腹部CT検査:炎症の部位や、原因を調べる
      ・炎症の覇級の程度や腸に穴が空いていないかを調べられる最も有用な検査
    • 腹部超音波検査腹水の量などを調べる

急性腹膜炎(二次性腹膜炎)の治療法

  • 可能な限り速やかな抗菌薬の使用が重要
    • 原因となる細菌が分かる前から、さまざまな細菌に効く抗菌薬を使用する
    • 特にお腹の中にいる菌に有効な抗菌薬を使用することが重要
      大腸菌
      ・クレブシエラ桿菌
      ・嫌気性菌(バクテロイデス属など)   など
  • 炎症によって血管内の水分が不足してしまうため、点滴で水分を補う
  • 抗菌薬だけで治療することは難しいため手術になる場合も多い
    • 穴が空いた消化管を切除する
    • 感染源の除去


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