[医師監修・作成]乳腺線維腺腫の治療について:乳がんの治療との違い | MEDLEY(メドレー)
にゅうせんせんいせんしゅ
乳腺線維腺腫
乳房にできる良性の腫瘍性病変。15-30歳くらいの女性に多く見られる
6人の医師がチェック 47回の改訂 最終更新: 2020.07.01

乳腺線維腺腫の治療について:乳がんの治療との違い

乳腺線維腺腫は良性腫瘍です。悪性腫瘍乳がんとは違って健康が損なわれることはありません。そのため、基本的には治療をせずに定期的な検査で経過をみることになります。治療が必要になるのは乳がんとの区別が難しい場合や、症状や整容面が気になる場合です。このページでは治療について掘り下げて説明していきます。

1. どのような人に治療が必要なのか?

乳腺線維腺腫は基本的には治療の必要はありません。

乳腺線維腺腫には乳がんのように周りの組織を破壊したり転移をする性質はなく、また、時間の経過とともに小さくなったり、消えることも知られています。これらの性質を踏まえると、治療をせずに経過観察をするのが理にかなった対処法だと考えられています。

では、治療が必要な乳腺線維腺腫はどのようなものかというと、主に以下の2つ条件に当てはまる場合です。

  • 乳がんとの区別が難しい場合
  • 見た目が気になる場合

乳がんは放置しておくと命を脅かすため、できるだけ早く手術で取り除かなければなりません。また、転移をしている場合は進行を遅らせるために抗がん剤治療が必要になります。乳がんと乳腺線維腺腫は別の病気ですが、診察や検査だけでは乳がんの可能性を否定できない場合は、手術で病気の部分を切除します。

また、乳腺線維腺腫と確定していたとしても、しこりのために乳房が凸凹して整容面が気になる場合も切除が検討されます。

2. 手術:乳房切除術または乳房部分切除術

手術の方法には「乳房切除術」と「乳房部分切除術」の2つがあります。ここでは大まかな手術の方法や選ばれる状況などについて説明します。詳しい説明は乳がんの治療で説明しているので、「乳がんの手術①」を参考にしてください。

乳房切除術

乳房切除術は乳房をすべて切除する方法です。乳がんの手術として歴史があります。乳がんが否定できない場合に行われることが多いです。一方、整容面などの理由で手術を行う場合には、乳房切除術ではなく乳房部分切除術が選ばれることが多いです。

なお、乳房を切除した後に、人工物や自分の身体の一部分を使って、乳房を作り直すことができます。これを「乳房再建術」といいます。詳しくは「乳がんの手術③」を参考にしてください。

乳房部分切除術

乳房部分切除術も乳がんの手術として一般的に行われています。乳房の一部分だけを取り除く方法なので、乳房の形は残ります。このため、がんが疑われず、整容面などの理由で手術を受けたい場合に向いている方法です。もちろん、乳がんとの区別が付きづらい場合でも、乳房部分切除で治療できることがあります。

参考文献

・ Michael S Sabel,MD., Overview of benign breast disease. UpToDate
・日本乳癌学会, 「患者さんのための乳癌診療ガイドライン
・日本乳癌学会, 「乳癌診療ガイドライン
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