きのうせいでぃすぺぷしあ
機能性ディスペプシア
胃もたれや胃のキリキリした痛みのような症状があるのにもかかわらず、内視鏡検査などの詳細な検査を行っても異常が見られない病気
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最終更新: 2020.05.15
機能性ディスペプシアの基礎知識
POINT 機能性ディスペプシアとは
胃腸に検査上の異常がないにもかかわらず胃もたれや胃痛などの症状が出てくる病気です。食後に症状が起こるパターンとものを食べていなくても起こるパターンがあります。主な症状は胃もたれ・吐き気・みぞおちの痛み・満腹感などになります。 症状や身体診察に加えて、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や上部消化管造影検査を用いて診断します。胃酸を抑える薬や胃粘膜を保護する薬などを飲んで治療しますが、食生活を見直して節制することも大切です。機能性ディスペプシアが心配な人や治療したい人は、消化器内科や総合内科を受診して下さい。
機能性ディスペプシアについて
- 胃もたれや胃のキリキリした痛みのような症状があるのにもかかわらず、内視鏡検査などの詳細な検査を行っても異常が見られない病気
- 主な原因
- ストレス
- 胃の運動機能低下(ものを食べても胃が拡がらない、食べ物をうまく十二指腸へ送り出せない)
- 胃の知覚過敏(過敏で胃が痛みを感じやすい状態)
- 胃酸過分泌
- 日本人のおよそ4人に1人が経験するといわれている
- 症状によって大きく2つに分類される
- 食後愁訴症候群(PDS)
- 食後のもたれ感や早期膨満感(食べ始めにお腹いっぱいになる)が週に数回起きる
- 心窩部痛症候群(EPS)
- みぞおちの痛みやみぞおちの焼けるような感覚が起こりやすい
- PDSと違い食後のみならず空腹時にも生じる
- 食後愁訴症候群(PDS)
機能性ディスペプシアの症状
- 主な症状
- 食後のもたれ感
- 食べ始めてすぐお腹いっぱいになる(早期膨満感)
- みぞおちの痛み(心窩部痛)
- みぞおちの焼けるような感覚(心窩部灼熱感)
- 吐き気
機能性ディスペプシアの検査・診断
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査):胃や食道に炎症や潰瘍がないかを調べる
- 上部消化管造影検査:バリウム造影を使って胃や十二指腸の動きや形に異常がないか調べる
- 細菌検査:ピロリ菌に感染しているかどうか調べる
- 胃排出能検査:胃の運動機能を調べる
機能性ディスペプシアの治療法
- 治療は生活習慣の改善と薬物療法が主体になる
- 生活習慣の改善
- 食生活の見直し:過度なアルコール摂取・過食・早食い・食事を摂らないといった悪習慣を改善する
- 禁煙する
- 適度な睡眠時間(6-8時間ほど)を確保する
- ストレスをためないよう配慮する
- ストレス環境の改善
- ストレス発散方法の確保
- 薬物療法
- 消化管運動機能改善薬(抗ドパミン薬など)
- 胃酸の分泌を抑える薬
- プロトンポンプ阻害剤
- H2ブロッカー
- 抗うつ薬、抗不安薬
- 漢方薬(六君子湯など)
- 予防法と再発防止法
- できるだけ規則正しい時間に食事をとる
- 暴飲暴食は控え、よく噛んで食べる
- 食後すぐの運動は控え、休息をとる
- 十分な睡眠をとり、ストレスや疲れを溜めないようにする
- アルコールのとり過ぎに注意する
- 禁煙を心がける
機能性ディスペプシアに関連する治療薬
副交感神経刺激薬(消化管運動亢進薬)
- 副交感神経の働きを活発にし消化管運動を亢進させることで、胃もたれなどの消化器症状を改善する薬
- 消化管運動が低下することなどによって胃もたれ、胸やけ、胃の痛みなどがおこることがある
- 消化管運動は副交感神経が関与し、神経伝達物質のアセチルコリンの作用により副交感神経が活発になる
- 本剤はアセチルコリンの増強作用などにより副交感神経を活発にする作用をあらわす
- 薬剤によってアセチルコリンへの作用の仕組みが異なる場合がある
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