[医師監修・作成]乳腺線維腺腫の症状について:乳がんの症状との違い | MEDLEY(メドレー)
にゅうせんせんいせんしゅ
乳腺線維腺腫
乳房にできる良性の腫瘍性病変。15-30歳くらいの女性に多く見られる
6人の医師がチェック 47回の改訂 最終更新: 2020.07.01

乳腺線維腺腫の症状について:乳がんの症状との違い

乳腺線維腺腫は「乳房のしこり」から見つかることが多い病気です。しこりは乳腺線維腺腫だけに起こる症状ではなく、乳がんでもよく見られます。しかし、一口に「しこり」といっても乳腺線維腺腫と乳がんでは特徴に違いがあります。このページでは乳腺線維腺腫のしこりの特徴と乳腺線維腺腫ではほとんどみられない症状を中心に説明します。

1. 乳腺線維腺腫でよくみられる症状の特徴

乳腺維腺腺腫の主な症状は乳房にできる「しこり」です。これは乳がんでもよく見られますが、その特徴にはいくつか違いがあります。

乳腺線維腺腫のしこりには可動性がある

乳腺線維腺腫によるしこりには可動性というものがあります。可動性とは、しこりが周りの組織とくっついていないために、押したりつまんだりすると、その場から動くことです。乳がんでも可動性がある場合はありますが、典型的な場合では可動性は少ないです。つまりしこりを押してもその場からほとんど動かないことが多いです。

乳腺線維腺腫によるしこりは周りとの境界がわかりやすい

がんには周りの組織を壊しながら入り込んでいく特徴があるので、しこりと周りの境目がわかりにくいことが多いです。一方で、良性腫瘍である乳腺線維腺腫は周りの組織を破壊しないので、周りの組織との境界が明瞭なことが多いです。

乳腺線維症のしこりは小さくなることがある

しこりが乳腺線維腺腫によるものであれば、そのしこりは時間とともに小さくなることがあります。乳がんは時間の経過とともに大きくなり、小さくなることはほとんどありません。しこりが小さくなったのであれば、乳腺線維腺腫によるものであると考えやすくなります。

2. 乳腺線維腫ではほとんどみられない症状

乳腺線維腺腫ではあまり見られない症状もあります。これらの症状がある場合は、乳腺線維腺腫というよりは他の病気の可能性を考えなければなりません。これ以降は主に乳がんで見られる代表的な症状を説明しています。乳がんの症状についてはこのページだけではなく、「乳がんの症状①」や「乳がんの症状②」も参考になります。

痛み

乳腺線維腺腫では痛みを感じることは少ないです。乳房の痛みを感じるのは、乳腺炎や特殊なタイプの乳がんです。 乳腺炎は主に、授乳中に生じる乳頭の傷から細菌が侵入して起こる病気です。痛みの他に乳頭からが出たり、赤く腫れ上がる(発赤)といった症状があります。乳がんでは痛みがない場合も少なくありませんが、炎症乳がんという特殊なタイプの乳がんでは痛みや発赤が現れます。炎症性乳がんはまれな病気ではあるので、あまり心配になる必要はありません。とはいえ、乳房の痛みがあれば原因を調べるため、念のための診察や検査は受けておくことをおすすめします。

脇の下の腫れ

脇の下には乳房につながるリンパ節があり、腋窩リンパ節といいます。乳房の病気が影響して、腋窩リンパ節が腫れることがあります。腋窩リンパ節の腫れを起こす病気としては乳がん乳腺炎があります。一方で、乳腺線維腺腫で腋窩リンパ節が腫れることはほとんどありません。

乳頭から血液を含んだ液体が出る

乳頭(ちくびのこと)から血液を含んだ液体が出ることがありますが、これは乳がんに特徴的な症状です。がんが乳房の組織を破壊した際に出た血液が乳頭から出てくると考えられています。

参考文献

・ Michael S Sabel,MD., Overview of benign breast disease. UpToDate
・日本乳癌学会, 「患者さんのための乳癌診療ガイドライン
・日本乳癌学会, 「乳癌診療ガイドライン
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