2015.07.19 | コラム

夏バテ解消に漢方が効く?効果の期待できる漢方薬を紹介

暑い夏、お盆も医学も、伝統で
夏バテ解消に漢方が効く?効果の期待できる漢方薬を紹介の写真
(C) Gerhard Bittner - Fotolia.com

蒸し暑い日がつづき、なんとなく身体がだるい、食欲がない、といったいわゆる「夏バテ」症状にお困りではないでしょうか? 高温多湿の日本では避けて通れないこの問題に、伝統的な日本独自の医学ともいえる漢方がおすすめです。夏バテに効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。

◆だるい、食欲が無い、、どうして夏バテになるの?

厳しい暑さが続いた後に胃腸の調子が悪い、食欲がない、下痢する、頭が重い、めまいがおきる、手足が冷える……など。夏バテには発汗によるビタミンミネラルなどの消耗や不足、食欲低下による栄養不足、消化能力の低下、暑さでの睡眠不足、屋外(暑い)と屋内(エアコン使用で涼しい)を行き来することで自律神経の乱れが生じ体温調整力が低下する等、様々な要因が絡んでいます。

このように、ひと言で夏バテといっても様々な症状が複数同時におこることもあり対処がなかなか難しいといえるのですが、これを解消する良い策はないのでしょうか?

 

◆夏バテで困った時は「漢方」を頼ってみてはいかが?

全身の状態を判断し、複数の症状に効果をもたらしてくれるといえば、漢方を利用しない手はありません。そこで夏バテに効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。

 

清暑益気湯(セイショエッキトウ)

名前からして夏バテに効きそうな漢方薬です。暑さによる食欲不振、下痢、全身の倦怠感、夏やせなどの症状に適するとされます。構成生薬の内、ソウジュツは水分代謝を改善しチンピ(みかんの皮)と合わせて腹満や吐き気、下痢などの消化器症状を改善します。ニンジンとオウギを合わせた薬はジンギ(参耆)剤とも言い、疲労回復・滋養強壮などに効果があります。オウバクは下半身の炎症や充血、下痢などを改善し、トウキは血のめぐりを良くして冷えの軽減や滋養といった効果が期待できます。

 

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

胃腸が弱り、体力が低下し、寝汗などがある夏バテの症状に適するとされます。ソウジュツ、ニンジン、オウギなどの他、清暑益気湯にはないタイソウやショウキョウ(生姜)、サイコなどといった生薬を含みます。タイソウやショウキョウは消化機能を整え、サイコは横隔膜の周りの熱をとり代謝調整や肝臓の働きなどを改善します。ショウマは皮膚の状態を改善し口内炎などにも効果が期待できます。

 

六君子湯(リックンシトウ)

食欲がない、胃腸が弱い、手足の冷え、全身のだるさ、みぞおちのつかえなどがある夏バテの症状に適するとされます。胃の貯留能(胃に食べ物を貯める能力)を向上させることで消化器領域の病気(機能性ディスペプシアなど)にも使用する漢方薬です。ソウジュツやニンジンに加え、ハンゲやブクリョウといった生薬を含みます。ハンゲはみぞおち付近の水の滞りをとって吐き気などを改善し、ブクリョウは体内の余分な水分を除いて消化機能を高めてくれるなどの効果が期待できます。

 

以前、西洋薬と漢方薬を(少し極端に)例えて、西洋薬は身体の患部をピンポイントに洗浄するジェット水流で、漢方薬は全身を優しく洗い流すシャワーといった表現で紹介しました。(*「漢方は日本の医学!? 」)

体の体質や状態などを示す「証(しょう)」に合った漢方薬の使用は、時として西洋薬では治しにくい症状を改善してくれる場合もあります。夏バテの兆候が見られた時は、漢方薬を選択肢として考え医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか?

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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