にょうろけっせき
尿路結石
腎臓(腎盂)で尿の成分がかたまり(結石)を作り、尿路の中に存在している状態。腰や背中の激痛の原因となる
14人の医師がチェック 215回の改訂 最終更新: 2018.11.08

尿路結石とは?原因、治療、予防、食事について解説

尿路とは、腎臓で作られた尿が出て行く道のことを指します。尿路は腎杯-腎盂-尿管-膀胱-尿道によってできています。尿路結石の多くは腎杯や腎盂で形成されます。結石が流れていきどこかに詰まったときに痛みが出て診断されることが多いです。

目次

1. いきなり痛みと血尿が!これって尿路結石症?

尿路結石症は尿路に結石ができる病気の総称です。尿路とは文字通り尿の流れる道のことで、腎盂-尿管-膀胱-尿道のことです。尿管に結石ができる尿管結石は突然背中に激痛が走る病気として耳にしたことがあるかもしれません。尿路結石はできる場所により症状や治療法が異なります。尿路結石について解説していきます。

 

2. 尿路結石の症状:痛み、血尿など

尿路結石とは、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石の総称です。いずれも尿に含まれる成分が何らかの原因で石のように固まったものです。尿路結石は自然に尿に乗って流れていきます。どこかに詰まって痛みが出た場合でもはその後自然に排出(排石)されることが多いです。

尿路結石が発生する場所

尿路結石の症状は以下の2つが特徴的です。

  • 痛み
  • 血尿

腎結石・尿管結石は症状がほぼ同じです。差し込むような痛みを特徴としています。疝痛(せんつう)と表現されます。疝痛は腎盂の壁の筋肉(平滑筋)が痙攣(けいれん)したり収縮したりすることによるものです。痛みは結石がある場所にだけ感じられるのではなく、脇腹(側腹部)や下腹が痛むこともあります。痛みは鈍痛であることや重圧感のように感じるだけのこともあります。痛みは夜間や早朝に現れることもあります。

膀胱結石では感染症がたびたび起きます。このために、膀胱刺激症状といって下腹部に痛みがあったり、頻尿となることがあります。膀胱炎も同時に発症することがあり、膀胱炎を契機に膀胱結石が発見されることもあります。

尿道結石は、尿道に結石が詰まった状態です。尿が出せず大変苦しく痛みが伴います。

結石はぎざぎざしていることが多いので尿管や尿道が傷つき出血などが起きることがあります。尿路の出血は血尿として自覚されます。

痛みがあったら尿路結石か?

尿路結石の全てに共通しているのは痛みが出やすい点です。しかし、痛みだけで尿路結石とは断定できません。

例えば、背中から腰の痛みの原因となる主な病気を下に記します。

確かに尿路結石には多くの場合痛みがあります。しかし痛みだけでは診断できないことの方が多いです。急な強い痛みの発症は命に危険の及ぶ病気が隠れていることもあります。すみやかな受診が重要です。

排尿時の痛みは尿路結石が原因?

排尿時の痛みから尿路結石を疑うことはあまりありません。結石で排尿時に痛みがあるのは、尿管結石を治療してその後、小さくなって排石されたときなどが考えられます。しかし、排尿時痛を訴えて泌尿器科に来院した患者さんはまず他の病気を疑われます。

排尿時痛が現れやすい病気の例を挙げます。

頻度として多いのは尿道炎膀胱炎です。尿路結石症の中で排尿時痛を症状として伴うのは尿道結石ですが、頻度としては多くはありません。

3. 尿路結石の原因は?

