2017.01.08 | ニュース

坐骨神経痛にこの痛み止めはプラシーボ効果と同等

文献の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
坐骨神経痛にこの痛み止めはプラシーボ効果と同等の写真
(C) smartstock - iStock

普通の痛み止めの薬(NSAIDs)はいろいろな場合に使われますが、神経に原因がある痛みには効きにくいとも言われます。坐骨神経痛に対する効果を調べた研究から、NSAIDsで痛みを抑える効果が確かめられなかったことが報告されました。

病院でも広く処方され、市販薬にも含まれている痛み止めの多くはNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬、エヌセイズ)に分類されます。ロキソプロフェンナトリウム(商品名ロキソニンなど)、ジクロフェナクナトリウム(商品名ボルタレンなど)などはNSAIDsです。

NSAIDsは炎症を抑え、痛みを軽くする効果があります。しかし、炎症ではなく神経の異常が原因で生まれる痛みには一般に効きにくいとされます。

ここでは坐骨神経痛に対するNSAIDsの効果を調べた研究を紹介します。

この研究では、過去の研究報告を集める方法で、これまでに坐骨神経痛にNSAIDsを試した研究のデータを統合し、効果を検討しています。

 

NSAIDsと偽薬(プラシーボ)を比較した3件の研究から次の結果が得られました。

プールした平均差から、NSAIDs群と偽薬で痛みを減らす同等の効果が示された(0から100のVASで平均差-4.56、95%信頼区間-11.11から1.99)。

集まったデータでは、NSAIDsを使ったときと、有効成分を含まない偽薬を使ったときで、痛みを減らす効果に違いが見られませんでした

副作用については次の結果がありました。

NSAIDsと偽薬を比較した4件の試験(対象者967人)は有害事象を報告し、NSAIDs群のほうが偽薬群よりも有害事象のリスクは高いという低い質のエビデンスを示した(リスク比1.40、95%信頼区間1.02-1.93)。

見つかった4件の研究で、NSAIDsでは偽薬よりも多く副作用の可能性がある症状などが見られていました。

研究班は「NSAIDsが痛みを減らす効果は有意ではなかった」と結論しています。

 

坐骨神経痛の原因は椎間板ヘルニアなどの場合が多く、薬などの治療で効果が現れにくく重症のときは手術が検討されます。

ほかの治療法として、運動やストレッチによる理学療法、局所麻酔薬の注射を使った神経ブロック療法などがあります。

NSAIDsはとても多くの場面で使われる大切な薬ですが、適切な場合に使わなければ効果は期待できません。

一般に効果が明らかでない治療こそ、実際に試したデータを参照することで、使うべきでないことを適切に判断し、順序良くほかの治療を検討することができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Non-steroidal anti-inflammatory drugs for sciatica.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Oct 15.

[PMID: 27743405]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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