2016.02.15 | ニュース

乳製品を食べると脳卒中の予防になる?

過去の研究データを集めて調査

from The British journal of nutrition

乳製品を食べると脳卒中の予防になる?の写真

脳卒中は食塩摂取など普段の食習慣が影響している部分があります。今回の調査で、乳製品の脳卒中リスクへの影響が調べられました。

◆乳製品は病気に有効?

今回の調査は、過去の研究データを文献から集めるという方法で行われました。乳製品の合計摂取量、特定の乳製品の摂取、乳製品によるカルシウム摂取と心臓や血管の病気、脳卒中との関連を調べた論文が研究対象とされました。合計31件の研究データが集められ、統計解析が行われました。

 

◆乳製品を食べる事は脳卒中リスクが低い事と関連

次の結果が得られました。

いくつかの統計的に有意な要約相対危険度推定値(1未満)が見られた。総乳製品摂取量と脳卒中(要約相対リスク推定値=0.91; 95% 信頼区間 0.83, 0.99)、チーズ摂取と冠動脈疾患(要約相対リスク推定値=0.82; 95% 信頼区間 0.72, 0.93)、乳製品によるカルシウム摂取と脳卒中(要約相対リスク推定値=0.69; 95% 信頼区間 0.60, 0,81)。

乳製品を全体として多く食べる人は脳卒中になるリスクが0.91倍と計算されました。また、チーズを多く食べる人は冠動脈疾患になるリスクが0.82倍、乳製品からカルシウムを摂取する量が多い人では脳卒中になるリスクが0.69倍と見積もられました。

 

乳製品を食べることは脳卒中の予防になんらかの有益な働きがあるかもしれません。しかし、乳糖不耐症や、食物アレルギーなどで乳製品を食べられない人もいます。また、食べ過ぎでかえって有害な面が現れることも考えられます。全体の食生活を見てバランスの取れた食事を心がけるなかで乳製品を摂ることが有益かもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Dairy consumption and CVD: a systematic review and meta-analysis.

Br J Nutr. 2016 Feb.

[PMID: 26786887]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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