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弱視
弱視は、メガネやコンタクトをしても視力が出ないことをいい、医学的弱視と社会的弱視に分けられる
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最終更新: 2022.11.18
弱視の基礎知識
POINT 弱視とは
弱視は、メガネやコンタクトをしても視力が出ないことをいい、医学的弱視と社会的弱視に分けられます。医学的弱視とは6-8歳くらい(視覚感受性期の終わり)までに脳が適切な視覚刺激を受け取ることができないと生じる弱視のことを指します。治療により改善することが多いため、早期発見がとても大切です。社会的弱視とは、目の病気によって生じた回復困難な視力障害のことをいい、盲や弱視を含めてロービジョンともいわれます。一般的に弱視というと医学的弱視のことをさすことが多いので、以降は医学的弱視についての説明です。子どもの視覚は6-8歳くらいに完成するので、この期間までに脳が正常に発達しなければ、一生弱視になってしまう恐れがあります。治療が必要な弱視の子どもの割合は1-2%と言われています。目の前にある物は、角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜にピントが合った後に、その情報が視神経を通って脳に伝わります。弱視は、この視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があるときに生じます。視覚感受性期(生後すぐ-8歳位)に、目の病気・異常・けがなどがあり、「物をくっきりと見る」ことが妨げられると視力の発達は遅れてしまいます。このため、視力の発達を促すために治療が必要になります。弱視の原因はいくつかあり、それに応じた治療が行われます。弱視が心配な人はお近くの眼科を受診して下さい。
弱視について
- メガネやコンタクトをしても視力がでない状態を指す
- 弱視は医学的弱視と社会的弱視がある
- 子供の弱視を医学的弱視といい、目の病気により生じた回復不能な視力障害を社会的弱視(ロービジョン)という
- 弱視(医学的弱視)の割合は約2%
- 早期発見・早期治療が重要
- 視覚感受性期(6-8歳)を過ぎると治療の効果が期待できなくなる
- 子供の場合、見えにくいという自覚がないことが多い
- 家族も気付いていないことが多く、3歳児健診などでも見逃されることが多いので注意が必要
弱視の症状
- 目を細める、黒目が寄っている、片目の視線がずれている黒目がゆれているなど
- ひどくまぶしがる
- ものを頭を傾けたり横目でみたりする
- 黒目の中央が白っぽく見える
弱視の検査・診断
弱視が疑われた場合、眼科では以下のような精密検査を行う
弱視の原因は次のように分類されている
弱視の治療法
- 原因に応じて以下のように治療する
- 不同視弱視の治療
- 眼鏡をかけてピントを合わせて「くっきりと物が見える」ようにしたうえで、良いほうの目を眼帯(アイパッチ)で1日約2時間隠す。
- アイパッチは1-2年間継続する
- 眼鏡を常にかけておくことが大切(読書や授業だけ眼鏡をかけるのは不十分)
- 屈折性弱視の治療
- 眼鏡をかけて「物をくっきり見る」ことによって視力を発達させる
- 眼鏡を常にかけてくことが大切(読書や授業だけ眼鏡をかけるのは不十分)
- 斜視弱視の治療
- 良いほうの目を眼帯(アイパッチ)で隠して悪いほうの目だけを使う時間を作る
- 並行してプリズム眼鏡や手術で視線のずれを治す
- 形態覚遮断弱視の治療
眼瞼 下垂・先天白内障が原因の場合、手術を行う- 原因となる眼疾患の治療を行う