かんのうほう
肝のう胞
肝臓の中に液体の溜まった袋(のう胞)ができる病気。悪性化することはなく、基本的に治療の必要性もない
5人の医師がチェック 99回の改訂 最終更新: 2017.08.15

肝のう胞の基礎知識

POINT 肝のう胞とは

肝のう胞は肝臓の中に液体のたまった袋(のう胞)ができる病気です。悪性化することはありません。生まれつきのう胞を持っていることも多いですが、炎症や外傷がのう胞の原因となることもあります。基本的に症状はありませんが、のう胞が大きくなってくるとお腹が張る・お腹が鈍く痛む・胃が気持ち悪いなどの症状が出てきます。 症状や身体診察に加えて、エコー検査や画像検査で診断します。治療の必要はないことがほとんどですが、症状が出てきたりのう胞がどんどん大きくなっていく場合は手術で切除したり針を刺して中身を抜いたりします。肝のう胞が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

肝のう胞について

  • 肝臓の中に液体の溜まった袋(のう胞)ができる病気
    • 肝臓だけでなく、他の臓器(腎臓、膵臓、卵巣など)にものう胞が起こることがある
  • 主な原因
    • 生まれつきのもの
    • 何らかの原因によって起こるもの
      ・外傷性肝のう胞:けがによるもの
      炎症性肝のう胞:肝臓の感染や炎症によるもの(エキノコックス(寄生虫の一種)の感染が有名)
  • 悪性化することはなく、基本的に治療の必要性もない
  • 50歳以上の女性に多い
  • 遺伝的に腎臓や肝臓にのう胞のできてしまう人がいる
    • のう胞の数がどんどん増えて臓器の機能を落としてしまうことがある

肝のう胞の症状

  • 主な症状
    • 症状がない場合が多い
    • のう胞が大きくなったり、のう胞内に感染が生じた場合に症状が出る
  • のう胞が大きくなった場合
    • お腹が膨らんでくる
    • お腹が張る
    • お腹が鈍く痛む
    • みぞおちの辺りが気持ち悪い(胃部不快感)
    • 吐き気
  • のう胞内に感染が起きた場合
    • 熱が出る
    • お腹が痛む

肝のう胞の検査・診断

  • 画像検査:肝臓の状態を調べる
    • 腹部超音波検査
    • 腹部CT検査
  • 血液検査:全身の炎症の有無や腫瘍マーカーを測定する
  • 抗体検査:寄生虫が原因かどうかを調べる

肝のう胞の治療法

  • 生まれつきのもので症状がない場合は、基本的に治療を必要としない
  • 症状がある場合
    • 皮膚からのう胞に針を刺して、中の液体を外に出す
    • 手術:お腹を切ってのう胞を切り取る(肝嚢胞開窓術)

肝のう胞の経過と病院探しのポイント

肝のう胞でお困りの方

肝のう胞は基本的に症状がなく、腹部の超音波検査、CTやMRIでたまたま発見されることがほとんどです。健康診断や人間ドックでたまたま肝のう胞を指摘された場合や疑われた場合は、消化器内科のクリニック、病院にCTやMRIの画像を持って行って説明を聞くのが良いでしょう。

肝のう胞はほとんどの場合症状がないため、特に治療は必要ありません。かなりまれなほど(10cm以上など)大きくなって、物理的に腹部の他の臓器を押しのけたりしないと症状が出ませんし、大半のものは「ただ肝臓に存在している」というだけで、一生悪さをしないままです。したがって、偶然見つかった肝のう胞についてはその影響を心配しすぎる必要はありません。

仮にとても大きくて腹部の痛みなど支障が出ている場合には、肝臓そのものへの注射や手術で対応をします。その場合は肝臓外科や消化器外科が中心となった対応することになります。のう胞の大きさだけで「何センチ以上ならば手術」と決まるものではなく、症状の程度が大きく治療方針に影響を及ぼします。信頼できる主治医を見つけ、しっかりと納得した上で治療を選択することが大切な疾患の一つです。

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