[医師監修・作成]脂漏性皮膚炎の検査:アトピー性皮膚炎などと区別するための検査 | MEDLEY(メドレー)
しろうせいひふえん
脂漏性皮膚炎
皮脂(皮膚のあぶら)がよく出る部位に起こる湿疹。赤ちゃんと成人に多い
8人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2022.08.12

脂漏性皮膚炎の検査:アトピー性皮膚炎などと区別するための検査

脂漏性皮膚炎が心配で医療機関を受診した場合には、まず問診が行われて病気の症状などについて聞かれます。診察では皮膚をよく見たり、必要に応じて要因となるマラセチアという真菌(カビ)がいないかを確かめたり、他の病気ではないか調べる検査などが行われます。ここでは脂漏性皮膚炎が疑われた場合の検査の詳しい説明と、脂漏性皮膚炎と見分けがつきにくい病気についての説明をします。

1. 問診

問診では皮膚炎の症状や身体の状況、生活背景を聞かれます。問診は身体診察の前に行われます。脂漏性皮膚炎は確定診断する方法がないため、他の病気が原因の皮膚炎でないことを調べて診断が行われます。そのため、問診では他の皮膚炎と関係する原因や症状がないかなどが聞かれます。病気を診断する際には問診がとても重要です。多くの場合は診察前に問診票を記入して、それを元にさらに詳しい問診や診察が進められます。

よく聞かれる質問について次に説明します。

皮膚症状に関しての質問

受診するきっかけとなった皮膚の症状に関して詳しく聞かれます。具体的には次のような質問をされることが多いです。

  • 皮膚の症状がある部位はどこか
  • いつ頃から皮膚の症状が起きているか
  • 皮膚の自覚症状はなにがあるか
  • 全身の自覚症状はなにがあるか
  • 皮膚の症状の原因として思い当たることがあるか
  • 皮膚の症状に関して他の医療機関に相談したことがあるか

質問内容について詳しく説明します。

◎皮膚の症状がある部位はどこか

脂漏性皮膚炎の多くは顔面に起こります。洋服で覆われていない頭部や手などは見るだけでわかりますが、露出していない脇や背中などに症状がある場合には忘れずに伝えて、診察してもらってください。

◎いつ頃から皮膚の症状が起きているか

皮膚の症状にいつ頃から気がついたのか、その症状に気がついてから症状は悪化しているのか、などについて伝えてください。

◎皮膚の自覚症状はなにがあるか

どんな症状があるか伝えてください。例えば次のような症状があると思います。

  • かゆい
  • 痛い
  • 腫れている
  • じゅくじゅくする
  • かさかさする
  • ぶつぶつする
  • 赤くなっている

かゆみや痛みがあるか伝えてください。皮膚のほてりや熱い感じ、痛みがある場合には脂漏性皮膚炎ではなく他の皮膚炎の可能性があります。またかゆみが強い場合も脂漏性皮膚炎以外の皮膚炎が考えられます。

◎全身の自覚症状はなにがあるか

皮膚炎に伴って、全身のかゆみ、発熱などの全身の症状が出ることがあります。脂漏性皮膚炎では皮膚炎のある部分のみの症状であり、全身の症状になることはありません。もしある場合には他の病気が考えられます。診断の参考になりますので、お医者さんに伝えてください。

◎皮膚の症状の原因として思い当たることがあるか

皮膚の症状の原因として思い当たるものがあれば伝えてください。皮膚炎の原因になるものの例として次のようなものがあります。

  • 薬(内服薬外用薬
  • 化粧品
  • 日光 

薬を使用後に湿疹ができてきた場合や、薬を塗ったところに湿疹ができてきた場合は薬の名前を忘れずに伝えてください。また、ステロイド外用薬を長期間にわたって使用している場合には酒さ様皮膚炎を起こすことがあります。化粧品や日光などは接触性皮膚炎の原因になります。

◎皮膚の症状に関して他の医療機関に相談したことがあるか

皮膚の症状について他の医療機関を受診して検査や治療を受けたことがある場合には、わかる範囲で伝えてください。行った検査の結果や、言われた診断名、使った薬などがわかると診断や治療の参考になります。

身体状況や生活背景に関しての質問

治療するにあたって必要な他の病気や生活に関しての質問も行われます。

  • 以前に治療した、もしくは現在治療中の病気、けが、持病はあるか
  • 常用薬やサプリメントの服用はあるか
  • 薬や食べ物などのアレルギーはあるか
  • 喫煙をどの程度するか
  • 飲酒をどの程度するか
  • 家族がかかった病気は何があるか

