ちつとりこもなすしょう
腟トリコモナス症
トリコモナスという病原体の感染によって起こる炎症。腟や外陰を中心に痛みやかゆみといった症状が現れる
7人の医師がチェック 184回の改訂 最終更新: 2020.07.26

腟トリコモナス症の基礎知識

POINT 腟トリコモナス症とは

膣トリコモナス症はトリコモナス原虫による感染症です。主に膣や性器周囲に炎症を起こします。男性に感染しても症状がないことが多いですが、女性が感染したときの症状はおりものの増加・性器のかゆみや違和感・排尿時や性交時の痛みなどがあります。 尿や膣分泌液を採取して細菌検査することで診断します。治療は患部を洗浄した後に薬を用いて行います。ここで大切なのはパートナーが居る場合は、自分だけでなく相手も治療することになります。膣トリコモナス症が心配な人や治療したい人は、産婦人科・泌尿器科・感染症内科を受診して下さい。

腟トリコモナス症について

  • トリコモナスという原虫の感染によって起こる感染症
  • 主に腟や外陰に症状を起こす(腟炎外陰炎
  • 腟だけでなく、尿道、膀胱などに感染し、尿道炎膀胱炎などを合併することがある
  • 多くの場合、性交によって感染する
    • 洋服やタオルなどを介して感染することもある

腟トリコモナス症の症状

  • 感染後、5日〜1か月(平均約3週間)で症状が現れる
    • ただし約50%は症状のない無症候性である
  • 男性の場合に起こる症状
    • 症状がないことが多い
  • 女性の場合に起こる症状
    • おりものの増加(黄色っぽくて、泡立っているようなおりもの)
    • 悪臭のあるおりもの
    • 性器のかゆみやしみるような不快感
    • 排尿時の痛み
    • 性交時の痛み

腟トリコモナス症の検査・診断

  • 細菌検査:腟分泌物(おりもの)や尿の細菌の種類を、顕微鏡で調べる

腟トリコモナス症の治療法

  • 腟洗浄のあと、抗原虫薬を内服や腟錠で使用し、病原体を治療
    • メトロニダゾール、チニダゾール(抗原虫薬)
      • 妊娠12週以内は使用してはならない(禁忌)
    • 薬剤の成分が母乳から出てくるため、授乳している場合は授乳中止する
  • 感染症であり、パートナーの治療も必ず行う
  • コンドームを用いることで感染を予防することができる

腟トリコモナス症に関連する治療薬

メトロニダゾール製剤

  • 細菌や原虫のDNAの切断作用などにより、抗菌作用や抗原虫作用をあらわす薬
    • 細菌や原虫などが生命活動を行うには遺伝情報が刻まれたDNAが必要となる
    • 本剤は細菌や原虫といった病原微生物に取り込まれた後、抗菌作用及び抗原虫作用をあらわす
    • 本剤は細菌や原虫のDNA切断作用などをあらわす
  • 本剤は原虫であるトリコモナスによる感染症の他、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などの嫌気性細菌の感染症などで使用する
メトロニダゾール製剤についてもっと詳しく

腟トリコモナス症のタグ

腟トリコモナス症に関わるからだの部位