[医師監修・作成]熱傷(やけど)の症状について:赤み、痛み、水ぶくれ、ただれなど | MEDLEY(メドレー)
ねっしょう
熱傷(やけど)
皮膚や粘膜が熱などの刺激により損傷を受けた状態。損傷の深さによっては皮膚移植などの手術が必要になることもある。
14人の医師がチェック 126回の改訂 最終更新: 2022.04.13

熱傷(やけど)の症状について:赤み、痛み、水ぶくれ、ただれなど

やけどをした瞬間の強い痛みやその後のヒリヒリ感は多くの人が経験したことがあると思います。あらわれる症状はやけどの深さによって違い、深くなるとむしろつついても痛みを感じにくくなったりします。このページでは、まず皮膚の構造について説明したうえで、どの層まで熱傷がおよぶと、どのような症状になるのかを説明します。また、気道熱傷の症状についても紹介します。

1. 皮膚の構造について

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなっています。

表皮

皮膚のなかで一番外側にあるのが表皮です。厚さは平均0.2mmと他の層よりも薄いです。表皮の細胞のうちほとんどは角質層を構成する角化細胞です。角化細胞には病原体や異物をシャットアウトする役割があります。また、水分の蒸発を防ぎ、体内の水分量を保ちます。

真皮

真皮は表皮の次に深いところにある比較的ぶ厚い層です。その多くは膠原線維(コラーゲンとも呼ばれます)という成分であり、皮膚の弾力を生み出しています。

また、真皮の深い部分には「血管」と「神経」が張り巡らされています。

皮下組織

皮下組織は真皮よりもさらに深い位置にあります。脂肪を多く含んでいることから皮下脂肪組織と言われることもあります。脂肪には外からの衝撃を吸収することによって血管や神経を保護するクッション機能や、体温が逃げないようにする保温機能があります。

2. 熱傷の深さによる症状の違い

熱傷はダメージを受けた皮膚の深さによってI度からIII度に分けられています。I度熱傷は表皮まで、II度熱傷は真皮まで、III度は皮下組織まで損傷が及んだ熱傷です。ただし、同じII度熱傷のなかでも浅いときと深いときでは症状が変わってくるので、さらに浅達性と深達性の2つに分けられています。

皮膚の構造と熱傷(やけど)の深さ:1度,2度,3度

I度熱傷

皮膚が赤くなりヒリヒリとした痛みを感じます。多少むくむこともあります。通常1週間以内で自然に治るのが特徴です。ほとんどは、きずあとを残さずに治ります。

浅達性II度熱傷:真皮浅層熱傷(superficial dermal burn:SDB)

赤みを伴う「水ぶくれ」や「ただれ」があります。また、I度熱傷と同様に、ヒリヒリとした痛みを感じます。治るまでおよそ1-2週間程度かかります。この深さであれば真皮を再生する能力が残っているため、きずあとを残さずに治ることが多いです。

深達性II度熱傷:真皮深層熱傷(deep dermal burn:DDB)

浅達性II度熱傷と同じようにただれたり水ぶくれになったりしますが、赤みが引き白っぽくなります。また、この深さでは神経が損傷するため、触った感じや痛みが鈍くなるのも特徴です。3-4週間かけて傷口が塞がることが多いです。真皮が深くまでダメージを受けているため元通りには再生できず、代わりに周りの組織から傷跡を穴埋めするように「瘢痕組織」が増殖して傷を塞ぎます。このとき皮膚が盛り上がったりひきつれたりするため、きずあとが残ります。

III度熱傷

皮下組織までやけどがおよぶと、皮膚はただれて白色や黒色になります。白くなるのは、比較的太い血管がダメージを受けることで血流が障害されて、赤みがなくなるからです。また、死んだ細胞が炭化すると黒くなります。神経が損傷するため、つついても痛みを感じません。治るまでに1ヶ月以上かかることが多く、きずあとが残ります。

3. 気道の熱傷の症状について:呼吸困難

気道熱傷とは、のどや気管といった空気の通り道をやけどすることです。火災などで高温の空気を吸った時に起こります。気道粘膜がやけどすると、むくんで空気の通りが悪くなり、息苦しさを感じます。顔に熱傷があり息苦しさがあるときには、気道熱傷が考えられます。

ただし、受傷直後は呼吸に問題がなくても注意が必要です。時が経つにつれて気道のむくみが悪化して息苦しさが増すことがあるからです。すぐに救急車を呼ぶなどして受診してください。

参考文献
・清水宏, あたらしい皮膚科学第3版, 中山書店, 2018
・日本皮膚科学会ガイドライン「熱傷診療ガイドライン」日本皮膚科学会雑誌第127巻第10号