2016.07.28 | コラム

血尿の原因や治療法についての解説

血尿の原因や治療法
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この記事のポイント

血尿が出ると、何か怖い病気や原因が隠れているのではないかと心配になると思うのではないでしょうか。 同じ血尿でも真っ赤なおしっこではなく、少し濃いだけの色だったりするとなかなか気づきにくいこともあります。 血尿の原因は何でしょうか。そもそも何科を受診すべきなのでしょうか。

◆血尿が出る原因は?

尿に血が混ざっていたらドキッとすると思います。ひょっとして大きな病気の徴候ではと心配する人も中にはいるのではないでしょうか。ここでは、血尿が出る原因について解説していきます。

持病もなく健康に過ごしていた方が急な血尿で受診する場合、まず疑われるのが膀胱炎です。膀胱炎は膀胱壁に炎症が起こり、充血・出血することによって血尿が現れます。

膀胱炎は、原因に合わせてきちんと治療をすれば基本的に後遺症なく治る病気です。自然治癒することもありますが、病院を受診して治療することで、重症化させず確実に治すことができます。

さて、血尿の場合、他に原因はないのでしょうか?

血尿の原因で膀胱炎の他に考えられるのは多いのは、尿路結石や外傷(ケガ)、腫瘍腎がん膀胱がんなど)です。

尿路結石は、腎臓や膀胱、そしてこれらを結ぶ尿管に、シュウ酸やカルシウムが固まって痛みや尿の通りを悪くしてしまう病気です。また腰や陰部をぶつけるなどのケガの影響で尿の通り路が傷つくと血尿の原因になります。高齢者の人で血尿が現れた場合には、膀胱炎尿路結石に加えて腎臓や膀胱の腫瘍(良性腫瘍からがんまで)も原因として考えなければなりません。

血尿を心配されて受診したものの血尿ではなかったというケースもあります。それはまた、血尿だと思っていたら尿道からではなく腟からの出血(不正出血)だったというケースや脱水で尿が濃くなり、オレンジ色っぽくなって血尿に思えたケースなどです。

血尿かどうか判断が難しいときには医療機関を受診しして下さい。先に説明したように血尿ではないケースも存在しますが、検査をしないと血尿かそうでないかは見分けることはできないからです。

◆血尿の治療法について原因別に解説

それでは、血尿の治療法にどのようなものがあるのか原因別に見てみましょう。

◎ 膀胱炎の治療法は?

膀胱炎は主に細菌感染が原因です。したがって、細菌に対して効果のある抗菌薬を用います。抗菌薬はすべての細菌に対して効果がある訳ではなく、それぞれの抗菌薬に得意不得意があります。また場合によっては細菌が耐性化しており効果があると期待される抗菌薬が聞きづらいというケースもあります。

とはいえ患者さんの状況からある程度効果のある抗菌薬の予想を立てられます。

【細菌性膀胱炎に用いられる抗菌薬】

  • ペニシリン系抗菌薬

  • セフェム系抗菌薬

  • ST合剤

  • ニューキノロン系抗菌薬

以上が細菌性膀胱炎の治療によく用いられる抗菌薬です。この中でもニューキノロン系抗菌薬は耐性菌が増えて有効性が低下している傾向が指摘されているので注意が必要です。

膀胱炎に対する抗菌薬についてもっと詳しく知りたい方は、「このページ」も参考にして下さい。

ポイント1:細菌性膀胱炎の治療は抗菌薬の効果が高い

◎ 尿路結石の治療法は?

尿路結石は、一度できてしまうと、それを溶かすことは難しいと考えられています。

多くの場合は血尿と同時に痛みが出ますので、痛み止めを使いながら、尿と一緒に結石が出てくるのを待つことになります。結石が小さければ尿とともに出る確率が高いです。

痛みが治まっても(あるいは最初から痛みがなく血尿だけだったとしても)石が残っている場合には、背中から衝撃波を当てて石を砕く「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」と呼ばれる方法や内視鏡手術で治療をします。

尿路結石の治療については、「このページ」を参考にして下さい。

ポイント2:尿路結石は、小さければ石が出るのを待ち、大きい場合には体外衝撃波結石破砕術や内視鏡治療を行う

◎ 腰や陰部のケガの治療法は?

