だいちょうぽりーぷ
大腸ポリープ
大腸の内側に、粘膜の一部が盛り上がったこぶ(ポリープ)ができた状態
6人の医師がチェック 101回の改訂 最終更新: 2018.06.26

大腸ポリープの検査について:便潜血・下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)などはどんなことをするのか?

大腸ポリープはほとんどが無症状なので、健康診断の便検査などをきっかけに疑われることが多いです。大腸ポリープが疑われる場合の診察や検査について説明します。

1. 問診:自覚症状や背景の確認

問診では自覚症状や背景(持病や飲んでいる薬、家族の病気など)について尋ねられます。

大腸ポリープが疑われる場合には以下のようなことを聞かれます。

  • 気になる身体の症状はあるか(自覚症状はあるか)
  • 排便に問題はあるか
    • 便秘気味あるいは下痢気味かどうか
    • 便が細くなったりしていないか
    • 便が残ったような感じはあるか
    • 便に血液が混じったりしたことはあるか
  • 持病はあるか、過去にどんな病気になったことがあるか
    • 入院したことはあるか
    • 定期的に受診をしている病気はあるか
  • 普段飲んでいる薬はあるか
  • 血のつながった家族は大腸がんや大腸ポリープにかかったことがあるか

これらの質問はすべて、その後の検査や治療の方針を決めるのに必要な情報です。このなかで特に重要なものをもう少し詳しく説明します。

自覚する症状はあるか

大腸ポリープはほとんど症状が出ないため、健康診断の便検査(便潜血検査)などをきっかけに発見されることが多いです。ポリープが大きくなると、便に血が混じったり便秘になったりといった症状が現れます。

気になる症状がある場合にはもれなくお医者さんに伝えるようにしてください。「この症状は病気と関係ないのかな」と気にされる人がいますが、どんな細かなことでも遠慮なく伝えておきましょう。

普段飲んでいる薬はあるか

血糖値を下げる薬(血糖降下薬)」や「血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)」などを飲んでいる場合には、検査や治療をはじめるにあたって、薬を飲む時間をずらしたり、飲むこと自体を一時中止したりする必要があります。このため、定期的に飲んでいる薬はもれなく医療者に伝えなければなりません。

「お薬手帳」を活用するともれなく上手に伝えることができます。お薬手帳には「薬の名前」だけでなく「薬の量」や「いつから飲んでいるか」などが詳しく書かれています。見せるだけで、服用している薬の詳細をを医療者に伝えることができます。

血のつながった家族は大腸ポリープや大腸がんにかかったことがあるか

ほとんどの大腸ポリープは遺伝とは関係がないと考えられています。しかしながら、なかには家族性大腸腺腫症という大腸ポリープや大腸がんを引き起こす遺伝性の病気もあります。

大腸ポリープが遺伝性のものである場合には検査や治療法が変わってきます。そのため血のつながった家族に大腸ポリープや大腸がんになった人がいる場合は、お医者さんに伝えるようにしてください。

2. 身体診察

問診に続いて行われる身体診察では、身体の状態についてくまなく観察されます。

大腸ポリープが疑われる場合には次のような診察が行われます。

  • 視診:身体の見た目をくまなく観察する診察
  • 聴診:聴診器を使って身体の中にある臓器の音を聞く診察
  • 触診:身体に触れて行う診察
  • 打診:身体を優しく叩いてその感触から体内の状態を調べる診察
  • 直腸診:肛門から人指し指を入れて直腸に「できもの」があるかを調べる診察

このなかで特に重要なのは直腸診です。

直腸診はお医者さんが手袋をした指を肛門から入れて、「できもの」があるかどうか触って調べる検査です。直腸診を受けるとき、もしも痛みがある場合には遠慮なくお医者さんに伝えてください。ゼリーをつけることで痛みを小さくすることができます。

