第10次パンゲア作戦
インターポールの発表によると、9月12日から19日に「第10次パンゲア作戦」が行われました。
パンゲア作戦はインターネットで不法に販売される薬物を狙った国際的取り締まり活動で、2008年の第1次パンゲア作戦以来毎年行われ、ストーム作戦(東南アジア)やマンバ作戦(東アフリカ)などと並びインターポールの重要な活動のひとつとなっています。
過去にはパンゲア作戦で調査されたイギリスの犯罪組織が、偽造の勃起不全治療薬を不法に輸入販売し、1,000万米ドルを超える対価を得ていたことがわかっています。
参加国、押収件数過去最多
第10次パンゲア作戦には、日本を含み過去最多となる123か国の197機関が参加するなどした結果、押収された薬物が過去最多の2,500万件、5,100万米ドル相当にのぼりました。
押収された薬物には、サプリメント食品、鎮痛薬、てんかん治療薬、勃起不全(ED)治療薬、抗精神病薬、栄養剤などがありました。また歯科器具やインプラント、コンドーム、注射器、コンタクトレンズなどにも不法なものや偽造品が見つかりました。
第10次パンゲア作戦は、違法薬物や偽造薬物の販売に関わる犯罪組織に対抗するとともに、インターネットで薬剤を購入することに関わる危険性に対して消費者の注意を促すことを狙いとしています。
世界を襲う違法薬物
インターネットで流通する薬物に対する国際的な取り組みを紹介しました。
情報技術には医療を便利にする可能性がありますが、そのためにも不正なものを排除する努力が全世界で行われています。日本も例外ではなく、インターネットの医薬品販売などは規制がかかり監視されています。それでも監視をくぐり抜けて不正なものが消費者の手に届いてしまうことがないとは言えません。
関連記事:ネットの健康食品から違法やせ薬とフェノールフタレイン検出
違法薬物や偽造薬物から身を守るために、消費者自身も悪質な業者を見分け、安全を確保したうえで利用することが必要になってきています。
執筆者
Millions of medicines seized in largest INTERPOL operation against illicit online pharmacies.
INTERPOL News. 2017 Sep 25.
https://www.interpol.int/News-and-media/News/2017/N2017-119※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。