じゅうけつきゅうちゅうしょう
住血吸虫症
寄生虫の一種である住血吸虫によって起こる感染症。日本では過去に日本住血吸虫症が流行した
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最終更新: 2017.12.06
住血吸虫症の基礎知識
POINT 住血吸虫症とは
寄生虫の一種である住血吸虫によって起こる病気です。住血吸虫は淡水に住む巻き貝などに潜んでいるため、川や湖で泳いだりして感染することがあります。住血吸虫症を大きく分けると、腸管住血吸虫症と泌尿生殖器住血吸虫症になります。主な症状は、皮膚のかゆみ・発熱・下痢などになります。 便検査や血液検査で診断します。抗寄生虫薬を用いて治療します。住血吸虫症が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。
住血吸虫症について
- 寄生虫の一種である住血吸虫によって起こる
感染症 - 住血吸虫は、淡水に住む巻貝に寄生している
- 住血吸虫のいる淡水で泳いだりして、幼虫が皮膚から侵入することで感染する
- 幼虫は血管内に入り、数週間で成虫になり血管内で産卵する
- 卵は血流に乗って体の様々な部位に行き、臓器にダメージを与える
- 住血吸虫の種類によって、5つに分けられる
- 日本住血吸虫:日本、中国、インドネシア、フィリピン
- マンソン住血吸虫:アフリカ、中南米(カリブ海諸国、ブラジル、ベネズエラ)、中東
- メコン住血吸虫:カンボジアとラオスの一部地域
- インターカラーツム住血吸虫:中部アフリカの一部地域
- ビルハルツ住血吸虫:アフリカ、中東
- 上記の住血吸虫症は、
症状 の現れ方として、大きく2種類に大きく分けられる- 腸管住血吸虫症
- 肝臓や
消化管 に障害が起こる - 日本住血吸虫、マンソン住血吸虫、メコン住血吸虫、インターカラーツム住血吸虫
- 肝臓や
- 泌尿生殖器住血吸虫症
- 生殖器や外性器に障害が起こる
- ビルハルツ住血吸虫
- 腸管住血吸虫症
- 2011年のアメリカ疾病予防管理センターの報告によると、住血吸虫は世界で2億4千万人が感染していると推定される
- 日本での住血吸虫の感染症は、1996年に撲滅宣言が出されたが、海外で感染し日本に入ってくる(輸入感染症)ことがある
住血吸虫症の症状
住血吸虫症の検査・診断
- 検便(日本住血吸虫、マンソン住血吸虫、メコン住血吸虫、インターカラーツム住血吸虫)、検尿(ビルハルツ住血吸虫)で虫卵が出ないか確認する
- 血液検査で
抗体 の存在の有無を確認する- 感染後6〜8週間後に感染者に抗体ができた段階で行う
- 過去に感染したことがあると抗体ができてしまうので、抗体があるからいま感染していると判断はできない弱点がある