かのうせいかんせんえん
化膿性汗腺炎
汗腺(皮膚の中で汗を作るところ)に炎症が生じた状態。主に脇の下や陰部に起きることが多い
5人の医師がチェック 71回の改訂 最終更新: 2024.04.06

化膿性汗腺炎の基礎知識

POINT 化膿性汗腺炎とは

汗腺(汗を分泌する部位)に炎症が起こり膿が溜まる病気です。汗腺につまりが起こって汗が十分に出せないことが原因です。腋の下や陰部、肛門に多いアポクリン腺というタイプの汗腺に起こりやすいことが知られています。化膿性汗腺炎が起こると、赤く腫れて痛みが生じます。膿を出すことや皮膚を清潔に保つことが治療と予防に重要です。化膿性汗腺炎が心配な人は皮膚科を受診してください。

化膿性汗腺炎について

  • 汗腺(皮膚の中で汗を作るところ)に炎症が起こった状態
  • 毛穴が塞がれて汗が上手く出せないことや、皮膚に傷がつきバリア機能が落ちることが原因になる
  • 欧米からの報告では女性に多いとされるが、アジアでは男性に多いという報告もある
  • アポクリン腺という汗腺の多いところに起こりやすい
    • 感染には、アポクリン腺とエクリン腺がある
    • アポクリン腺は、わきの下や陰部や肛門の周り、乳房の下などに多い
  • 肥満と喫煙が悪化因子と考えられている
  • 30-40%の人が家族歴を持つことから、遺伝性の病気である化性が示唆されている

化膿性汗腺炎の症状

  • 皮膚の毛穴が赤く腫れて痛みが出る
  • 症状が進行した場合は、感染したアポクリン線やその周囲にが溜まる
  • わきの下や陰部や肛門の周り、乳房の下を中心に起こる

化膿性汗腺炎の検査・診断

  • 症状と見た目から診断することが多い
  • 病理検査:皮膚の状態を顕微鏡で調べる
  • 細菌検査培養検査細菌感染症の有無を調べる

化膿性汗腺炎の治療法

  • 治療法
    • 外科的治療
      • 膿瘍ができている場合は切開してを出す(排膿)
      • レーザー治療
      • 病変部の切除
    • 薬物療法
      • 細菌感染を起こしている場合には抗菌薬の内服あるいは塗り薬を使う
      • 生物学的製剤
      • ステロイドなど炎症を抑える薬の投与
  • 皮膚を清潔にすること、通気性をよくすることが重要

化膿性汗腺炎の経過と病院探しのポイント

化膿性汗腺炎が心配な方

化膿性汗腺炎は汗を出す汗腺が炎症を起こした状態です。以前は炎症の原因は細菌と考えられていましたが、現在は細菌感染ではなく原因は未解明だと考えられています。

化膿性汗腺炎は経過と診察結果で診断されます。わきの下や陰部など汗をかきやすい場所が赤く腫れている場合など、ご自身が化膿性汗腺炎でないかと心配になった時には、まずお近くの皮膚科クリニックを受診することをお勧めします。

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化膿性汗腺炎でお困りの方

化膿性汗腺炎は軽いものであれば薬を使用せずとも清潔にしているだけで自然と治ることもありますが、ある程度の大きさになってしまうと、切開をして中の膿を出してしまう治療を行います。また、細菌感染を起こしている人には抗菌薬(抗生物質)が必要になります。
皮膚科を専門とするクリニックまたは病院で診察を受けてください。

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