ざこつしんけいつう
坐骨神経痛
坐骨神経が圧迫されることで、脚の痛みやしびれが生じる状態の総称
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最終更新: 2023.02.15
坐骨神経痛の基礎知識
POINT 坐骨神経痛とは
坐骨神経が圧迫されたために、脚の痛みやしびれが現れた状態のことです。坐骨神経は脚の太ももに向かう神経です。坐骨神経そのものや坐骨神経とつながる腰の神経(腰神経)の圧迫が原因になります。圧迫が起こる原因は腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などです。坐骨神経痛が疑われる場合はどの神経がどのように圧迫を受けているかを調べることが治療において大切です。診察に加えて、MRI検査やCT検査などの画像検査が行なわれます。原因に応じて、薬物療法や手術などから治療法が選ばれます。脚の痛みやしびれがある場合、原因の1つとして坐骨神経痛が考えられます。整形外科や脳神経外科をを受診してください。
坐骨神経痛について
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坐骨神経痛の症状
- 典型的な症状
- 腰やおしりから太ももにかけての痛み、しびれが常にある
- 左右のどちらか片側に起こることが多い
- 太ももの外側や裏に多い
- 少し歩くと脚が痛くなり、休み休みでしか歩けなくなる(間欠跛行)
- 体を動かした時(特に前かがみになったとき)に、脚のしびれや痛みがひどくなる
- 靴下を履けない、靴紐を結べないなど
- 腰やおしりから太ももにかけての痛み、しびれが常にある
- 重症であると以下のような症状も起こる
- 安静にしていても、お尻や足が激しく痛んで眠れない
- 足に力が入りにくくなる
- 稀に両側の脚に症状が出ることもある
坐骨神経痛の検査・診断
- 画像検査:坐骨神経が圧迫されている原因を調べる
- 腰部レントゲン検査:脊椎の異常がないかを調べる
- 腰部CT検査:脊椎や骨盤の状態を詳しく調べる
- MRI検査:椎間板の状態や、実際に坐骨神経がどこで圧迫されているのかを調べる
坐骨神経痛の治療法
- 治療には大きく分けて保存的治療と手術がある
- まずは保存的治療から行うことが多い
- 保存的治療の種類
- 痛み止めの内服薬、貼付薬
- 神経ブロック
- 理学療法:運動やストレッチによって改善することがある
- 保存的治療の種類
- 保存的治療の詳細
- 内服薬、貼付薬:日常生活に支障が出ない程度の痛みであれば痛み止めを使用して様子を見る
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- カルシウムチャネルα2δリガンド
- セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
- 神経ブロックでは、坐骨神経の周囲に局所麻酔薬を注射して痛みを緩和させることを目的とする
- 根本治療ではないため、繰り返し行われる場合がある
- 理学療法
- 温めたり、筋力をつけたりすることで症状を抑える
- 内服薬、貼付薬:日常生活に支障が出ない程度の痛みであれば痛み止めを使用して様子を見る
- 手術は以下のようなときに行う
- 保存治療が効かない
- 神経の障害によって、筋力低下や排尿の障害などがある
- 原因が画像検査ではっきりしており、手術による改善効果が見込まれる
坐骨神経痛に関連する治療薬
プレガバリン(神経障害性疼痛治療薬)
- 過剰に興奮した神経を鎮め、神経が障害されることで引き起こされる痛みなどを緩和する薬
- 神経障害性疼痛は何らかの原因により神経が障害を受けて引き起こされる神経の痛み
- 神経細胞が興奮すると痛みを引き起こす神経伝達物質が過剰に放出され痛みが生じる
- 本剤は神経の興奮を抑え、神経伝達物質の過剰な放出を抑えることで鎮痛作用をあらわす
- 神経障害性疼痛の例
- 坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害など
- 線維筋痛症などに対しても使われることがある
ビタミンB12製剤
- ビタミンB12を補い、貧血や末梢神経痛、しびれなどを改善する薬
- ビタミンB12は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンで細胞の分裂などに欠かせない核酸の合成に関わる
- ビタミンB12は血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの合成に関わり貧血などを改善する
- ビタミンB12は末梢神経の修復などに関わり、痛みやしびれなどを改善する
- めまいや耳鳴りなどの治療に使用される場合もある
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