オウム病の基礎知識
POINT オウム病とは
クラミドフィラ・シッタシという細菌の感染による病気です。インコ・オウム・ハトなどから感染することが多いです。主な症状は、高熱・頭痛・筋肉痛・倦怠感・腹痛・吐き気・嘔吐・下痢・皮疹・咽頭痛・けいれんなどです。 血液検査や画像検査で診断します。治療には抗菌薬を用います。オウム病が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科や感染症内科を受診して下さい。
オウム病について
- クラミドフィラ・シッタシ(Chlamydophila psittaci)という病原体に感染した状態
- 鳥(インコ、ハト、オウムなど)から感染することが多い
- 主に病原体を持った鳥の排泄物(糞)から感染することが多い
- オウムだけでなくアヒル、ニワトリなどほとんどすべての身近な鳥から感染する可能性がある
- 鳥の中ではインコに関連したものが最も多いと考えられている
- 鳥は感染していても
症状 に出ないことが多く、どれが感染している鳥かは見分けられない - 鶏肉を食べても感染しない
- 鳥の繁殖期である4~6月に多いと言われている
- 非定型肺炎と呼ばれる肺炎の原因の1つ
- 治療しなければ死に至ることもある
- 4類感染症に指定されており、診断がついたら医師は最寄りの保健所に届け出ることが必要である
オウム病の症状
オウム病の検査・診断
オウム病の治療法
- オウム病を確定するには時間がかかるので、鳥と接触した人に疑わしい
症状 が出てくれば、オウム病として治療を開始する - よく使われる
抗菌薬 - テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)
- マクロライド系抗菌薬(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)
- ニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシン、シプロフロキサシンなど)
- 長期的な経過
- 抗菌薬治療は2週間行う
- 2回かかることはまれ
- 鳥を飼っている人はオウム病になる可能性が高いので、原因や症状についてよく知ることが重要である
オウム病に関連する治療薬
テトラサイクリン系抗菌薬
- 細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬
- 細菌の生命維持や増殖にはタンパク質合成が必要となる
- タンパク質合成はリボソームという器官で行われる
- 本剤は細菌のリボソームでのタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑える
- 内服薬は薬剤の作用持続時間により(短い順に)短時間作用型、中等度作用型、長時間作用型に分けられる
- 他の種類の抗菌薬と比較した時の特徴
- ブルセラ症、ライム病などでは優先的に使用される薬剤
- ヘリコバクター・ピロリ感染での除菌治療で使用される場合もある(他の抗菌薬に耐性がある場合など)
- 熱帯熱マラリア予防などに使用する場合もある
オウム病の経過と病院探しのポイント
オウム病が心配な方
オウム病では、強めの咳が特徴です。熱や息苦しさといったいわゆる肺炎の症状も見られますが、軽症の方の場合には、風邪だと思っているうちに治ってしまっているというケースもあるでしょう。人から人へと感染が広がることは、まれですがあります。しかし感染力が強い病気ではありませんので、患者を中心に感染が広がって流行するといった類の病気ではありません。
オウム病はその名の通り、鳥から感染する感染症です。オウムに限らず公園のハトやペットのインコも感染源になります。このような鳥と接触してから1-2週間の潜伏期間を経て発症しますので、ご自身で心当たりのある方は一度お近くの内科、または呼吸器内科クリニックの受診をお勧めします。
症状だけからは通常の肺炎なのかオウム病(オウム病も肺炎の一種です)なのかを判断することは困難です。胸の聴診やレントゲンを用いて肺炎の診断を行った上で、もし肺炎であったとしたら、通院で治療するか入院が必要かを判断することとなります。その上で、肺炎の中でもオウム病かどうかの診断が確定するのはその更に後となります。
オウム病でお困りの方
オウム病の治療は抗生物質(抗菌薬、抗生剤)の服用になります。軽症の場合は入院せず通院で治療できることもありますが、病状によって入院が必要となることも多いです。オウム病については診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地はあまりない病気と言えます。
オウム病が含まれる病気
オウム病のタグ
オウム病に関わるからだの部位


