◆フルーツ、野菜、乳製品を検討
今回の研究では、「収縮期血圧160mmHg未満、拡張期血圧80-95mmHgの成人459名」を対象として、研究班が決めた内容の食事をしてもらいました。
対象者はフルーツと野菜と乳製品が少ない食事(対照食)を3週間食べた後、
- 対照食の群
- フルーツと野菜が多い食事の群
- フルーツと野菜と低脂肪の乳製品が多く、飽和脂肪酸と脂肪全体が少ない食事の群
の3群にランダムに振り分けられ、それぞれの食事を8週間続けました。
◆フルーツ、野菜、低脂肪乳製品の組み合わせ食が最も効果的
調査の結果、以下のことを報告しました。
組み合わせ食は、収縮期血圧を5.5mmHg、拡張期血圧を3.0mmHg減少させ、それはそれぞれコントロール食(それぞれp<0.001)よりも大きかった。
フルーツと野菜食は、コントロール食と比べて、収縮期血圧を2.8mmHg(p<0.001)減少させた。
高血圧(収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上、または両方)の133名では、組み合わせ食はコントロール食と比べて、収縮期血圧と拡張期血圧をそれぞれ11.4mmHg、5.5mmHg減少させた(それぞれp<0.001)。
高血圧ではない326名では、3.5mmHg(p<0.001)、2.1mmHg(p=0.003)の減少であった。
フルーツ、野菜、低脂肪の乳製品が多く飽和脂肪酸と脂肪全体が少ない食事が対照食と比較して、血圧を下げるという結果でした。特に、高血圧の人には効果的でした。
著者らは、「この食事療法は、高血圧を予防および治療するための、栄養的アプローチとして加えることができる」と述べています。
生活習慣のなかでも、食生活によって高血圧が改善するかもしれないという論文でした。この他にも、減塩の効果や運動の効果などを今後紹介する予定です。
執筆者
A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. DASH Collaborative Research Group.
N Engl J Med. 1997 Apr 17
[PMID: 9099655]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。