気道熱傷の基礎知識
POINT 気道熱傷とは
火災や爆発によって生じた火や煙、ガスなどで気道(口から肺までの空気の通り道)がやけどする病気です。ダメージを受ける場所は口の中、のどの奥、肺の奥のやけどまで様々です。また、有毒ガスを吸い込んでしまい中毒を起こすこともあります。主な症状はすすの混じった痰・かすれ声・気道狭窄音(ヒューヒューといった音)・呼吸困難感などになりますが、状態が悪くなると意識を失ってしまいます。 診断は受傷した状況と症状から行います。治療には酸素投与や人工呼吸器管理を主に行います。気道熱傷が心配な人や治療したい人は、救急科・呼吸器内科を受診してください。
気道熱傷について
気道熱傷の症状
- 主な症状
- すすの混じった痰
- 嗄声(させい):かすれ声
- ヒューヒューといった呼吸音
上気道 型の注意するべき症状- のどがむくんで上気道(のどの奥)の空気の道がふさがってしまい、窒息することもある
- 一酸化炭素中毒の
合併 で意識障害 が起きることも多い
気道熱傷の検査・診断
気道熱傷の治療法
気道熱傷の経過と病院探しのポイント
気道熱傷が心配な方
気道熱傷は火事などで高熱の気体を吸入した際に生じるものです。専門科は救急科になりますが、気道だけでなく全身のやけどを伴っていることが多いです。そのような場合、救命救急センターの中でも各都道府県に1箇所前後ある高度救命救急センターや、あるいは熱傷センターでの治療となるでしょう。
仮に全身の状態が安定していて気道だけに障害が及んでいる場合であっても、気道が腫れてしまうと突然の窒息で命に関わる場合があります。入院の上で、ICU (intensive care unit), HCU (high care unit) などと呼ばれるような集中治療室で経過をしっかりとみてもらう必要があります。
気道熱傷の診断は喉頭ファイバースコープで行いますが、夜間や土日祝日に病院を受診する際には注意が必要です。専門外の医師だけでは診断が難しい場合もありますので、救急医がいるかどうかを受診前に病院に確認しておくことも選択肢の一つです。
気道熱傷でお困りの方
重症気道熱傷の治療としては、窒息を防ぐための気管挿管や、緊急の場合には輪状甲状靭帯切開や気管切開と言って、のどに穴を開ける手術を行います。その場合、上記の診断や検査の話と同様に、やはり救急医がいるところでないと治療が難しくなります。
気道熱傷の処置は、診断がつけばその場で緊急で行われることが多いです。平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で処置を行える病院と、そうでない病院があります。小病院ではなく、いわゆる総合病院を受診すべきと言えます。