しろうせいひふえん
脂漏性皮膚炎
皮脂(皮膚のあぶら)がよく出る部位に起こる湿疹。赤ちゃんと成人に多い
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最終更新: 2022.08.12
脂漏性皮膚炎の基礎知識
POINT 脂漏性皮膚炎とは
皮脂がよく出る部位(頭や顔、脇の下)に出る湿疹のことを指し、マラセチアという真菌が関与していると考えられています。3ヶ月未満の乳児や思春期、40歳代に多い病気です。皮膚の赤みや表面の毛羽立ち、かゆみなどが主な症状で、基本的には視診(皮膚の様子を観察すること)で診断されます。皮膚を清潔に保つことが治療になりますが、症状がひどい場合はステロイド薬などを使うことがあります。脂漏性皮膚炎が心配な人は小児科や皮膚科を受診してください。
脂漏性皮膚炎について
脂漏性皮膚炎の症状
- 赤ちゃんの場合
- 生後2-4週ごろから頭やおでこに黄色っぽいかさぶたができる
- かさぶたがぼろぼろととれる
- 3-6か月で自然に治まる
- 大人の場合
慢性的 にぼろぼろと、ふけのようなものが落ちる- よく見ると頭皮の一部が赤くなっていたり硬くなっている部位がある
脂漏性皮膚炎の検査・診断
脂漏性皮膚炎の治療法
- 乳児の場合は経過とともに自然に改善するので、基本的に治療は必要ない
- 自然に治るものなので、無理にごしごしはがそうとしないこと
- 入浴の30分ほど前にベビーオイルやオリーブオイルをかさぶた全体になじませ、お風呂で優しく拭き取るようにするとぽろぽろととれる
症状 が強い場合やアトピー性皮膚炎の関与が疑われる場合には、弱めのステロイド の塗り薬を使用する
- 成人の場合は石けんやシャンプーの適切な使用により清潔を保つ
- ステロイドの塗り薬を使うこともある
真菌 の感染により悪化している場合には、抗真菌薬の塗り薬や抗真菌薬配合シャンプーなどを使用する
脂漏性皮膚炎に関連する治療薬
ビタミンB6製剤
- ビタミンB6を補い、口内炎や湿疹、貧血、手足のしびれなどを改善する薬
- ビタミンB6は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンでタンパク質からアミノ酸への分解などを助ける働きがある
- ビタミンB6が不足すると皮膚、粘膜、神経の炎症や貧血などがおこりやすくなる
- ビタミンB6が不足すると中枢神経の異常興奮により痙攣などがおきやすくなる
- イソニアジド(主な商品名:イスコチン)の投与によるビタミンB6欠乏症に使用する場合もある
- 薬剤によってはてんかんの治療などに使用する場合もある
ビオチン製剤
- 体内にビオチン(ビタミンH)を補充し、湿疹や皮膚炎、にきびなどを改善する薬
- ビオチンは水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンであり体内で糖の再利用やアミノ酸の代謝などに関わる
- ビオチンが不足すると皮膚形成が損なわれ、アレルギーを起こす体内物質の排泄なども低下するとされる
- 本剤はビオチン製剤であり、体内にビオチンを補充することで、皮膚症状などを改善する
- ビオチンはビタミンB群の一種でビタミンHと呼ばれることもある(ビタミンB7とも呼ばれていた)
抗真菌薬(皮膚外用剤)
- 真菌(かび)を障害する抗真菌作用により、白癬菌やカンジダなどの感染による症状を改善する薬
- 皮膚真菌症は真菌(かび)が皮膚に感染しておこり、その多くは白癬菌やカンジタなどが原因となる
- 白癬症は白癬菌による皮膚感染症で、足、爪、頭部など感染する場所は様々
- 本剤は真菌を障害する作用(抗真菌作用)をあらわす外用薬
- 剤形に軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり、薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある。
脂漏性皮膚炎が含まれる病気
脂漏性皮膚炎のタグ
脂漏性皮膚炎に関わるからだの部位
