こうねんきしょうがい
更年期障害
閉経の前後で女性ホルモンが減ることによって、自律神経と精神状態に異常が起こった状態
16人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2026.01.03

更年期障害の検査:ホルモン検査など

更年期の症状は多様なので、たくさんの病気と区別する必要があります。そのため、ホルモン濃度測定のための血液検査などを行い、症状の原因が更年期障害であることを確認します。このページでは更年期障害の診察や検査について詳しく説明していきます。

1. 問診:日本人女性の更年期症状評価表・更年期指数・クッパーマン指数

問診とは患者さんとお医者さんが対話する診察のことです。患者さんは困っていることを伝え、お医者さんは患者さんから聞いた内容を元にして質問をします。

更年期障害が疑われる人は、問診の前に質問票を渡されることがあります。「日本人女性の更年期症状評価表」、「簡易更年期指数」という形式のものがよく用いられます。また、治療効果の評価方法としてクッパーマン指数というものも用いられます。

日本人女性の更年期症状評価表

症状 症状の程度
1 顔や上半身がほてる(熱くなる)
2 汗をかきやすい
3 夜なかなか眠れない
4 夜眠っても目をさましやすい
5 興奮しやすく、イライラすることが多い
6 いつも不安感がある
7 ささいなことが気になる
8 くよくよし、ゆううつなことが多い
9 無気力で、疲れやすい
10 眼が疲れる
11 ものごとが覚えにくかったり、物忘れが多い
12 めまいがある
13 胸がどきどきする
14 胸がしめつけられる
15 頭が重かったり、頭痛がよくする
16 肩や首がこる
17 背中や腰が痛む
18 手足の節々(関節)の痛みがある
19 腰や手足が冷える
20 手足(指)がしびれる
21 最近音に敏感である

文献:日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会, 日産婦誌, 53(5), 883-888, 2001「日本人女性の更年期症状評価表」より

上の21項目についてそれぞれ「強」「弱」「無」の3段階で評価します。症状の種類や程度を把握するのに使われます。

簡易更年期指数(SMI)

症状
1 顔がほてる 10 6 3 0
2 汗をかきやすい 10 6 3 0
3 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
4 息切れ、動悸がする 12 8 4 0
5 寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
6 怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0
7 くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
8 頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
9 疲れやすい 7 4 2 0
10 肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

文献:小山嵩夫ら, 簡略化した更年期指数による評価, 産婦人科漢方研究のあゆみ, 1992:9:30-34,  より

上の10項目についてそれぞれ「強」「中」「弱」「無」の4段階で評価して、合計点を出します。

クッパーマン指数

症状 重症度 症状群 評価
顔が熱くなる(ほてる) 3 2 1 0 1. 血管運動神経障
害様症状
4
汗をかきやすい 3 2 1 0
腰や手足が冷える 3 2 1 0
息切れがする 3 2 1 0
手足がしびれる 3 2 1 0 2. 知覚障害様症状 2
手足の感覚が鈍い 3 2 1 0
夜なかなか寝つかれない 3 2 1 0 3. 不眠 2
夜眠っていてもすぐ目を覚ましやすい 3 2 1 0
興奮しやすい 3 2 1 0 4. 神経質 2
神経質である 3 2 1 0
つまらないことにクヨクヨする(憂うつになる ことが多い) 3 2 1 0 5. 憂うつ 1
めまいや吐き気がある 3 2 1 0 6. めまい 1
疲れやすい 3 2 1 0 7. 全身倦怠感 1
肩こり、腰痛、手足の節々の痛みがある 3 2 1 0 8. 関節痛・筋肉痛 1
頭が痛い 3 2 1 0 9. 頭痛 1
心臓の動悸がある 3 2 1 0 10. 心悸亢進 1
皮膚をアリがはうような感じがある 3 2 1 0 11. 蟻走感 1

文献
・Kupperman HS, Blatt MH, Wieabader H, Filler W. Comparative clinical evaluation of estrogenic preparations by the menopausal and amenorrheal indicies. J Clin Endocrinol Metab 1953 ; 13 : 688-703
・若槻 明彦, 5)更年期障害(9.,E.婦人科疾患の診断・治療・管理,研修コーナー), 日産婦誌61巻 7号, N-238-242

11の症状に対し「強:3点」「中:2点」「弱:1点」「無:0点」の4段階で評価します。それぞれの症状の重症度に「評価」の値を掛け、全て足し合わせた値がクッパーマン指数です。

お医者さんに上手に症状を伝えるには

お医者さんと自分の身体について話をするとなると、多くの人は緊張してしまいます。伝えたいことを十分に伝えきれなかった、という話もよく聞きます。ですので、受診する前に、伝えたいこと・聞きたいことを整理して書き出しておくことをおすすめします。また、お医者さんとの話を忘れてしまうこともあります。診察後もメモを取っておくと、考えを整理しやすくなります。

2. 血液検査:エストロゲン、FSHなどの測定

エストロゲン卵胞ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)というホルモンが更年期障害に関係しています。血液検査では、これらホルモンの量を測定します。

ホルモンの検査の結果は更年期障害の診断の参考にもされますし、治療効果をみる目安としても使われます。ただし、更年期の症状はホルモンの減少だけで説明できない部分もあります。さらに、ホルモン量は個人差が大きいため、検査結果はあくまで参考程度とされます。

また、甲状腺ホルモン(T3、T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定することもあります。これは、更年期障害によく似た症状があらわれる「甲状腺機能亢進症」や「甲状腺機能低下症」と見分けるために行います。

そのほかでは、血中のコレステロール値や血糖値を測定することもあります。脂質異常症高脂血症)や糖尿病は更年期ごろの年齢で見つかることが多いためです。血液検査でこうした病気が見つかった場合には対応した治療が検討されます。

3. 骨密度測定

一般的に、閉経後は骨密度が低下します。骨では常に新陳代謝が起こっているのですが、閉経にともないエストロゲンが減少すると、骨の吸収が進みやすくなり、骨密度の低下につながります。閉経後は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を発症しやすいため、更年期障害の検査に加えて、骨密度を調べます。

骨密度の測り方として、腰椎(背骨)や大腿骨(太ももの骨)をX線で撮影して測る方法や、超音波検査で測る方法があります。 詳しくは「骨粗鬆症の検査について」を参考にしてください。

4. 何科を受診すればいい? 更年期外来はどうやって探す?

更年期の症状は、ほてり、のぼせ、汗、めまい、関節痛、うつ、イライラなどさまざまです。症状が一つの人もいれば、複数ある人もいます。さらに、症状の強さも人によって違います。このように個人差が大きく、どの診療科を受診すれば良いかわからないことも多いと思います。

そこで、「更年期障害と診断された人」や「もしかして更年期障害かも」と思っている人にお勧めするのが「更年期外来」です。一般的な産婦人科、婦人科でも更年期障害に対応しているところは多いのですが、更年期外来の医師は症状を「女性の更年期という視点」と「全身を診る総合的な視点」で評価することにも重きをおいています。

更年期外来のある医療機関はこちらから探せます。