かたかんせつしゅういえん(ごじゅうかた)

肩関節周囲炎(五十肩)

痛みにより、肩を動かすことができなくなる病気。五十肩や四十肩とも呼ばれるが、年齢と絶対的な関係はない

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9人の医師がチェック 112回の改訂 最終更新: 2017.06.15

肩関節周囲炎(五十肩)の基礎知識

肩関節周囲炎(五十肩)について

  • 痛みにより、肩を動かすことができなくなる病気
    • 五十肩四十肩とも呼ばれるが、年齢とは特に関係はない
    • 肩の筋肉や関節包(関節を滑らかに動かす働きをもつ)が炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを起こし硬くなるため、肩の痛みや動かしづらさが出現する
    • 肩の周りにある筋肉や腱などが、加齢により硬くなって動きが悪くなることが主な原因
  • 人口の約2%に生じると言われている
    • 40-60歳代に比較的多くみられる
  • 肩関節周囲炎は時期によって症状が異なる
    • 炎症期:徐々に痛みが強くなる
    • 拘縮関節の周りの筋肉や靭帯などが硬くなることによって、関節が動きにくくなった状態期:発症症状や病気が発生する、または発生し始めることからしばらくたち、痛みはなくなってくるが、肩が硬くなり動かすことができなくなる
    • 回復期:徐々に肩が動くようになってくる

肩関節周囲炎(五十肩)の症状

  • 痛み:鈍く、重苦しい痛みが特徴
  • 肩の動かしづらさ:医師が補助して肩を動かしても挙げることができない

肩関節周囲炎(五十肩)の検査・診断

  • 身体診察
    • 特徴的な症状から疑う
    • 関節可動域検査:肩の動く範囲を調べる
  • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査検査やCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査:骨折などの骨の状態を検査
  • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査:靭帯骨と骨をつないでいる丈夫な組織。関節を作る役割を果たしているに損傷がないか判断するために行われることがある
  • 超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるや関節造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること検査を行う場合もある
  • その他の検査
    • 心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査心筋梗塞でも肩の痛みが出る場合があり、これと区別するために行われることがある

肩関節周囲炎(五十肩)の治療法

  • 主な治療法
    • 薬物療法:NSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているの注射で痛みを取る
    • リハビリテーション:肩関節周囲炎の時期に合わせて肩の痛みをやわらげる動作指導や肩の働きを改善する
    • 手術:肩関節鏡関節の中に小さいカメラを入れて、関節内部の状態を調べる検査視下手術(肩関節の中に小さなカメラ自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途があるを入れて肩の修復を行う)
  • 肩関節周囲炎が回復するまでに、週単位から年単位まで、期間は人により様々である
  • 肩自体が問題の場合もあれば肩以外の部位に問題があり肩に負担がかかっている場合もあるため、原因を見極めることが必要

肩関節周囲炎(五十肩)に関連する治療薬

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)(外用薬)

  • 炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、関節炎や筋肉痛などを和らげる薬
    • 体内で炎症や痛みなどを引き起こす物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • 体内でPGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOXを阻害しPG生成を抑えることで、炎症や痛みなどを抑える作用をあらわす
  • 薬剤によって貼付剤(貼り薬)、塗布剤(塗り薬)、坐剤(坐薬)など様々な剤形が存在する
    • 製剤によって使用回数や使用方法などが異なるため注意する
非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)(外用薬)についてもっと詳しく

筋弛緩薬

  • 脳から筋肉への筋肉緊張の伝達を抑え筋弛緩作用をあらわし、痛みやしびれ感などを緩和する薬
    • 筋肉の緊張状態が続くと、肩こり、腰痛、頭痛などがおこりやすくなる
    • 筋肉の緊張は脳から脊髄を経て筋肉に指令が伝わることでおこる
    • 本剤は脳→脊髄→筋肉と伝わる筋肉緊張の伝達などを抑えて筋肉の緊張を緩和する作用(筋弛緩作用)をあらわす
  • 筋肉がつっぱったまま動かなくなる痙性麻痺などに使用する薬剤もある
筋弛緩薬についてもっと詳しく

肩関節周囲炎(五十肩)の経過と病院探しのポイント

肩関節周囲炎(五十肩)かなと感じている方

肩関節周囲炎は、四十肩五十肩とも呼ばれますが、年代を問わず起こる病気です。腕を上げようとする動作で痛みが生じ、徐々に肩関節の動く範囲が狭まって凍結肩と呼ばれる状態に移行してしまいます。

ご自身の症状が肩関節周囲炎でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックを受診されることをお勧めします。整形外科で診療をする典型的な疾患です。ただし日常動作の最中ではなく、スポーツや交通事故で強い衝撃を受けたタイミングでの発症症状や病気が発生する、または発生し始めることであれば、他の疾患の可能性も考えられます。肩関節周囲炎であればクリニックで対応が可能ですが、もし腱板断裂や肩周囲の骨折で手術が必要そうな場合には、レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査やその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。俗に「紹介状」と呼ばれているものを指す紹介状前の病院で行われた検査や治療、経過をまとめて、他の医療機関へ引き継ぐための資料。正式名称は「診療情報提供書」)とともに、手術可能な病院を紹介してもらう流れになります。

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肩関節周囲炎(五十肩)でお困りの方

肩関節周囲炎の場合、痛み止め(内服薬飲み薬のこと、塗り薬、湿布)で痛みを和らげたり、肩関節への注射やブロック注射が行われたりします。また、そのままにしておくと肩関節の動かせる範囲が狭くなったままになってしまうため肩のストレッチや体操も重要です。痛みが発症症状や病気が発生する、または発生し始めることした直後は避けるべきですが、痛みが改善してきながらも肩の動かせる範囲が狭まっているタイミングでは、積極的にストレッチや肩の運動を行います。肩を温めて血行を良くすることも有効です。ただし痛みを押して過剰に行うとかえって病状を悪化させますので、担当医の指導を受けた上で行うことをお勧めします。このような運動療法を行いながら、半年から1年かけて、あるいは数年間かけて改善してくることが一般的です。

長期間リハビリテーションを行っても改善がなく日常生活に支障がある場合には手術を検討します。手術を行うと肩の動かせる範囲は改善しますが、あらゆる手術にはリスクがあります(長時間の麻酔によって誤嚥性肺炎になったり、肩に細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつが入り込んで症状が悪化するなど)。自然に治る見込みがあるのであれば、通常はまずリハビリテーションの治療を優先します。

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