こんごうせいけつごうそしきびょう
混合性結合組織病
全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発筋炎に見られる症状が同時に出現する、自己免疫疾患の一つ
6人の医師がチェック 94回の改訂 最終更新: 2022.04.19

混合性結合組織病の基礎知識

POINT 混合性結合組織病とは

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎に見られる症状が同時に出現する病気です。免疫の異常により起こると考えられています。症状はレイノー現象、手の指の腫れ、息切れ、食べ物の胸でのつっかえ感、筋力低下など様々です。診断のため、血液検査、胸部X線(レントゲン)検査、CT検査、MRI検査、超音波(エコー)検査、内視鏡検査などが行われます。非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制薬などの薬剤を使用します。気になる人はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

混合性結合組織病について

  • 全身性エリテマトーデス全身性強皮症多発性筋炎に見られる症状が同時に出現する自己免疫疾患の一つ
    • 環境や遺伝など様々な要因が病気の発症に関わっていると言われるが、病気が子供に直接遺伝することはない
  • 30−40代の女性に多い
    • 日本には約8,000-9,000人ほどの患者がいると考えられている

混合性結合組織病の症状

  • 主な症状
  • 全身性エリテマトーデスと共通する症状
    • 関節炎
    • 顔面の紅潮
    • リンパ節の腫れ
    • 動悸(心膜炎のある場合)
    • 息切れ(心膜炎のある場合)
    • 咳(胸膜炎のある場合)
    • 胸痛(胸膜炎のある場合)
    • 腎臓の障害
  • 全身性強皮症と共通する症状
    • 手指の皮膚硬化
    • 息切れ(間質性肺炎のある場合)
    • むせ(食道の運動機能低下のある場合)
    • 胸部違和感(食道の運動機能低下のある場合)
  • 多発性筋炎と共通する症状
    • 腕や脚の筋力低下
    • 疲労感
  • 混合性結合組織病の人が解熱鎮痛薬(イブプロフェンなどNSAIDsと呼ばれる薬)を飲むと、髄膜炎を起こすことがごくまれにある

混合性結合組織病の検査・診断

  • 診断には原因となる自己抗体(U1RNP抗体)の存在と全身性エリテマトーデス全身性強皮症多発性筋炎に見られる症状が複数あることが必要
  • 手がむくむ症状、レイノー現象は代表的な症状とされ、また爪の周りに病気に特徴的な異常が現れることがあるので専門家の診察が必要
  • 血液検査
    • 病気の原因となりうる自己抗体(U1RNP抗体)の有無を調べる
    • 血液検査の中にも間質性肺炎肺高血圧症、筋炎の有無の参考となるものがある
  • 胸部レントゲン胸部CT肺機能検査
  • 心臓超音波/心臓カテーテル検査
    • 肺高血圧症の有無を調べる(また重症度の推定にも有用である)

混合性結合組織病の治療法

  • 症状や障害を受けている臓器の種類により治療は異なる
  • 肺高血圧症の有無は重症度の大きく関わるので重要である
  • 炎症状や間質性肺炎、腎臓に障害がある場合もステロイドや免疫抑制薬を使うことが多い

混合性結合組織病のタグ

混合性結合組織病に関わるからだの部位