尿路結石の原因は、いくつかの要因が絡み合っていると考えられています。大きくは4つに分類されます。

  • 環境の異常
    • 飲水不足
    • 食事
    • 男女差
  • 尿中物質の排泄異常 
    • シュウ酸、カルシウムの尿中排泄量の増加
  • 腎・尿路の異常 
    • 尿の停滞、濃縮
    • 感染、尿のpH
  • 結石形成過程の異常

水分摂取と結石

水分の摂取量が少ないと尿が濃縮されて、結石が形成されやすくなります。一度結石ができてしまった場合でも、1日あたり2リットル以上の水分を摂ることで再発予防が可能とされています。

結石の形成には食事も関係しています。シュウ酸の摂取量を減らすことやカルシウムを十分に摂ることが重要視されています。「尿路結石の再発は予防できる?」で解説しています。

腎・尿路の異常

腎臓やその後に続く尿路(腎杯-腎盂-尿管-膀胱-尿道)の形に異常がある場合も結石の原因になる場合があります。たとえば前立腺肥大症で尿が出しにくい状況は、結石の形成につながることも考えられます。結石の原因になる異常を治療することは重要です。

季節と尿路結石の発生について

季節と尿路結石発生の関係については古くより調べられていますが、はっきりとした結論は出ていません。四季のある国からの報告では、夏場に結石の発生が多いとする研究がいくつかあります。臨床の現場でも、暑くなってくると結石が多くなるなという印象があります。

夏場は脱水に陥りやすく、尿が濃縮されることを考えても夏場の脱水が尿路結石の形成に大きく影響していることは想像できます。やはり水分の摂取は重要です。
 

4. 尿路結石の種類

尿路結石は成分によっていくつかの種類に分けられます。代表的な種類を表に示します。

結石の成分 頻度 レントゲン写真への写りやすさ(結石密度) 特徴
シュウ酸カルシウム結石(リン酸カルシウムとの混合も含む) 約90% 濃い  
リン酸カルシウム結石 リン酸カルシウムのみの結石はまれ

最も濃い

 
リン酸マグネシウムアンモニウム 約5% 淡く写る 尿路感染に合併
尿酸 約5% 写らない 男性に多い、痛風に合併
シスチン 1-2% 淡く写る 遺伝性

結石の種類は、他にもまれなものはありますが、大部分が表に示したものです。最も多いのがシュウ酸カルシウム結石(リン酸カルシウム結石の混合を含む)です。

どのような結石であったかを確認することは再発を予防するために非常に重要です。

再発予防については尿管結石は再発できる?で解説しています。

5. 尿路結石症の検査

尿路結石症はいくつかの検査を用いて診断します。尿路結石の検査には以下のものがあります。尿路結石の検査の目的は結石の存在を確認するとともに他の病気が隠れていないかも同時に調べます。

  • 尿検査

  • 血液検査

  • 画像検査

    • 超音波検査

    • レントゲン検査

      • KUB

      • 排泄性尿路造影検査(IVU:intravenous urogtaphy) 

    • CT検査

血尿がある場合や症状が腎盂腎炎を原因とする可能性が高い場合には尿検査を行い尿の中に赤血球があるかを確認します。尿路結石の大半では尿中に赤血球を認めます。

腎臓の機能低下や感染症などが起こっている可能性を考える場合には必要に応じて血液検査を行い状態の把握に努めます。

画像検査では結石を探すことと他の病気がないかを詳しく調べることができます。特に背部痛の原因となる病気はいくつもあります。中には血管の病気(大動脈解離など)など緊急で対処しなければならない病気もあるからです。

結石はレントゲンに写りやすいものとそうではないものがあります。KUBという方法は腹部のレントゲン写真撮影ですが、これで確認できない場合には排泄性尿路造影や逆行性尿路造影、CT検査などより精度の高い検査に移っていきます。

 

6. 尿路結石の治療:鎮痛剤・排石促進薬・手術

尿路結石の治療は大きく2つに分けることができます。

  • 痛み発作時の治療

  • 結石を出しやすくする薬による治療

  • 結石が自然に出ない場合の手術

尿路結石はひとまず痛みを取り、その後自然に排石されるのを待つことが普通です。自然に排石しない場合は、結石を体の外に出すために手術などの方法をとることになります。

尿路結石の痛みを和らげる治療

尿路結石の痛みはとても激しいものがあり、人生最悪の痛みと表現されることもあります。痛みのために身動きが取れなくなり、救急車を呼ばなければ歩いて病院にも行けないことも珍しくはありません。

