ぎらんばれーしょうこうぐん
ギラン・バレー症候群
細菌やウイルスの感染をきっかけに、免疫が自分の神経を攻撃してしまい、感覚障害や筋力低下が起こる。
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最終更新: 2023.06.19
ギラン・バレー症候群の基礎知識
POINT ギラン・バレー症候群とは
細菌やウイルスの感染をきっかけに、免疫が自分の神経を攻撃してしまう病気です。手足がしびれたり、感覚がわからなくなったりします。力の入りにくさを感じることもあります。診断のために、神経伝導検査・血液検査・腰椎穿刺といった検査を行います。症状がごく軽度の場合は治療を行わずに様子を見ていきます。症状の程度が強い場合には、入院をして免疫グロブリン療法・血漿交換療法を行います。両手足の感覚障害・力が入りづらいなどの症状が出たら医療機関にかかってください。その際は脳神経内科にかかることをおすすめします。
ギラン・バレー症候群について
細菌 やウイルス の感染をきっかけに、免疫 が自分の神経を攻撃してしまう病気(自己免疫 性疾患)- 神経が障害されることで、手足の感覚がわからなくなったり、力が入りにくくなったりする
- 日本全体で、1年間で約2000人程度の人に起こる
症状 は一時的で自然に良くなることが多いが、しばしば後遺症を残す
ギラン・バレー症候群の症状
ギラン・バレー症候群の検査・診断
神経伝導検査 :神経の信号の伝達について検査- 血液検査:特殊な
抗体 (抗ガングリオシド抗体)を測定する- 検査結果がわかるまで時間がかかるので、結果が出る前に治療を開始する場合も多い
髄液検査 :腰椎穿刺 を行い、髄液 中のタンパクに異常がないかなどを調べる
ギラン・バレー症候群の治療法
症状 がごく軽度の場合は経過観察 を行う- 症状がある場合は入院して
免疫グロブリン 大量静注 療法を行う - 重症な場合は
血漿交換 療法(アフェレーシスの一種)を行う - 特に重症例では呼吸するための筋肉に力が入らず呼吸ができなくなることがある
- 呼吸ができない場合には人工呼吸器を使用する
- 筋力の回復を促すためリハビリテーションを行う
- 2-4週程度をかけて症状が悪くなったのち、3-6か月以内に多くの場合回復する