重要な質問をより詳しく説明します。

◎以前に治療した、もしくは現在治療中の病気、けが、持病はあるか

以前に治療を受けたことがある病気や、現在治療中の病気などがある場合には伝えてください。病気に関連した、脂漏性皮膚炎とは別の皮膚炎と区別するためや、薬の飲み合わせなども重要になるため、とても重要な情報です。

脂漏性皮膚炎と区別が難しいアトピー性皮膚炎ではアレルギー疾患を持つことが多いです。気管支喘息アレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎にかかったことがある場合には特に重要な情報ですので必ず伝えてください。

◎常用薬やサプリメントの服用はあるか

現在使用している薬やサプリメントがあれば教えてください。新しく薬を服用する時には飲み合わせを確認する必要があります。医療機関を受診する時は必ずお薬手帳を持参するようにして下さい。

◎家族がかかった病気は何があるか

脂漏性皮膚炎と区別が難しいアトピー性皮膚炎では、家族がアレルギー疾患を持つことがあります。家族で気管支喘息アレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎などを持つ人がいる場合には特に重要な情報ですので必ず伝えてください。

2. 身体診察

身体診察では皮膚の症状がある部分をよく観察します。皮膚の赤みの状態やかさぶたの状態などをよく観察しますので、自覚症状がある部分についてお医者さんに伝えてください。

脂漏性皮膚炎自体を見た目のみで確定診断することは難しいため、色々な検査を重ねて他の皮膚の病気との区別をしたうえで、最終的な診断が行われます。

3. 他の病気を区別するための検査:真菌の検査など

脂漏性皮膚炎自体の確定診断が難しいため、症状や皮膚の見た目などから考えられる他の皮膚の病気を区別するための検査が行われます。

まずは皮膚の症状がある部分をよく観察します。さらにアトピー性皮膚炎尋常性乾癬接触性皮膚炎皮膚筋炎などを区別するために血液検査やパッチテストなどが必要に応じて行われます。

ダーマスコピー

皮膚を大きく拡大してよく観察するための虫眼鏡のような道具です。脂漏性皮膚炎の診断には必ずしも必要ではありませんが、他の病気と区別するためにダーマスコピーで観察することもあります。

真菌を調べる検査

脂漏性皮膚炎のいる部分にはマラセチアという真菌(カビ)が多いことがわかっています。顕微鏡で観察して皮膚炎の部分にマラセチアがいれば脂漏性皮膚炎の可能性が高くなります。また他の真菌の感染による皮膚炎と区別するためにも顕微鏡で実際に真菌がいるかどうかを観察します。これは外来ですぐ行うことができる検査です。

まず、脂漏性皮膚炎のある部分の皮膚をこすって採取します。次に、採取した皮膚をガラスの板の上にのせて、メチレンブルーという染色液をかけて観察すると、マラセチアを直接顕微鏡でみることができます。

頭部では尋常性乾癬と脂漏性皮膚炎を区別することが難しいですが、皮膚をこすって顕微鏡で見たときにマラセチアがいる場合には脂漏性皮膚炎の可能性が高くなります。腋窩や陰部などの湿疹では白癬や皮膚カンジダ症を区別するために行われます。

血液検査

血液検査は脂漏性皮膚炎の診断に必須ではありません。アトピー性皮膚炎皮膚筋炎などが疑われた場合にこれらの病気かどうかを調べるために行われます。

アトピー性皮膚炎の検査

アトピー性皮膚炎の診断や重症度の参考になる検査は次の通りです。

  • 血液中好酸球数
  • 血清総IgE抗体
  • 特異的IgE抗体

血液中好酸球数はアレルギーによる炎症がどの程度あるかの参考になります。ただし血液中好酸球数が低いからアトピー性皮膚炎ではないということはいえません。

血清総IgE抗体はアトピー性皮膚炎の8割の人で高い値になり、アレルギーによる炎症がどの程度あるかの参考になります。ただし、これも低いからアトピー性皮膚炎ではないということはいえません。

特異的IgE抗体は例えばダニ、スギ花粉、食べ物といったそれぞれの物質に対するアレルギー反応がどの程度あるかの参考になる検査です。アトピー性皮膚炎の人はこれらに対してアレルギーを持つことが多いため、検査が行われることがあります。

皮膚筋炎の検査

皮膚筋炎で特徴的な自己抗体を調べることがあります。皮膚筋炎免疫の細胞の異常により筋肉が壊される自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは免疫の異常で、自分自身の身体を攻撃してしまう病気のことです。この自分の身体を攻撃する物質を自己抗体と呼びます。皮膚筋炎の抗体には抗Jo-1抗体、抗ARS抗体、抗TIF-1γ抗体、抗MDA-5抗体などがあります。