痛みを和らげる治療に以下のものがあります。

  • 鎮痛剤

    • NSAIDs(エヌセイズ)

    • 中枢神経作用薬

  • 鎮痙薬

  • 局所のブロック

結石の痛みにはNSAIDs(エヌセイズ)という種類の薬が効果的です。NSAIDsという名前はNonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)の略です。市販薬でもNSAIDsに分類される薬剤は「痛み止め」の成分として一般的に使われています。

尿路結石に対しては特にNSAIDsの座薬がよく使われます。

座薬で効果がないときは中枢神経に作用し痛みをとる注射薬などを用いることがあります。

尿管結石の痛みは激しいものがあります。尿管結石の痛みの原因は、尿管の壁の筋肉(平滑筋)が痙攣(けいれん)したり収縮したりすることによるものです。尿管の痙攣を取ることで痛みが改善することがあります。

それでも効果がない場合の対処法として、痛みが最も強い部位に針を刺して局所麻酔薬を注入して痛みを抑える方法があります。効果が強く出る場合とあまり出ない場合があります。結石を超える痛みはこの世に少ないと言われています。なんとかして痛みを抑えるために医師もあの手この手を尽くしています。

結石を出しやすくする薬

【α1遮断薬】

α1遮断薬(アルファワンしゃだんやく)は、もともとは前立腺肥大症に対する薬です。他の効果として血圧を下げる作用などがあります。海外からの報告では、尿管結石の自然排石にも効果があるとされています。

1cm以下の結石に対してα1遮断薬を使用した場合の排石

治療 α1遮断薬を使用した場合 α1遮断薬を使用しない場合
排石までの期間 6.07日 9.45日
排石した割合 83% 53.8%

参照:Urol Int. 2010:84:254-9

しかし、この報告は海外からのものであり、使用されている薬の量も前立腺肥大症に対して使われる量よりかなり多い点には注意が必要です。

【その他の薬】

日本では、ウロジロガシエキスや漢方薬の猪苓湯(チョレイトウ)が尿路結石の排石に効果があるとされて使用されていますが、明確な効果などは調べられてはいません。

経過観察でもいいような場合に使ってみるのは悪くはないでしょう。

尿路結石の手術

腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石のそれぞれで用いる治療は異なります。

腎結石 経尿道的尿管結石破砕術(TUL)、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経皮的結石破砕術(PNL)
尿管結石 経尿道的尿管結石破砕術(TUL)、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
膀胱結石・尿道結石 経尿道的膀胱結石破砕術、膀胱切石術、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

PNL、TUL、ESWL、経尿道的膀胱結石破砕術、膀胱切石術の解説は「腎結石とは?」「尿管結石とは?」「膀胱結石とは?」をご覧ください。

7. 尿路結石は自然に出るのか?

尿路結石の多くは自然に尿と一緒に排出(排石)されます。結石が出るか出ないかで判断が難しいのは尿管結石です。以下では尿管結石について解説します。

どのくらいの大きさが出る?

結石は小さいものの方が自然に外に出てくる可能性は高く、1cm(10mm)以下なら待っているうちに排石されることを十分期待できます。

尿管結石が自然に出る確率と大きさの関係

結石の大きさ 5mm未満 5-10mm
排石する確率 68% 47%

参照:Eur Urol. 2007;52(6):1610-31

いつ出る?

1cm以下の結石は2/3が発症から4週間以内に排石されます。結石が大きければ大きいほど排石までの期間が長い傾向にあります。

結石の大きさと排石の関係

結石の大きさ 2mm以下 2-4mm 4mm以上
排石までの期間 8.2日 12.2日 22.1日

参照:J Urol. 1999;162:688-90

尿管結石以外の結石は自然に出る?

