大腸ポリープの原因について:加齢・肥満・遺伝・大腸の病気(クローン病・潰瘍性大腸炎)などとの関係性
大腸ポリープは高齢者や肥満の人、遺伝性の病気をもつ人、大腸の病気をもつ人にできやすいことが知られています。それぞれの原因について説明します。
1. 大腸ポリープの原因
大腸ポリープの原因として主に以下のものが知られています。
- 加齢
- 肥満
- 遺伝性ポリポーシス
炎症 性腸疾患
これらの原因がある人は大腸ポリープができる可能性が高くなります。とはいえ、必ず大腸ポリープができるわけではありません。また、これらの原因がなくても大腸ポリープができることがあります。
2. 加齢
年齢を重ねると大腸ポリープができやすくなることが知られています。
50歳の時点で約20-30%の人に、70歳までには50%の人に大腸腺腫がみつかるという研究報告があります。また、年齢が高いほど大腸がんになりかけのポリープが増えるとされています。
一部の大腸ポリープは大腸がんに変化することが知られています。このため、40歳を超えると大腸ポリープや大腸がんの検査が勧められます。検査では便潜血検査や
3. 肥満
大腸ポリープの原因の1つに肥満があります。
肥満を示す指数である
BMIは次の計算式で求められます。
- 体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]
BMIの正常値は18.5以上25未満です。日本人の場合、25を超えると肥満と診断されます。BMIが25を超えると大腸ポリープができる人の割合が増加するとされています。このため、減量は大腸ポリープの予防に有利に働く可能性があります。食事療法や運動療法を取り入れて減量に取り組んでみてください。
とはいえ、食事療法や運動療法を1人で行うのは簡単ではありません。お医者さんや管理栄養士にアドバイスをもらうと、上手に行うことができるかもしれないので相談してみてください。
4. 遺伝(家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス))
一部の大腸ポリープは遺伝が関係していることがわかっています。
家族性大腸腺腫症(
家族性大腸腺腫症は「家族性腺腫性ポリポーシスの基礎情報ページ」でも詳しく説明しているので参考にしてください。
5. 炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)
クローン病と潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症を起こす炎症性腸疾患の一種です。大腸に炎症が起こると炎症性ポリープができることがありますが、炎症性ポリープはがん化の可能性が低く治療の必要はありません。
ただし潰瘍性大腸炎では炎症性ポリープとは別に大腸がんができやすいことが知られているため、定期的な検査を受ける必要があります。
それぞれの病気については「クローン病の詳細情報ページ」、「潰瘍性大腸炎の詳細情報ページ」で詳しく説明しているので参考にしてください。
参考文献
・日本消化器病学会/編, 大腸ポリープ
・FA Macrae, Overview of Colon polyps, UpToDate