アナフィラキシーに関する日常生活の注意点について

目次

1. アナフィラキシーは症状で見分けられるのか

皮膚のかゆみ、蕁麻疹（じんましん）、のどのかゆみ・違和感や息苦しさなどが急速に進んでいく場合、アナフィラキシーを考える必要があります。また、過去にアナフィラキシーを起こしたものを摂取・接触したあとに上記の症状が現れた時は特にアナフィラキシーが疑わしくなります。

原因不明の場合もありますが、治療は一刻を争うため、原因に心当たりがなくてもアナフィラキシーかもしれないと思ったらすぐに医療機関を受診するようにしてください。

2. アナフィラキシーの対処法について

アナフィラキシーは数分で死亡することもある怖い病気です。もしご自身がアナフィラキシーになった時の対応をここでは説明します。対応としては以下のものがあります。

• 助けを呼ぶ
• アドレナリンの筋肉注射
• 安全な場所で待機する（救急車が来るまでの間）

それぞれの対応について説明します。

助けを呼ぶ

アナフィラキシーは数分で死亡することもある怖い病気です。数分後には意識を失っているかもしれません。まずはアナフィラキシーになったと思ったら救急車を呼んでください。

アドレナリンの筋肉注射

アドレナリンはアナフィラキシーに対して即効性があり、効果のある重要な薬です。アナフィラキシーは一刻を争う病気であることから、携帯型のアドレナリン自己注射薬である「エピペン®」というものがあります。これは通常アナフィラキシーを経験したことがある人に対して処方され、アナフィラキシーが起こった時に自分で注射をすることができる薬になります。もし、ご自身がすでにエピペン®を持っている場合は、太ももの外側に注射してください。「アナフィラキシーガイドライン」には「エピペン®」の使用法に関しても記載されています。

安全な場所で待機する（救急車が来るまでの間）

救急車が来る前の間、道の脇など安全な場所で待機してください。

3. アナフィラキシーになったら救急車を呼ぶべきか

アナフィラキシーは数分で死亡することもある怖い病気です。疑われた場合は、すぐに救急車を呼んでください。

4. アナフィラキシーになったら後遺症は残るのか

アナフィラキシーはアレルギー反応さえ治まってしまえば、後遺症なく良くなることがほとんどです。ただし、呼吸停止や心停止に至ってしまったケースに関しては救命に成功した場合でも、後遺症を残すことがあります。この場合、以下のような後遺症が残る可能性があります。

• 麻痺が残り手足を満足に動かせない
• しゃべりにくさや言葉の意味が理解しにくくなる
• 記憶力に障害が残る
• 特に重症な場合、寝たきりになる　

アナフィラキシーは短時間で症状が悪くなる病気であり、治療が遅れることで後遺症が残る場合もあります。すみやかな対応が必要になるので、このページの「アナフィラキシーの症状」や「アナフィラキシーの治療」などをよく読んで、もしもの時に備えてください。

5. アナフィラキシーになりやすい人はいるのか

アナフィラキシーはアレルギーの中でも命に関わる特に重症なものですが、一般的にアナフィラキシー含めアレルギーは若年者に多いと考えられています。特にお子さんがアレルギーを起こしやすいもの（卵、乳製品、ソバなど）をはじめて食べた時に体調不良を訴えた場合はアナフィラキシーやアレルギーに注意が必要です。

また、アナフィラキシーを過去に起こした人は、アレルゲン（アナフィラキシーを以前に起こした物質）に再度触れることでアナフィラキシーを起こす可能性が高いです。そのため、アナフィラキシーを起こした原因物質が分かっている場合には、摂取や接触を避ける必要があります。

6. アナフィラキシーの予防法について

これを食べればアナフィラキシーを予防できるといった食事やサプリメントはありません。

特定のアレルゲンを摂取することで過去にアナフィラキシーを起こした人は同じアレルゲンによりアナフィラキシーを再度起こす可能性が高いです。そのため、アナフィラキシーを起こした原因物質の摂取や接触を避ける必要があります。

抗がん剤の中にはアナフィラキシーを比較的起こしやすい治療薬などがあり、そのような薬剤の投与前には予防的に抗ヒスタミン薬やステロイドなどを用いることがあります。

過去にアナフィラキシーやアレルギーの経験がある人が医療機関を受診する場合、経験したことや原因だった物質を医師に伝えるようにしてください。また薬局・ドラッグストアなどで薬を買う時にもスタッフに伝え、同じ原因物質は使用しないようにしてください。