腎結石が自然に排石されることはあまり期待できません。細かくすることで排石が期待できます。症状がない場合はすぐに治療せず経過観察することがあります。

膀胱結石は多くがかなり大きくなっているので自然に出ることは難しいと考えられます。手術(内視鏡手術または開腹手術)で取り出すことを検討します。

尿道結石が自然に出ることはあまりなく、出口に近ければ内視鏡などで取り出せることがあります。

8. 尿路結石は男女でどちらが多い?子供でもなる?

男女の尿路結石には違いがあります。結石は男性の方が発症しやすいとされています。また子供の尿路結石症は少ないですが、大人とは違う点に注意が必要です。

男性の方が尿路結石になりやすい?

尿路結石全て(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)の発症数を集めたデータがあります。

尿路結石の生涯罹患率(一生に一度以上発症する確率)は次のようになりました。

  • 男性:15.1%

  • 女性:6.8%

男性の方が尿路結石を発症する確率は明らかに高いとされています。男性は7人に1人、女性では15人に1人が結石に苦しむことになります。

結石ができる場所によって分類すると見えてくる男女の結石の違い

尿路結石はできた場所によって大きく2種類に分類できます。

  • 上部尿路結石

    • 腎結石

    • 尿管結石

  • 下部尿路結石

    • 膀胱結石

    • 尿道結石

男性は女性に比べて下部尿路結石が多い傾向にあります。下部尿路結石は、膀胱結石と尿道結石です。尿道結石が女性に発生することはまれです。膀胱に貯められた尿が出しにくい状態が続くと、尿が濃縮されたり慢性的な感染が起きて結石ができやすくなります。膀胱に貯められた尿が出しにくくなるのは、前立腺肥大症などが代表的な病気の一つです。前立腺肥大症は男性特有の病気なので、下部尿路結石が男性に多いことの説明がつきます。

結石の成分による男女差は?

男性に明らかに多いのは尿酸結石です。尿酸結石の原因となる高尿酸血症が男性に多いことが原因と考えられます。

子供でも結石はある?

尿路結石がよく発症する年齢層は30-50歳代です。子供(小児期)に尿路結石が発症することはまれです。

小児期に尿路結石が見つかった場合には、背景に尿路結石ができやすくなる病気が隠れていないかを検査することが重要です。

尿路結石の発生に関係する病気として以下が考えられます。 

  • 高カルシウム血症・尿症を起こす疾患

  • 酵素異常によるもの

    • 高シュウ酸尿症

    • キサンチン尿症

    • ジヒドロキシアデニン尿症

  • 尿細管の異常によるもの 

    • 腎尿細管アシドーシス

    • シスチン尿症

    • アセタゾラミドの服用

  • 高尿酸尿症を起こすもの

    • 原発性高尿酸尿症

    • 痛風

  • ビタミン欠乏

尿路結石をきっかけに原因となる病気が見つかる場合もあります。以上のような病気の中には、注意して経過を見たりすぐに治療を始めることが必要なものもあります。

このため、子供が尿路結石と診断されたときには症状が治ってからも詳しい検査を勧められることがあります。原因を特定しておくことで将来の問題に適切に対処できるようになります。

9. 尿路結石の診療ガイドラインはある?

尿路結石の診療ガイドラインは日本泌尿器科学会が作成した「尿路結石症 診療ガイドライン 2013年版」があります。治療の方針などの情報が網羅できます。

診療ガイドラインは、治療にあたり妥当な選択肢を示すことや、治療成績と安全性の向上などを目的に作成されています。ガイドラインは治療の助けになりますが、ガイドライン通りに治療を行うことが常に正しいわけではありません。その時々、患者さんの状態はひとりひとり異なることを考えに入れるべきです。また、ガイドラインにはまだ反映されていない新しい知見が役に立つ場合もあります。

10. 尿路結石の再発は予防できる?

尿路結石症の痛みは辛いものがあります。できれば再発は避けたいものです。尿路結石の再発を予防する方法は、日常生活で気を付けることと薬があります。

飲水で再発は防げるか?

