女性の長年の体重変化に、乳製品が関係していた?

体重増加につながりやすい食べ物とそうでない食べ物について、多くの研究がなされています。健康な女性を対象として、乳製品の長期的な影響を大規模データから解析した結果を紹介します。
◆乳製品の消費量と体重の関係は?
この研究は、アメリカで女性を対象に行われた大規模追跡調査のデータを解析したものです。調査開始時に45歳以上で心筋梗塞や
質問票で調べた食習慣のうち、乳製品の消費量によって体重の変化に違いがあるかが検討されました。
◆乳製品を食べた人は体重増加が少ない
次の結果が得られました。
フォローアップ中(18年)の体重の変化量の多変量調整した平均±標準偏差は、乳製品総摂取量の五分位群の順に1.90±0.09、1.88±0.08、1.86±0.09、1.82±0.09、1.65±0.09だった(Ptrend=0.003)。高脂肪乳製品の摂取量が多いことは体重増加が少ないことと関連した(Ptrend=0.004)が、低脂肪乳製品とは関連が見られなかった。
食事またはサプリメントからのカルシウムまたは
ビタミンD の摂取量は過体重または肥満になるリスクと関連がなかった。
10年以上の追跡期間中に、平均して体重は増える傾向にありました。乳製品を多く食べる人ほど、体重の増加量が少ない傾向がありました。カルシウムの摂取量、ビタミンDの摂取量についても調べたところ、BMIが25以上になる頻度と統計的に関連が見られませんでした。
乳製品に含まれる特定の物質との関連は見つかりませんでしたが、健康な女性にとって、乳製品を取り込んだ食生活は全体として体重増加につながりにくいものだったのかもしれません。
執筆者
Dairy consumption in association with weight change and risk of becoming overweight or obese in middle-aged and older women: a prospective cohort study.
Am J Clin Nutr. 2016 Feb 24. [Epub ahead of print]
[PMID: 26912496]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。