喫煙している人は坐骨神経痛を発症しやすいかもしれない

喫煙が健康に悪いことはよく知られていますが、坐骨神経痛に関係していると感じられたことはあるでしょうか?今回の研究では、喫煙と坐骨神経痛などの関連性を検証しました。
◆喫煙と坐骨神経痛の関連性を検証
喫煙により血流が阻害され、様々な痛みを引き起こすことが考えられます。今回は、そのなかでも坐骨神経痛などに着目して研究が行われました。
今回の研究は、過去の文献を収集し、喫煙と坐骨神経痛または腰部の神経根痛の関連性を調査した27の研究をまとめました。
◆喫煙している人は坐骨神経痛が多い
以下の結果が得られました。
現在喫煙している人は、腰部の神経根痛または臨床的に確認された坐骨神経痛のリスクが高かった(調整済みオッズ比1.46、95%信頼区間1.30-1.64、n=459,023)。
現在喫煙している人のプール調整済みオッズ比は、腰部の神経根痛に対して1.64(95%信頼区間1.24-2.16、n=10,853)、臨床的に確認された坐骨神経痛に対して1.35(95%信頼区間1.09-1.68、n=110,374)、腰椎椎間板ヘルニアか坐骨神経痛で入院または手術を行ったことに対して1.45(95%信頼区間1.16-1.80、n=337,796)であった。
現在喫煙している人には、喫煙したことがない人よりも坐骨神経痛を患っていることが多く、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛による入院や手術が多いという結果でした。
一見すると、坐骨神経痛と喫煙に何の関係があるのだろう?と考えてしまいますが、喫煙による全身状態への影響はこのような危険性も隠れているのかもしれません。今回の研究では、関連性を述べることに留まりますが、今後痛みの原因を詳しく調べる中で、喫煙によりどのような影響があるかがわかってくるかもしれません。
執筆者
The Effect of Smoking on the Risk of Sciatica: A Meta-analysis.
Am J Med. 2015 Sep 25
[PMID: 26403480]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。