2017.03.22 | ニュース

体が麻痺する病気「ギランバレー症候群」に血漿交換は有効か?

文献の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
体が麻痺する病気「ギランバレー症候群」に血漿交換は有効か?の写真
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ギランバレー症候群は急に始まる麻痺などを特徴とする原因不明の病気です。血液の中にある物質が関与しているという考えから、血漿交換という治療法があります。最近の研究から報告されている効果の調査が行われました。

ギラン・バレー症候群に対して、血漿交換(けっしょうこうかん)の効果として過去の研究から得られた結果の調査が行われ、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告されました。

この調査は、研究のデータベースを検索し、関係する研究結果を収集しました。

2012年にも同じテーマで調査が行われていましたが、以後の情報も含めるよう、改めて調査が行われました。

 

ギラン・バレー症候群では、何らかの原因により体の中で異常な抗体が作られ、神経の炎症が起こることによって、麻痺などの症状が引き起こされると考えられています。

抗体は本来なら体内に侵入した異物を排除するために働く物質です。しかし、異常な抗体が自分自身の体を攻撃してしまう現象も知られています。

抗体は血液の液体部分である血漿に含まれています。血漿交換は、血液をいったん体の外に取り出し、血漿を入れ替えて戻すことで、血液の中の有害物質を取り除く治療です。

 

調査により見つかった研究で、以下のような結果が報告されていました。

  • 補助なしで歩けるようになるまでの期間が短くなる(血漿交換なしで中央値44日、血漿交換ありで中央値30日)
  • 運動機能の回復が始まるまでが短くなる(血漿交換なしで中央値10日、血漿交換ありで中央値6日)
  • 人工呼吸が必要になる割合が減る(0.53倍)
  • 経過中に再燃が起こる割合は増えるが(2.89倍)、1年後に深刻な運動機能の後遺症が残っている割合は減る(0.65倍)
  • 深刻な感染症、血圧不安定、心原性不整脈肺塞栓症の発生数には血漿交換によって差がない

 

ギラン・バレー症候群に対する血漿交換の効果の調査を紹介しました。

ギラン・バレー症候群は感染症などをきっかけに起こることがあります。しかし、正確な原因はわかっていません。予防する方法も知られていません。

治療としては血漿交換とともに、免疫グロブリン静注療法(IVIg)などがあります。ほかの方法と比較して治療の方針を選ぶために、ここで要約された研究結果を役立てることができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Plasma exchange for Guillain-Barré syndrome.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Feb 27.

[PMID: 28241090]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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