骨粗しょう症の検査について:骨密度の測定など
骨粗しょう症かどうかを調べるには、骨密度の検査と
1. 問診
骨粗しょう症が疑われる人が、問診で伝えると良いことを紹介します。受診するときに必要なこと伝えられるように、あらかじめ準備しておくとよいです。
【骨粗しょう症を疑う背景について】
- 今まで骨折したことがあるか
- 身長が低くなっていないか
- 家族に骨折歴はあるか
【骨粗しょう症の原因について】
- (女性は)生理不順があるか、または閉経の時期はいつだったか
- 今までどんな病気にかかったか
- 使用している薬はあるか
【骨粗しょう症につながる生活習慣について】
- タバコはどれくらい吸っている(た)か(1日の本数、年数)
- どれくらいお酒を飲むか(頻度、1日あたりの酒量)
- 運動を定期的にしているか
骨折したことがある人は、どのような状況で生じた骨折なのかまで伝えてください。立った姿勢から転んだ、尻もちをついたなど、軽い力しかかかっていないのに骨折した(ぜい弱性骨折といいます)のであれば、骨粗しょう症の可能性が高まります。一方で、交通事故やスポーツなどで激しく身体を打ちつけた場合は軽い力に含みません。軽い力で骨折したことがあれば、他の検査の結果が問題なくても骨粗しょう症と診断されることがあります。
2. 身体診察
身体診察とは、お医者さんが身体の様子を調べることです。
骨粗しょう症が疑われる人では、腰や背中の
3. 身長測定
身長の低下は骨粗しょう症の人によくみられる症状の一つです。骨粗しょう症では背骨が圧迫され潰れてしまう(脊椎圧迫骨折)ことが多く、それによって背骨の長さが短くなるからです。とくに、25歳のときの身長よりも4cm以上低くなっている人では、脊椎圧迫骨折がある可能性が高いという報告[1]があります。
4. 骨密度の測定

骨の強さを測る代表的な指標です。骨密度の測定でよく使われるのがYAM(young adult mean)値という値です。これは、若い人の骨密度の平均値と比べたときの骨密度の割合(%)です。YAM値が70%未満であれば骨粗しょう症と診断されます。
骨密度を調べる方法にはいくつかありますが、ここでは主な検査方法であるDXA法、RA法、超音波法を紹介します。
DXA法(2重エネルギーX線吸収測定法)
骨密度を測る方法のなかで特に精度が高いのがDXA法です。骨と骨以外の組織(筋肉や脂肪など)にそれぞれ放射線をあてて、その通過量を比較することで、骨密度を算出します。検査台の上に横になるだけで、痛みなどの苦痛はありません。
全身の骨の密度を測ることができますが、骨粗しょう症かどうか調べる時には腰椎と大腿骨の骨密度値がよく使われます。定期的に検査することで、治療薬によって骨密度の上昇があるのかをみるのにも有用です。
RA法
RA法(Radiographic absorptiometry)は骨とアルミニウム板を同じレントゲン写真内に映し出し、それらの濃淡を比べることで骨密度を割り出す検査です。手の骨(第2中手骨)で検査することが多いです。RA法はDXA法よりも多くの医療機関で行うことができる検査であり、骨粗しょう症かどうか調べる検査として汎用されています。
超音波法
かかとやすねの骨に超音波をあてて、簡易的に骨密度を測定する方法です。放射線は使わないため被曝がなく、健康診断でよく使われます。ただし、他の検査と比べて精度は高くはないので、骨密度が低値と考えられるときには先に説明したDXA法などで骨密度を確認する必要があります。
5. 骨代謝マーカー
骨代謝マーカーは骨の新陳代謝のバランスを調べる検査です。新陳代謝により古くなった骨は壊され常に新しく作り替えられて、骨の経年劣化を防いでいます。
骨代謝マーカーのうち、古くなった骨を壊す作用(骨吸収)の活発さを調べる検査を「骨吸収マーカー」と言います。一方で、骨を新しく作る作用(骨形成)の活発さを調べる検査を、骨形成マーカーと呼びます。
代表的な骨代謝マーカーを紹介します。
【骨吸収マーカー】
- TRACP-5b(血液)
- DPD(尿)
- NTX(尿、血液)
CT X(尿、血液)
【骨形成マーカー】
- P1NP(血液)
- BAP(血液)
骨吸収マーカーは骨粗しょう症の治療薬を選ぶときによく使われます。骨吸収マーカーが高値であれば骨が壊されるスピードが早いと考えられるため、骨吸収を抑えるタイプの薬を使います。
一方、骨形成マーカーは、副甲状腺ホルモン製剤(商品名:テリボン、フォルテオ)の効果を調べるのによく使われます。
参考文献
1. Vogt TM, et al. Vertebral fracture prevalence among women screened for the Fracture Intervention Trial and a simple clinical tool to screen for undiagnosed vertebral fractures. Fracture Intervention Trial Research Group. Mayo Clin Proc. 2000 Sep;75(9):888-96. doi: 10.4065/75.9.888. PMID: 10994823.