胃炎や過敏性腸症候群の治療に、「四逆散」の効果が示すこととは

漢方薬の四逆散は、胃腸の病気に有効と言われています。これまでの研究の調査から、各種の病気に対する効果がまとめられ、その背景についての考察とともに報告されました。
◆食道・胃・腸にわたる効果を調査
研究班は、これまでの研究を検索し、
◆上部消化管障害、下部消化管障害、機能性ディスペプシアに共通
見つかった研究のうち、解析に適したもののデータから、次の結果が得られました。
プールしたデータから、上部消化管障害(オッズ比3.9、95%信頼区間3.09-4.92)、下部消化管障害(オッズ比4.91、95%信頼区間3.71-6.51)、機能性ディスペプシア(2,989人、オッズ比3.94、95%信頼区間3.17-4.90)に対する四逆散の
有意 な有効性が示された。
四逆散は、上部消化管障害、下部消化管障害、機能性ディスペプシアのいずれについても有効と見られました。
このことから、研究班は「同じ四逆散の処方が一貫して有効であることは、消化管障害の
薬が効果を示すうえで、体の中でどんな物質とどんな反応を起こしているのかは正確にわかっていない場合もあります。ここで観察されたようなことを手掛かりに、病気が起こるしくみの解明と、新しい治療に結びつく研究のアイデアが生まれるかもしれません。
執筆者
Common Mechanism of Pathogenesis in Gastrointestinal Diseases Implied by Consistent Efficacy of Single Chinese Medicine Formula: A PRISMA-Compliant Systematic Review and Meta-Analysis.
Medicine (Baltimore). 2015 Jul
[PMID: 26166106]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。