2017.04.15 | ニュース

坐骨神経痛にリリカは効かない?

8週間の治療で比較

from The New England journal of medicine

坐骨神経痛にリリカは効かない?の写真

プレガバリン(商品名リリカ®)は神経に原因がある痛みに効果がある薬です。坐骨神経痛でも使用可能です。ところが、実際に8週間治療した結果、有効成分のない偽薬と差がなかったことが報告されました。

オーストラリアの研究班が、坐骨神経痛の患者に対してプレガバリンを使った治療の効果を調べ、結果を医学誌『New England Journal of Medicine』に報告しました。

この研究では、治療法として、プレガバリン1日あたり150mgから開始し、必要に応じて1日600mgにまで増やす治療を8週間続けることを試しています。この用量は日本でも保険診療の中で可能な範囲ですが、より少ない用量から開始することのほうが一般的です。特に高齢者では減量が検討されます。

坐骨神経痛の患者209人が対象となりました。対象者はランダムに2グループに分けられ、プレガバリンを使うグループ、有効成分を含まない偽薬を使うグループとされました。

 

次の結果が得られました。

8週時点で、足の痛みの強さのスコアの粗平均はプレガバリン群で3.7、偽薬群で3.1だった(調整平均差0.5、95%信頼区間-0.2から1.2、P=0.19)。

8週間の治療終了時点で、プレガバリンのグループと偽薬のグループを比べると、足の痛みの強さに差がありませんでした。治療開始から52週の時点で比較しても差がありませんでした。

機能障害や背中の痛みなど、ほかの点から比較しても8週・52週時点とも差がありませんでした。

 

坐骨神経痛に対してプレガバリンの効果が見られなかったという結果を紹介しました。

対象者の選び方によって若干の違いがある可能性もあります。つまり、何らかの条件に当てはまる人に限っては効果があることも考えられます。実際にプレガバリン使用後に痛みが和らぐ人はいます。ただし、ひとりひとりの例については、プレガバリンが効いたから良くなったのか、プレガバリンを使わなくても良くなるはずだったのかを見分けることができません。また、プレガバリンの副作用として眠気やふらつきが現れる場合もあります。

坐骨神経痛に対しては神経ブロック神経の根本に局所麻酔を注射することで、そこより先の神経を麻痺させて、痛みを取り除く処置や運動療法、認知行動療法心理療法の一種で、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療などの選択肢もあります。ひとつの薬にこだわらず、試してみて効果を実感できない場合は治療法を変えることも含めて主治医と相談することが、ひとりひとりに合った治療を見つけることにつながります。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica.

N Engl J Med. 2017 Mar 23.

[PMID: 28328324]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]