まくせいじんしょう
膜性腎症
腎臓の中で尿をろ過する糸球体に異常が起こり、ネフローゼ症候群起こす腎臓の病気。
6人の医師がチェック 28回の改訂 最終更新: 2022.02.18

膜性腎症の基礎知識

POINT 膜性腎症とは

腎臓の中でも血液をろ過する糸球体に異常が起こる病気で、身体から大量のタンパク質が失われるネフローゼ症候群の原因の1つです。子どものネフローゼ症候群は微小変化型ネフローゼ症候群が最多ですが、大人の場合は膜性腎症が最多になります。膜性腎症はさまざまな病気によって起こることが知られています。代表的なものはがん(胃がん、大腸がん、肺がん)や、感染症(B型肝炎や梅毒など)、膠原病(SLEや関節リウマチなど)です。薬の悪影響で膜性腎症が起こることがあります。身体のむくみや長期間続くたんぱく尿などが症状として現れますが、無症状な場合もあります。尿検査や血液検査、腎生検(腎臓の一部を取り出して顕微鏡で見る検査)を用いて診断が行なわれます。治療には薬物療法(ステロイド薬や免疫抑制薬)や食事療法が組み合わせられます。身体のむくみやたんぱく尿がみられる場合、その原因の1つとして膜性腎症が考えられます。内科や腎臓内科を受診して詳しく調べてもらってください。

膜性腎症について

  • 腎臓の中で血液をろ過する糸球体に異常が起こり、ネフローゼ症候群起こす腎臓の病気
    • 大人のネフローゼ症候群を起こす主な原因の1つ
    • 糸球体の中の基底膜という部分に異常が起こるが、免疫の異常が関わっていると考えられている
  • 膜性腎症には明らかな原因がなく発症する一次性と、他の病気などが原因となって起こる二次性がある
  • 40歳以上の成人に多い
    • 子どもには少ない

膜性腎症の症状

膜性腎症の検査・診断

  • 尿検査
  • 診断の確定は腎臓を生検(体の外から針を刺して腎臓の細胞を取ってくる検査)し顕微鏡検査で行う

膜性腎症の治療法

  • 以下のような場合は経過が悪いことが予想されるため、免疫抑制療法(ステロイド、シクロスポリン、シクロフォスファミドなどを使用)を行うことが多い
    • 男性の発症
    • 高齢(60歳以上)での発症
    • 腎機能の低下の合併
    • 他の腎臓の組織の異常が顕微鏡検査で見られる場合
  • 二次性膜性腎症の場合は、原因となる病気の治療や薬剤の中止などを行う

膜性腎症のタグ

膜性腎症に関わるからだの部位