飲水をしっかり行うことで、結石の再発を予防することは可能です。

結石は尿の成分を基に形成されます。尿が濃い状態では結石ができやすくなることが想像できます。飲水量は1日あたり2000mlを超えることが望ましいとされています。

尿路結石の原因、シュウ酸とは?

尿路結石の種類で最も多いものは、シュウ酸カルシウム結石です。食事でシュウ酸を多く摂取するとその分、尿からもシュウ酸の排泄が多くなり、尿路結石ができやすくなることは想像できます。シュウ酸をできるだけとらないようにすることが望ましいと考えられます 。

シュウ酸はどんな食事に多いか?

シュウ酸が多く含まれる食品の例を挙げます。

  • 葉菜類の野菜

  • 紅茶、コーヒー、お茶(特に玉露・抹茶)

  • バナナ

  • チョコレート、ココア

  • ピーナッツ、アーモンド

解説します。

野菜やお茶類は健康に良い食品というイメージがありますが、シュウ酸の含有量は多い傾向にあります。


野菜100gあたりのシュウ酸含有量

野菜の種類 シュウ酸の含有量(mg)
ほうれん草 800
キャベツ、ブロッコリー、レタス 300
さつまいも 250
なす 200
大根、小松菜 50

お茶類100gあたりのシュウ酸含有量

お茶の種類 シュウ酸の含有量(mg)
玉露 1350
抹茶、煎茶 1000
番茶 670
ほうじ茶 286

シュウ酸を減らす工夫は?

シュウ酸は体にとってよさそうな食べ物にも多く含まれています。シュウ酸は調理法などで大きく摂取量を減らすことが可能です。

  • 茹でて食べることで半分程度の摂取量になる

  • カルシウムと同時に摂取することでシュウ酸の尿中への排泄が減る

プリン体は制限するべきか?

結石の中には尿酸結石というものがあります。尿酸はプリン体の最終的な形であるので、尿酸のもとになる食べ物を制限しようとするならば、プリン体を制限することになります。

プリン体の多い食品の例を挙げます。

  • 肉類

    • 特にレバー

  • 魚類

    • かつお

    • エビ

    • 白子

    • あんこうの肝

  • 調味料

    • だしの素

プリン体が多いとよく例にあがるイクラやカズノコなどは意外にもプリン体は少ないとされています。

ただし、プリン体の多い食事が尿酸値や尿酸結石の発生頻度にどの程度影響するかは明確になっていません。

ビールなど酒類に含まれているプリン体はごくわずかです。ただ、飲酒により尿酸値が上昇することも明らかになっているので、飲酒は控えめにしたほうがいいでしょう。一般的にはアルコール量として1日あたり20g程度までが適量とされます。飲み物に換算すると、アルコール度数5%のビール500mlには500ml×0.05×0.8g/ml=20gのアルコールが含まれています。

塩分のとりすぎはよくない?

塩分の過剰摂取は多くの病気と関連していると考えられています。

尿路結石の場合はどうでしょうか?

塩分の過剰な摂取は、尿中に排泄されるカルシウムの量を増加させることがわかっています。その理由については、明らかにはなっていませんが、塩分の過剰な摂取は他の病気とも関連が強いので過剰な摂取は避けたほうがいいでしょう。

野菜の摂取は結石の再発を予防できるか?

野菜には食物繊維が多く含まれています。食物繊維は結石の原因となるカルシウムの吸収をおさえることが期待でき、結石の再発の予防に効果があるのではないかと推測されていました。しかし、結論としては明らかに再発が抑制できるとは証明できていません。

野菜にはシュウ酸が多く含まれているのでシュウ酸カルシウム結石の発症は予防できないのかもしれません。野菜に限らず大きく偏った食事では結石の再発を予防はできないと考えられています。

カルシウム結石の再発の予防にはある程度カルシウムを摂取すべき?

