2017.08.13 | ニュース

ネットの健康食品から違法やせ薬とフェノールフタレイン検出

大阪府の調査から

ネットの健康食品から違法やせ薬とフェノールフタレイン検出の写真

大阪府が実施した調査で、インターネットを通じて販売されていた健康食品から法に違反した医薬品成分などが検出され、府民に対して注意喚起がなされました。

大阪府は毎年、強壮効果やダイエット効果を標榜している健康食品を買い上げて検査する事業を行っています。平成29年度の調査で、買い上げた製品から医薬品成分のシブトラミンと、化学の実験などで使われる試薬のフェノールフタレインが検出されました。

シブトラミンなどを含んでいた製品は、「SLIMING BOMB」という製品名で、北海道の通信販売業者によりインターネットで販売されていました。

大阪府は7月13日付けで情報を公開するなどして、府民に対して使用中止を呼びかけるなどの対策を取っています。

 

シブトラミンは医薬品成分です。医薬品を承認許可なく販売することは法の規定に違反しています。

シブトラミンは海外では肥満症の治療薬として承認されている国があります。日本では過去に承認申請されたことがありますが、承認されていません。したがって、保険診療の範囲内で使用することもできません。

シブトラミンの副作用として血圧上昇、心拍数増加などが知られています。致命的になる可能性のあるセロトニン神経伝達物質の一つ。生体リズムや睡眠・体温調節・精神状態などに関与しており、不足することでうつ病などの精神疾患を発症しやすくなると言われている症候群が引き起こされた事例なども報告されています。副作用のためアメリカで販売中止とされたなどの歴史があります。

 

フェノールフタレインはさまざまな用途で使われる物質ですが、発がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある性の恐れなどから現在は医薬品としては使用されていません。

フェノールフタレインは主に酸性・アルカリ性を見分けるpH指示薬としての用途があります。中学校・高校の化学の実験でもフェノールフタレインはよく使われます。

 

医薬品の流通は規制されています。どんな薬にも副作用があります。また、人によって使ってはいけない薬もたくさんあります。比較的安全に使いやすい薬は市販薬として買うこともでき、最近のサービスの進歩などによってインターネットなど便利な方法で手に入れることもできるようになりました。その中では適切な人に適切な薬が届くよう、さまざまな配慮がなされています。

しかし、規制を逃れて不正に流通する薬剤は、保証の限りではありません。海外で医療用途とされる可能性もあるシブトラミンはまだしも、フェノールフタレインが食品に混入して販売されているという事態は、製造過程のずさんさを物語っているのではないでしょうか。

 

危険な薬物から身を守るために何ができるでしょうか。

大阪府の事業は、強壮効果やダイエット効果を標榜している健康食品を調査対象としています。この条件に当てはまるだけでも危険なものが紛れ込んでいる恐れがあるという大阪府の考えが読み取れるでしょう。

手軽に良い効果を得たいと思う人は多いでしょう。しかし、医学的な効果がもし本当に得られるものなら、医薬品としての通常の取り扱いを受けて使用可能となっているはずです。「身の周りにない」ものには理由があります。

甘い話に飛びつかないことが、思わぬ危険に近付かないための第一歩ではないでしょうか。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

報道発表資料 医薬品成分が検出された健康食品について, 2017年7月13日

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=28074

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]