パッチテスト

接触性皮膚炎との区別をつける必要がある場合に行われる検査です。顔や頭皮におきた接触性皮膚炎は脂漏性皮膚炎と区別が難しくなります。そのためパッチテストの結果を参考に診断が行われます。

パッチテストの方法を説明します。パッチテストは接触性皮膚炎の原因となる物質として疑わしいものを皮膚科に持参して検査を行います。普段使用している化粧品、洗濯用洗剤、食器用洗剤、石鹸、歯磨き粉などです。これらをパッチテスト用のシートに染み込ませて、腕もしくは背中に貼り付けます。貼り付けている間は汗を大量にかくことや、貼った部分を濡らすことは避けてください。2日後と3または4日後に皮膚科に受診して判定が行われます。

パッチテストで原因の物質があれば接触性皮膚炎で、ない場合には脂漏性皮膚炎の可能性が高いと判断されます。

4. 脂漏性皮膚炎と区別が難しい病気

脂漏性皮膚炎と診断されて治療を行っても、なかなか症状が改善しない場合には他の皮膚の病気の可能性もあります。なかなか治らない場合には、まずきちんと言われた通りの治療を行えているか確認します。スキンケアの方法、軟膏の塗り方、かゆみで掻いてしまっていないかなどを確認してみてください。きちんと治療を行っているのに治らない場合には、他の病気の可能性が考えられます。通院中の皮膚科のお医者さんに相談してみてください。

脂漏性皮膚炎と区別が難しい病気は下記の病気です。

それぞれについて簡単に説明します。

尋常性乾癬

乾癬は赤くなった皮膚の上に銀白色の鱗屑がくっついた皮疹が起こる病気です。全身に起こりますが、人によっては頭部のみの場合もあります。頭部の尋常性乾癬と脂漏性皮膚炎との区別はとても難しく、治療を行いながら診断をつける場合もあります。まれに脂漏性皮膚炎の経過中に尋常性乾癬に移行する場合もあり、経過をみないと診断ができない場合もあります。詳しくは「尋常性乾癬の基礎知識のページ」を参考にしてください。

◎皮膚症状

皮膚が赤茶色になったり、表面に白い垢のような鱗屑が分厚く付着します。かゆみはない場合もあります。よく擦れる部分に起こりやすく、肘、膝、お尻、頭などに現れます。

◎治療

最初に行われる治療は塗り薬による治療です。ステロイド薬ビタミンD軟膏が使われます。症状の範囲が広い場合には免疫抑制剤などの内服薬や光線療法、生物学的製剤による治療も行われます。

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹が、治ったり悪化したりを長期間にわたって繰り返す、アレルギーが関与する病気です。乳児期に発症することが多く、乳児脂漏性皮膚炎と区別が難しい病気です。

一般的には脂漏性皮膚炎より遅い時期にアトピー性皮膚炎は発症します。脂漏性皮膚炎は生後3ヶ月以降に自然に治ることが多いため、3ヶ月以降も症状が続く場合や、脂漏性皮膚炎がいったん治った後に再度悪化する場合にはアトピー性皮膚炎が疑われます。

アトピー性皮膚炎は、家族や自分がもともとアレルギー素因を持つかどうかが診断の助けになります。具体的には次のような病気です。

いずれもアレルギーが関連する病気です。家族がこれらの1つもしくは複数を持つ場合や、自分がどれかを持つ場合には、アトピー性皮膚炎を考えるきっかけになります。

◎皮膚症状

皮膚症状は日本皮膚科学会の診断基準によると次のようになります。

  • かゆみを伴う
  • 特徴的な皮疹の分布がある
  • 慢性で繰り返し起こる

アトピー性皮膚炎は脂漏性皮膚炎と異なり強いかゆみがあることが特徴です。かゆみを伴う特徴的な発疹が繰り返し起こります。かくと皮膚のバリアが破綻してさらにかゆくなる悪循環に陥ります。皮膚のバリアが壊れると皮膚の感染症合併しやすくなります。

発疹は炎症の強い急性病変と、慢性化した発疹が混じって存在します。急性病変は皮膚の赤み(紅斑)、盛り上がった皮疹(丘疹)、かさぶたなどがあります。慢性病変は皮膚の毛羽立ちによる鱗屑や、分厚いかさぶたになります。皮疹は左右対称に起こります。