カルシウム結石の予防にはある程度のカルシウムを摂取するべきとの意見があります。ちょっと意外な話です。カルシウムが原因ならばカルシウムの摂取を少なくすることで結石の予防になりそうなものです。

尿路結石はカルシウムとシュウ酸が結合してできるシュウ酸カルシウム結石が多くを占めます。カルシウムを食べ物から摂取するとシュウ酸を便として排泄することができます。つまり腸から血液に吸収されるシュウ酸を減らすことになり、尿中のシュウ酸排泄量は減ります。カルシウムの摂取を制限すると腸からのシュウ酸の吸収が多くなり、尿中からの排泄も増加します。

カルシウムを十分に摂取することでシュウ酸の尿中への排泄が抑制されると考えられています。つまりシュウ酸カルシウム結石の発生を抑えることが期待できます。

一方でカルシウムの過剰な摂取は尿管結石の発生と関連するとの意見もあります。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では、カルシウムの推奨量を18歳から29歳の男性で1日あたり778mg、耐容上限量を2,500mgとしています。日本人のカルシウムの摂取量は少なく1日あたり700mg程度と言われています。つまり、もともとカルシウムがやや不足している人もかなりいると思われます。

カルシウムは意識して多めに摂ったほうがいいでしょう。カルシウムサプリメントを大量に飲んだりしない限り、食事からの摂取量が多すぎになる心配は大きくありません。

フルーツジュースの摂取は尿路結石再発の予防になるか?

クエン酸という物質はレモン、オレンジに含まれる物質です。クエン酸が尿路結石を防ぐように働くという考えがあります。

クエン酸の化学的性質から考えると、次のような働きによって尿路結石を防ぐのではないかと想像できます。

  • 尿中でクエン酸がカルシウムと結合して、シュウ酸カルシウム結石を抑制する 

  • 尿をアルカリ性にして尿酸を溶かす

尿路結石はほとんどが、シュウ酸カルシウム結石です。シュウ酸はカルシウムと尿中で結合することにより結石を形成していきます。クエン酸が尿中でカルシウムと結合し、シュウ酸がカルシウムと結合することを防ぐならば、シュウ酸カルシウム結石を防ぐことにもつながるかもしれません。

クエン酸はさらに尿をアルカリ性にして尿酸を溶かしやすくするという考えもあります。

このように理論上はクエン酸を含むフルーツジュースは結石再発の予防になりそうに思えますが、実際に結石再発を予防したという事実は示されていません。

現時点では尿路結石の再発を防ぐ目的でフルーツジュースを積極的に勧められるだけの根拠はありません。

結石を予防するマグネシウム製剤は効果があるのか?

マグネシウムは腸でのシュウ酸の吸収を抑制することで尿中のマグネシウムを低下させる働きが注目され、尿管結石の形成を抑制すると考えられてきました。

大規模な調査では、マグネシウムの摂取量が低い場合、尿路結石を発症する危険性が高いことがわかりました。しかしながら実際にはマグネシウムの摂取量が低いことにより尿路結石症を発症する人は少ないことから、全ての人にマグネシウムの補充が必要ではないとも考えられています。

また本当にマグネシウム補充の効果があるのかを調べた研究も少数です。マグネシウムの内服は確実に行うべきとは言えないのが現状です。

血液検査の尿酸値は下げたほうがよいのか?

血液検査で尿酸値が高い状態が続くと尿中の尿酸値も上昇し尿酸結石が発生しやすくなります。尿酸結石の形成に対して、尿酸が体で作られることを防ぐ治療は有効です。

尿中の尿酸を減らすことで、尿路結石でもっとも多いシュウ酸カルシウム結石の発生も抑制できることがわかっています。

尿酸値が高い状態では痛風などの症状が出現しやすくなります。頻発する痛風発作の再発予防などにおいて薬により尿酸値を下げる治療は有効であるといえます。加えて、生活習慣を見直すことも考えてよいでしょう。