ふりーどらいひうんどうしっちょうしょう
フリードライヒ運動失調症
脊髄小脳変性症の一種で、歩きづらさから始まり、運動機能障害が進行する遺伝性の病気
7人の医師がチェック 41回の改訂 最終更新: 2022.02.25

フリードライヒ運動失調症の基礎知識

POINT フリードライヒ運動失調症とは

脊髄や小脳が変性する病気(脊髄小脳変性症)の1つで、遺伝が関係することが知られています。歩きづらさを主訴に発症することが多く、進行すると身体のバランスを保てずにふらついたり倒れたりします。それ以外では心臓に障害が出たり、構音障害(言葉を発せられない)や眼球運動障害(眼の動きの異常)などが起こります。糖尿病や身体が曲がる病気(側弯症)をともなうこともあります。フリードライ匕病が疑われる人には神経伝導検査やMRI検査、血液検査、遺伝子検査などが診断のために行われます。根本的な治療は確立されていないため、症状の進行を遅らせる目的でセレジストが治療に用いられます。また、筋力の低下にはリハビリテーションが有効です。フリードライ匕失調症は脳神経内科で診療が行われます。

フリードライヒ運動失調症について

  • 脊髄小脳変性症の一種で、歩きづらさから始まり、運動機能障害が進行する遺伝性の病気
    • 常染色体劣性遺伝をする病気
    • 小脳(運動のバランスを司る)や脊髄に異常をきたし、これらが萎縮してしまう
  • 欧米で多いが、日本では報告例がない(国内報告例は全て外国人)
    • 米国では、5万人に1人程度発症すると言われている
    • 20歳までに発症する事が多い

フリードライヒ運動失調症の症状

  • 初期には歩きづらさから発症することが多い
  • 主な症状
    • 運動失調症状:体のバランスを保てずふらついてしまうような状態
    • 末梢神経障害:主に手足の感覚の異常が起こる
  • 症状が進行すると構音障害や眼球運動障害、心臓の障害(心筋症心不全不整脈)などが起こる
    • 不整脈などが命に関わることがある
  • その他に見られる症状
    • 糖尿病合併することがある
    • 側湾症や凹足など、体の変形を伴うこともある

フリードライヒ運動失調症の検査・診断

  • 診断に役立つ検査
    • 神経伝導検査:神経を刺激が伝わる速度を測定する
    • MRI検査:小脳や脊髄萎縮を確認する
    • 血液検査:その他の病気(ビタミンE欠乏性失調症など)でないことを確認するために行われる
  • 遺伝子検査:遺伝子検査で異常が見つかると、診断が確定される

フリードライヒ運動失調症の治療法

  • 根治的な治療法はない
    • 運動機能の障害に対してセレジストを内服することで、病状の進行を遅らせることができる
    • 運動機能の改善、維持を目標としてリハビリテーションを行う
    • 運動するために装具を用いてリハビリテーションを効率的に行う
  • 20年程度かけて病気が進行していく

フリードライヒ運動失調症が含まれる病気

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