えーしーてぃーえいちたんどくけっそんしょう
ACTH単独欠損症
下垂体から出るホルモンのうち、ACTHのみ分泌されない状態
4人の医師がチェック 48回の改訂 最終更新: 2022.11.25

ACTH単独欠損症の基礎知識

POINT ACTH単独欠損症とは

下垂体から出るホルモンのうち、ACTHだけが分泌されない状態のことです。遺伝や下垂体の炎症(腫瘍、出血、炎症、壊死など)が原因になります。副腎の機能が低下することがあり、「全身のだるさ」や「食欲の低下」、「吐き気・嘔吐」などの症状が出現します。ACTH欠損症が疑われる人には血液検査や画像検査(腹部CT検査や頭部MRI検査)などが行われ、治療にはACTH、ステロイドや甲状腺ホルモンの補充などが行われます。ACTH欠損症の人の診療が行われるのは内科や内分泌内科です。

ACTH単独欠損症について

  • 下垂体から出るホルモンのうち、ACTHのみの分泌が低下している状態
  • 主な原因
    • 遺伝性(子どもに多い)
    • 下垂体の炎症腫瘍、出血、炎症、壊死など(大人に多い)
  • まれな病気である
  • 病気のなかのタイプ分け
    • 以下に分けられる
      • 後天性に成人に発症する
      • 新生児期から発症する
      • Cushing病ないしCushing症候群の術後
      • ステロイド薬の大量使用後
      • 抗がん剤免疫チェックポイント阻害薬)の副作用
  • 急性副腎不全をきたす人もおり、低血糖低ナトリウム血症合併する
  • 難病に指定されている病気で、専門の医師に診断をつけてもらえば医療費の助成を受けられることがある
  • 甲状腺機能低下症を合併していることがある

ACTH単独欠損症の症状

  • 典型的な症状
    • 全身のだるさ
    • 疲れやすさ
    • 食欲の低下
    • 吐き気、嘔吐
    • 低血糖
    • 低血圧
    • 体重減少
    • 腋毛および恥毛の減少
    • 意識障害 など

ACTH単独欠損症の検査・診断

  • スクリーニングに有効な検査
    • 症状の聴取
    • 血液検査(ホルモン値や血糖値、ナトリウムの値を測定する)
    • 尿検査
  • 確定診断に必要な検査
    • 血漿や尿中のステロイド量が低値を示す
    • ACTH分泌量の測定
    • 負荷試験:ホルモンを投与し、体の反応を調べる
  • 画像検査
    • 腹部CT検査:副腎の大きさなどを調べる
    • 頭部MRI検査:下垂体に異常がないかを調べる
  • 場合によっては除外診断が必要になることが多い疾患とそのための検査
    • 下垂体から出る他の分泌ホルモンが低下していないかを確認する

ACTH単独欠損症の治療法

  • ACTHやコルチゾール(副腎皮質ステロイド)の補充を行う
  • 甲状腺機能低下症合併している場合は、甲状腺ホルモンの補充も行う

ACTH単独欠損症のタグ

ACTH単独欠損症に関わるからだの部位