皮疹は年齢による次のような特徴があります。

  • 乳児:頭、顔から体幹や手足に広がる
  • 幼少期:首、手足の関節に起こりやすい
  • 思春期・成人:上半身に皮疹が多く、頭、首、胸や背中に多く現れる

また、脂漏性皮膚炎がよく起こりやすい鼻のまわりには、アトピー性皮膚炎では皮膚炎が起こらないため、この2つを区別する参考になります。

◎治療

スキンケア、塗り薬、原因や皮疹を悪化させる因子を避けます。スキンケアは治療開始から再発予防の時期までもっとも重要な治療です。皮膚を清潔に保ち、適切に保湿を行います。塗り薬はステロイド外用薬が主に使われ、病状によっては免疫抑制剤であるタクロリムスの塗り薬も使われます。

アトピー性皮膚炎についてはこちらも参考にしてください。

接触性皮膚炎

皮膚で起こるアレルギーの1つです。アレルギーの原因となる物質が皮膚に接触することで起こります。太陽光や金属、医薬品なども原因になります。化粧品や洗顔料が原因になって顔に皮疹を起こしたり、シャンプーが原因になって頭皮に皮疹を起こしたりすると、脂漏性皮膚炎との区別がつきにくくなります。

◎皮膚症状

通常は特定のアレルゲンが接触した部分にのみ炎症を起こして紅斑や湿疹が起こります。まれに接触した部位以外の全身にも強いかゆみが起こることがあります。一方、脂漏性皮膚炎では特定のアレルゲンが原因になることがありません。しかし皮膚に合わないシャンプーや洗顔料、化粧品を使用した場合には症状が悪化することもあります。

◎治療

治療では接触性皮膚炎の原因となっている物質を排除します。原因物質を特定するために行われる検査はパッチテストです。これは原因物質と考えられる、使用している軟膏、クリーム、化粧品、洗顔料などを皮膚に付着させて炎症が起こるかをみる検査です。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬、保湿剤なども使用されます。

接触性皮膚炎についてはこちらも参考にしてください。

皮膚カンジダ症

皮膚カンジダ症はもともと皮膚にいるカンジダが増殖して発症することが多いです。高温多湿な状態で小さな傷などが起きた場合や、不適切にステロイドの塗り薬を使用した場合に起こります。湿疹のある部位にカンジダが存在することが確認されると診断されます。基本的には皮膚同士が擦れる部分に多いです。

◎皮膚症状

皮膚が赤く(紅斑)なり、紅斑の周りに薄い鱗屑がつくことが多いです。その周りにも鱗屑が付着したりします。軽いかゆみや痛みが起こることがあります。

◎治療

抗真菌薬の塗り薬を使用します。病気の部分を清潔にして乾燥させるようにすることも重要で、治療にも再発予防にも効果があります。

白癬

白癬のうち皮膚の角層、爪、毛に留まる場合を表在性白癬と呼びます。白癬菌が感染する部位によって下記のように呼ばれます。

白癬菌は生活環境の中のどこにでもいるため身体に付着する機会は多いです。しかし付着したのみでは白癬を発症することはなく、身体に付着した後、高温多湿の条件があると皮膚の角質内に侵入して発症します。付着しただけの場合には、よく洗って乾燥させることで皮膚から落ちて白癬を発症することはありません。生活環境の色々なところに白癬菌はいるため、付着を防ぐことよりも、手洗いや足をふきとるなどで清潔にすることが重要です。

◎皮膚症状

体部白癬では輪状の赤い湿疹が起こり、周りを小さな水ぶくれや、赤い盛り上がった湿疹が囲みます。頭部白癬では髪の毛が生えている部分に類円型の発疹ができて、かさぶたが付着します。その部分の髪の毛は折れたり抜けたりして脱毛が起こります。かゆみや痛みなどの自覚症状は少ないです。特に頭部白癬は脂漏性湿疹と見分けが難しく、ステロイド軟膏を使用することによって症状が悪化してがたまるケルスス禿瘡が起こります。

◎治療

ほとんどの場合には真菌に効果のある塗り薬(外用抗真菌薬)で治療が行われます。頭に白癬が起きた頭部白癬は外用薬で悪化することがあり、内服の抗真菌薬が使われることもあります。清潔にすることと、適度に乾燥させることなどは治療にも予防にも効果があります。

白癬についてはこちらも参考にしてください。

酒さ様皮膚炎

酒さとは一時的もしくは長引く顔の赤みなどの症状を指します。酒さ様皮膚炎とは顔に長期間にわたってステロイドなどの塗り薬を使用することによって、顔の赤みを伴うようになった皮膚炎です。ステロイドの塗り薬が原因になることが多いですが、保湿薬や免疫抑制剤などの塗り薬でも長期間の使用でこの皮膚炎が起こることがあります。

