ぱにっくしょうがい
パニック障害
突然のパニック発作を起こし、生活に支障が起こる状態。不安障害の中の一つ
9人の医師がチェック 194回の改訂 最終更新: 2024.09.12

パニック障害の検査について:他の病気でないことの確認

パニック障害の診断はどのようになされるのでしょうか。ここでは、パニック障害であらわれやすい症状を中心に説明します。

1. パニック発作の特徴について

パニック障害の症状のひとつがパニック発作です。発作は数分から1時間以内で治まります。発作が起きている時間にあらわれやすい症状の例は次のものになります。

【パニック発作の主な症状】

  • 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  • 発汗
  • 身震い
  • 息切れ感または息苦しさ
  • 窒息感
  • 胸痛または胸部不快感
  • 嘔吐または腹部不快感
  • めまい、ふらつき
  • 冷感または熱感
  • 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
  • 現実感消失(現実でない感じ)または離人感(自分自身から離脱している感じ)
  • 抑制力を失う、または"どうにかなってしまうこと”に対する恐怖
  • 死ぬことに対する恐怖

上のようなパニック発作を繰り返したり、恐怖感が強く、発作を避けるような行動をとっている場合は、パニック障害が疑われます。精神科、心療内科を受診してください。

2. 似た症状があらわれる病気と区別するための検査

パニック障害では、上記のようにさまざまな症状があらわれます。これらは他の病気でもあらわれる症状です。例えば、動悸や発汗は、もしかしたら甲状腺機能亢進症不整脈による症状かもしれません。

このような背景から、パニック障害と他の病気を見分けるために検査が必要となります。パニック障害では、血液検査、MRI検査などの検査で異常が見られません。診察や検査で他の病気ではないことを確認してから、最終的にパニック障害という診断に至ります。

参考文献
American Psychiatric Association/原著, DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル, 医学書院, 2014