ざこつしんけいつう
坐骨神経痛
坐骨神経が圧迫されることで、足の痛みやしびれが生じる状態の総称
13人の医師がチェック 117回の改訂 最終更新: 2018.02.12

Beta 坐骨神経痛のQ&A

    坐骨神経痛の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    腰から足にかけてのびている「坐骨神経」とよばれる神経が、圧迫されたり刺激されることによって、痛みやしびれが生じます。坐骨神経痛は、背骨の骨の間にある椎間板と呼ばれるクッションが坐骨神経にふれることでおこる腰椎椎間板ヘルニアや、腰の骨がすり減ることで坐骨神経を圧迫することでおこる腰部脊椎間狭窄を原因として発症します。

    坐骨神経痛と腰痛症の違いについて教えて下さい。

    坐骨神経痛は、お尻から足にかけて痛みやしびれが出るのに対し、腰痛症は、腰の周りに痛みや重だるさがあることが特徴です。腰痛症の原因は、腰の骨の骨折や内蔵機能の障害など様々ですが、坐骨神経痛と腰痛症は同時に症状が現れることもあるため、区別がつきにくいこともあります。

    坐骨骨神経痛は、遺伝する病気ですか?

    基本的に遺伝とは関係ありません。骨の形や同じようなライフスタイルが原因で症状が出てくる可能性はあります。

    坐骨神経痛は、どんな症状で発症するのですか?

    腰からお尻、太ももの裏、すね、足先にかけて、痛みやしびれが生じます。さらに症状が悪化すると、歩くことに障害がでる、座っていられなくなる、うまく排泄をすることができなくなる(排尿、排便の障害)などの症状がみられることもあります。

    坐骨神経痛は、どのように診断するのですか?

    筋力検査(筋力の低下が生じているかを調べる)や反射検査(神経の損傷具合を調べる)、知覚検査(痛みや温度を認識することができるかを調べる)を行います。

    骨や脊髄の状態を確認するために、レントゲン撮影、CT検査、MRI検査を行います。また、脊髄造影、椎間板造影などを行う施設もあります。感染症が原因になっていないか調べる場合は血液検査を行うこともあります。

    坐骨神経痛の治療法について教えて下さい。

    坐骨神経痛の一番の治療は、安静にすることです。横になったり、コルセットをするなど、痛みがでない状態でいると良いでしょう。腰に負担がかかるため、重いものをもつ、長時間同じ姿勢をとる、激しい運動をするなどは避けてください。

    ストレッチや腰周辺の筋力向上は、痛みの原因となるヘルニアや、骨と骨の隙間をつくり神経の圧迫を改善するために有効ですが、やり方を間違うと痛みが増す可能性もあるので、医師等の専門家の指導のもとで行った方がいいでしょう。

    坐骨神経痛のその他の治療法について教えて下さい。

    安静にしても痛みがひかない場合は、痛みや炎症をおさえる薬(抗鎮痛薬・抗炎症薬)を服用することがあります。また、炎症をおこしている部分に炎症をおさえる薬を注入する硬膜外ブロックや神経根ブロックが行われることもあります。

    どうしても痛みがひかない場合は、手術が行われます。手術の方法は、骨の一部を取り出し神経を圧迫する原因を除去する髄核摘出術や内視鏡的椎間板切除術、皮膚の上からレーザーをあてることで原因を除去する経皮的レーザー椎間板減圧術など様々な方法があります。

    坐骨神経痛の治療薬について教えて下さい。

    坐骨神経痛の痛みをおさえるための薬は、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、神経障害性疼痛治療薬、オピオイド、鎮痛補助薬、ステロイド、麻酔薬などがあります。

    坐骨神経痛の治療薬「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」について教えて下さい。

    非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs:エヌセイズ)は、ステロイド以外の抗炎症作用、鎮痛作用などをもつ薬の総称です。鎮痛効果も高く、主に炎症の痛み止めとして広く用いられています。有名なものにロキソニンなどがあります。

    坐骨神経痛の治療薬「神経障害性疼痛治療薬」について教えて下さい。

    神経障害性疼痛治療薬は、神経の痛みの治療に用いられます。神経の痛みは、痛みを伝える物質が過剰に出ることで生じるとされていますが、神経障害性疼痛治療薬は、この物質の過剰な放出を防ぐ働きがあります。有名なものにリリカなどがあります。

    坐骨神経痛の治療薬「オピオイド」について教えて下さい。

    オピオイドは、強い鎮痛作用をもつ薬です。背骨の中を通る脊髄と脳に存在するオピオイド受動体と呼ばれる部分に働くことで、痛みの伝達そのものを妨げます。オピオイドは、強い鎮痛作用をもちますが、吐き気や便秘、眠気といった副作用があることや、薬物依存を引き起こす可能性もあるため、服用には注意が必要です。

    坐骨神経痛では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    殆どの場合、入院の必要はありません。症状によっても異なりますが、数年単位での通院が必要になることもあります。一度治ったと思っても、再び症状が現れることも多いため、正しい姿勢を保つなど気をつけて生活を送る必要があります。

    重度の腰椎椎間板ヘルニアや癌などの場合は、原因を取り除くため手術や入院が必要です。

    坐骨神経痛に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    • 正しい姿勢を心がる

    長時間にわたり悪い姿勢をとり続けると、筋肉や関節に負担がかかり、坐骨神経痛の要因になります。立つときも座っているときも正しい姿勢を保ち、左右に均等に体重をかけることを意識しましょう

    • ストレッチをする

    仕事などで、長時間同じ体制を取らざるを得ない場合は、伸びをするなどして筋肉が硬くならないようストレッチをしてください。お風呂上がりなどに軽いストレッチを行うことも良いでしょう。

    • 太りすぎを改善する

    体重の軽減に伴い、背骨や腰、足にかかる負担も軽減します。

    坐骨神経痛は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    原因となる神経の圧迫が改善されれば、多くの場合、痛みは改善します。しかし、痛みが改善されても後遺症として症状が残ることがあります。後遺症は、しびれていないのに、触ってみると変な感じがするといった感覚の異常が最も多く知られています。