3. 便潜血検査:便の中に血が混ざっているかどうか調べる検査

便潜血検査は便の中に血液が混ざっているかどうか調べる検査です。目に見えないようなわずかな出血もみつけることができます。ポリープやがんがあると便とこすれて出血することがあります。大腸からの少量の出血を見逃さないためにも便潜血検査は重要です。

便潜血検査が陽性の人には問診や身体診察が行われます。さらに詳しく調べる必要があれば下部消化管内視鏡検査や注腸造影検査が行なわれます。

4. 注腸造影検査:腸の形を詳しく見るためのレントゲン検査

肛門から造影剤(バリウムなど)を流し入れ、大腸のレントゲン写真(X線写真)をとる検査を注腸造影と言います。造影剤を使うことで大腸の形がはっきりわかるので、大腸ポリープを見つけるのに適しています。

ただ大腸の中に便が残っているとうまく観察ができません。そのため検査前には食事を中止して下剤を飲み、大腸を空っぽにする必要があります。

5. 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

下部消化管内視鏡検査は「胃カメラ」と同じ内視鏡検査の一種です。人差し指ほどの太さをした柔らかいチューブを肛門から入れて大腸の中を見ます。大腸の中をくまなく観察することができるので、大腸のポリープや大腸がんを調べるのには優れた検査です。またポリープがあった場合には、その場で見て良性か悪性(がん)かの判断ができるという利点もあります。見た目で判断がつかない場合には、ポリープの一部を取り出して病理検査(顕微鏡で見る検査)が行われます。

便が大腸の中にあると見れない範囲ができて検査が不十分になります。このため、検査の前には下剤の内服や食事の一時中止によって、大腸の中を空っぽにしておく必要があります。

6. 病理検査:取り出したポリープを顕微鏡で見る検査

「下部消化管内視鏡検査」や「内視鏡治療」、「手術」で取り出したポリープは、病理検査で詳しく調べられます。病理検査では顕微鏡を使ってポリープを観察し、「がんかがんではないか」や「治療が十分であったか」などがわかります。ポリープが悪性(がん)であった場合、「病気の部分をすべて取り切れたか」や「病気の進行度はどうか」も調べられます。がんが残っていると病理検査で判断されたら、追加で内視鏡治療または手術が行われます。

病理検査の結果は極めて重要です。自分のポリープがどのような性質だったか注意して聞いてください。

7. 大腸ポリープの人が検査を受ける間隔

大腸ポリープが見つかった後は治療の有無に関わらず、定期的に検査を受けていくことになります。ポリープの再発や増大を見つけることが目的です。大腸ポリープの定期検査は、主に便潜血検査または下部消化管内視鏡検査です。

便潜血検査の場合

大腸ポリープの人が便潜血検査を受ける明確な理由に基づいた間隔は今はありません。

「大腸ポリープ診療ガイドライン」では大腸ポリープの有無に関わらず、大腸がんを拾い上げるためには、便潜血検査を毎年または2年に1回に行うのが適切としています。これを目安にすると、大腸ポリープの人も毎年または2年に1回に便潜血検査を受けてもよいと考えられます。検査の結果、もう少し短い間隔で検査を受けた方がよいと勧められることもあります。お医者さんからのその理由を聞いて、十分な相談のうえで検査の間隔を決めるようにしてください。

下部消化管内視鏡検査の場合

下部消化管内視鏡検査は大腸ポリープを見つける検査として優れています。一方で、身体の負担にもなるので、検査の間隔は短すぎないことが望まれます。しかし、大腸ポリープの人にとって適切な検査の間隔はまだはっきりとわかっていません。このため、検査の間隔はポリープの状態を鑑みて決めていく必要があります。お医者さんの話をよく聞いて十分に相談して検査の間隔を決めてください。

検査を重ねて異常がない状態がつづくと、検査の間隔を長くすることもできます。

参考:

大腸ポリープ診療ガイドライン

UpToDate Overview of Colon polyps