腰や背中を強くぶつけると腎臓に傷が付き血尿の原因になります。また、陰部(股間の周辺)を打って血尿が出ることもあるでしょう。

これらの場合は自然止血を待つのが基本です。よほどの大量出血だったり、その後も出血が広がるリスクがありそうな場合には入院をして様子をみたり必要に応じて治療(カテーテル治療もしくは手術)をしたりします。

ケガの程度の判断は超音波検査CT検査をしないと判断がつかないため、ケガの後から血尿が出ている場合には受診が必要です。

ポイント3:ケガ後の血尿では受診が必要。自然止血を待つのが基本だが場合によっては治療が必要になる

◎ 腫瘍が原因の治療は?

膀胱がん腎臓がん腎がん)といった尿に関連した臓器の腫瘍は、血尿の原因になります。ただし腫瘍が血尿の原因になることは、膀胱炎尿路結石と比べると多くはありません。どんな血尿のときに膀胱がん腎がんなどの腫瘍を考えるべきなのでしょうか。腫瘍が原因の血尿には排尿時に痛みを伴わないという特徴があり、これを医学的には無症候性血尿といいます。無症候性血尿の場合は、腫瘍が原因である可能性を通常よりは高く考えなければなりません。無症候性血尿も全てのケースに当てはまる訳ではないので、検査をしてみないと原因を特定することができません。無症候性血尿で受診しても検査の結果特に問題がなかったと言うケースも十分に有り得ます。

仮に腫瘍が血尿の原因であった場合には、病気に応じて治療の方法が異なります。

膀胱がんの治療については「このページ」、腎がんの治療については「このページ」、腎盂尿管がんにつては「このページ」を参考にして下さい。

ポイント4:腫瘍が血尿の原因になることは多くはない。ただし検査をしなければ判断できない

◆血尿が出たときは何科を受診すれば良い?

では、血尿があったらまず何科を受診すれば良いのでしょうか?

一番確実なのは泌尿器科です。泌尿器科は膀胱炎尿路結石の専門家ですし、万が一の腫瘍も最終的には泌尿器科で治療をすることができます。

ポイント1:泌尿器科では診断から検査まで受けられる

普段からかかりつけの内科医がいる場合はどうすればいいのでしょうか?

その場合でも泌尿器科を受診して問題ありませんが、膀胱炎尿路結石であれば一般的な内科クリニックでも十分に対応可能です。同じ医者にかかり続けることで、一人の医者があなたの健康の全体像を把握できるというメリットがあります。また治療が複雑化している場合にはかかりつけ医から専門性の高い医療機関に紹介を受けることができます。例えば治療が難しいタイプの膀胱炎では感染症科に、尿路結石が原因の場合には泌尿器科になど適した診療科で治療を続けることになります。

ポイント2:かかりつけの内科医も適切

かかりつけの病院はない、そして、泌尿器科は受診しづらい… という方もいるかもしれません。泌尿器科は男性の患者さんが多いので女性が受診しづらいという話はよく耳にします。そんなときはどうすればいいのでしょうか。かかりつけの内科医がいる場合と同じ話になりますが、最初の門戸としては内科でなどもよいと思います。一番避けたいのは受診を遠慮してしまい、重症化してしまうことです。例えば膀胱炎も放置しておくと腎盂腎炎という病気に進行してしまうことがあり重症化の原因になります。血尿が現れたときにはまず医療機関を受診して血尿の原因は何なのかを明らかにすることが大切です。

ポイント3:泌尿器科に抵抗があれば内科でもOK

◆まとめ

突然血尿が出るとびっくりしますし、受診をするべきかやどの診療科を受診するべきかなど迷いやすいものです。血尿は色々と不安になりやすい要素がある症状だからだと思います。

血尿とひとくちにいっても様々な病気の症状の一つであり、原因となる病気の重さも様々です。血尿が現れると何らかの原因が隠れている可能性が高いと考えて、まずは医療機関を受診して原因を明らかにする姿勢が大切です。

注:このコラムは2016年7月28日に作成されたものですが、2018年2月5付けで弊社内の斎木が新しい情報に更新しています。

 

執筆者

沖山 翔

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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