たこつぼがたしんきんしょう
たこつぼ型心筋症
心臓の一部が収縮しなくなり、急激に心臓の働きが悪くなってしまう病気
4人の医師がチェック 83回の改訂 最終更新: 2020.01.20

たこつぼ型心筋症に関するよくある疑問

たこつぼ型心筋症は自然と治ることが多いといわれます。しかし、自分や家族などが発症した人は、命を落とす可能性があるのか、再発するのかなど、さまざまな疑問が生じるかもしれません。ここでは、これらの疑問について説明します。

1. 死亡率はどれくらいか

たこつぼ型心筋症は自然とよくなることが多いですが、入院中の死亡率は2-5%といわれ、あなどれない病気です。また、一旦良くなった後の死亡率は年4-6%という報告もあります。

とはいっても、たこつぼ型心筋症以外の危険な病気を患っていなければ、死亡率はさらに低い可能性があります。

たこつぼ型心筋症の原因は色々と提唱されていますが、脳卒中や呼吸器疾患などの重い病気のストレスによって発症したと考えられる人がいます。このように、発症のきっかけとなった病気で亡くなった人も含まれているため、前述の死亡率が高くなっている可能性が考えられます(日本の診断基準では脳卒中の直後の心筋症はたこつぼ型心筋症に含まれませんが、欧米の診断基準では含まれます)。

2. どのくらい再発するのか

ある報告によると、たこつぼ型心筋症の治癒後の再発率は1年あたり1.8%でした。ほとんどの人は再発しませんが、まれに再発する人もいます。

3. 治癒後に注意したらよい症状とは:高血圧や動悸に注意

たこつぼ型心筋症が治癒すれば、まず自覚症状は残りません。しかし、高血圧や動悸などの症状が持続している人はお医者さんに相談が必要です。原因の一つとして「褐色細胞腫」という病気が隠れている可能性が考えられます。

褐色細胞腫はカテコラミンというホルモンが異常に出来上がって生じる病気で、たこつぼ型心筋症と同じような症状や検査結果となることが時折生じます。このため、たこつぼ型心筋症と診断された人の中には褐色細胞腫の人が隠れていることがどうしてもあります。

褐色細胞腫はお医者さんが疑わないと診断できない病気ですが、褐色細胞腫の代表的な症状である高血圧や動悸、頭痛などの症状が続くことが診断のきっかけとなります。

褐色細胞腫はホルモン検査(尿検査や血液検査)や画像検査などで調べることができますので、このような症状が持続している人は、お医者さんに相談してください。

参考文献

・Smilowitz NR et al. Hospital readmission following takotsubo syndrome. 2019 5(2):114-120.
・Templin.C et al.Clinical features and outcomes of takotsubo (stress) cardiomyopathy.N Engl J Med. 2015 373(10)929-938.
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