メトロニダゾール製剤
細菌や原虫のDNAの切断作用などにより、抗菌作用や抗原虫作用をあらわす薬
メトロニダゾール製剤の解説
メトロニダゾール製剤の効果と作用機序
細菌 や原虫 のDNAの切断作用などにより、抗菌作用や抗原虫作用をあらわす薬- 細菌や原虫などが生命活動を行うには遺伝情報が刻まれたDNAが必要となる
- 本剤は細菌や原虫といった病原微生物に取り込まれた後、抗菌作用及び抗原虫作用をあらわす
- 本剤は細菌や原虫のDNA切断作用などをあらわす
- 本剤は
原虫 であるトリコモナス による感染症 の他、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌 )などの嫌気性細菌 の感染症などで使用する
メトロニダゾール製剤の薬理作用
細菌や原虫などが生命活動を行うためには、遺伝情報が刻まれたDNAが必要となる。メトロニダゾールは細菌や原虫などの病原微生物に取り込まれた後、還元反応を受け、ニトロソ化合物という物質に変換される。このニトロソ化合物は細菌や原虫に対して、抗菌作用及び抗原虫作用をあらわす。また反応の途中でヒロドキシラジカルという物質が生成され、この物質がDNAを切断することで細菌や原虫の生命活動を阻害する作用をあらわす。
本剤はメトロニダゾール製剤であり、主にヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)やアメーバ赤痢などの嫌気性菌やトリコモナスなどの原虫に対して、抗菌・抗原虫作用をあらわす。
メトロニダゾール製剤の主な副作用や注意点
- 皮膚
症状 発疹 、痒みなどがあらわれる場合がある
- 消化器症状(膣錠を除く)
- 吐き気、下痢、腹痛などがあらわれる場合がある
- 末梢神経障害(膣錠を除く)
- 頻度は非常に稀である
- 手や足がピリピリとしびれたりジンジンと痛む、手や足の感覚がなくなる、手や足に力が入らない、歩行時につまずくことが多いなどがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
- アルコール摂取に関する注意(膣錠を除く)
- 本剤がアルコール
代謝 過程で必要なアルデヒド脱水素酵素 を阻害することで、飲酒による悪酔いなどを増悪させる場合がある
- 本剤がアルコール
- 妊婦、産婦、授乳婦などへの投与に関する注意
- 本剤は胎児に対する安全性は確立していない
- 治療上必要と判断させる場合を除き、特に妊娠3ヶ月以内は経口や注射などによる投与はしない(経口投与により胎盤関門を通過し、胎児へ移行することが報告されている)
- 授乳中の婦人が(
内服薬 及び注射剤などを)使用する場合は、授乳を中止する(母乳中へ移行する場合がある)