脂漏性皮膚炎も酒さ様皮膚炎も赤みを伴い見た目だけでの区別が難しいため、身体診察のみではなく、問診でのステロイド外用薬などの使用歴などを参考に診断が行われます。

◎皮膚症状

顔のほお、あご、おでこ、口のまわりなど外用薬を使用していたところの皮膚が赤くなったり(紅斑:こうはん)、赤く盛り上がった米粒大までの小さなブツブツ(丘疹:きゅうしん)ができたり、皮膚の血管が拡張したりします。粘っこい液体がたまった小さな水泡(膿疱:のうほう)ができたりもします。

発疹がある部分にはほてり感が起こります。かゆみはあっても軽いことが接触性皮膚炎アトピー性皮膚炎との区別の参考になります。接触性皮膚炎が疑われる場合には、使用している軟膏、クリーム、化粧品、洗顔料などでパッチテストを行って診断がつけられます。

◎治療

原因となった外用薬を中止します。中止後は一時的に皮膚症状の悪化が見られ、さらに顔やまぶたの腫れなども起こります。一時的な悪化症状は通常2-4週間たつと徐々に改善していきます。内服薬としてミノサイクリンを使うこともできます。

酒さ様皮膚炎についてはこちらも参考にしてください。

皮膚筋炎

皮膚筋炎は免疫の細胞の異常により筋肉が壊される自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは免疫の異常で、自分自身の身体を攻撃してしまう病気のことです。厚生労働省の指定難病に指定されており一定の基準を満たすと医療費の補助が受けられます。

まぶたや指の関節に起こる特徴的な症状の他には、かゆみを伴う脂漏性皮膚炎に似た赤い発疹が起こります。全身に症状が起こる病気であるため、診断のための検査は、身体診察や血液検査、いろいろな画像検査が行われます。皮膚筋炎にはがんが合併することがあるため、がんがないかを調べるために全身をくまなく調べます。

◎皮膚症状

皮膚には様々な症状が起こります。

  • 赤い発疹:顔・首・胸・背中・肩・肘・足首など
  • 上まぶたが紫色に腫れる(ヘリオトロープ疹)
  • 指関節の背面や肘が赤くがさがさになる(ゴットロン徴候)
  • かゆみが出ることもある
  • 手のひらが荒れてひび割れができる
  • 皮膚の下に硬い塊(石灰化)ができる

皮膚に赤い発疹が起こり、かゆみを伴います。皮膚筋炎に特徴的な症状として、まぶたが紫色になるヘリオトロープ疹や、指関節が赤くなるゴットロン徴候があります。

◎その他の症状

主に筋肉が弱くなる症状が起こります。

  • 身体の胴体に近い部分の筋肉の力が弱くなる
  • 筋肉が細くなる
  • 筋肉痛
  • 発熱
  • 関節の痛み
  • 寒いところで手の指が青くなる(レイノー徴候)

筋肉が弱くなるため、立ち上がれなくなる、腕をあげられなくなる、飲み込みがしにくくなるなどの症状が起こります。全身の炎症による発熱や関節の痛みなどが現れます。

◎治療

全身の病気であるため皮膚のみの治療ではなく、ステロイドを点滴したり、内服したりする治療が行われます。免疫の異常が原因になるため、免疫抑制薬なども使われます。

皮膚筋炎についてはこちらを参考にしてください。

新生児痤瘡

ちょうど脂漏性皮膚炎と同じような時期に起こりやすい赤ちゃんのニキビです。一般的には生後2週間頃からニキビが起こり、生後2ヶ月を過ぎると症状は自然に治ります。男性ホルモンの影響で起こるのではないかと考えられ、男の赤ちゃんに多い病気です。乳児脂漏性皮膚炎より少し早い時期からできはじめますが、同時期に起こることもあり区別は難しいです。いずれも対処方法は同じで清潔にすることが治療になります。

◎皮膚症状

生後2週間頃から顔の頬やおでこ、あごにニキビができます。赤く盛り上がった米粒大までの小さなブツブツ(丘疹:きゅうしん)ができたり、粘っこい液体がたまった小さな水泡(膿疱:のうほう)ができたりします。思春期のニキビと異なり、胸や背中には起こりません。

◎治療

基本的には特別な薬は不要で、多く分泌されている皮脂を石鹸できれいに落とします。石鹸の泡を手にとって皮疹のある部分を丁寧になでて洗ってあげます。このように清潔にするだけで1-2ヶ月程度で改善します。