ぎらんばれーしょうこうぐん
ギランバレー症候群
細菌やウイルスの感染をきっかけに、免疫が自分の神経を攻撃してしまい、感覚障害や筋力低下が起こる。
12人の医師がチェック 146回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta ギランバレー症候群のQ&A

    ギラン・バレー症候群とはどのような病気ですか?

    手足がだらんとして力が入らなくなってしまう病気です。多くの場合、先に何か感染があり、その後に末梢神経に障害が起きることで症状が現れます。

    ギラン・バレー症候群の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    風邪や下痢などに先に感染した後に、自己免疫が活性化することで末梢神経が攻撃されてしまうことが原因だと考えられていますが、詳しいことはまだわかっていません。

    ギラン・バレー症候群の先行感染にはどのようなものがありますか?

    ギラン・バレー症候群の約70%で、発症前4週間以内に先行感染があると言われています。

    先行感染の70%は上気道感染(いわゆる風邪など)で、春冬に多いです。20%は下痢で春夏に多いです。

    病原体ははっきりしないことが多いですが、原因が分かったケースではカンピロバクターという菌の感染が多いです。他にはサイトメガロウイルスやマイコプラズマなどが有名です。

    ワクチン接種が原因となることもあります。

    ギラン・バレー症候群は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    日本では10万人に1人ぐらいの方が発症すると言われています。

    子どもからお年寄りまでどの年代でも起きうる病気です。

    ギラン・バレー症候群は、どんな症状で発症するのですか?

    主な症状は力が入らなくなってしまうことです。左右対称に力が入らず、重症な方では手足全てに力が全く入らなくなってしまうこともあります。

    感覚が障害されることもあり、痛みを訴える方もいらっしゃいます。

    ギラン・バレー症候群が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    呼吸筋麻痺の症状が出ると呼吸が出来なくなってしまい、人工呼吸器が必要となることもあります。その他、脳神経麻痺や自律神経障害がみられることもあります。

    症状は発症1-2週間でピークとなります。

    ギラン・バレー症候群の、「髄液検査」について教えて下さい。

    脳や脊髄のまわりには脳脊髄液という無色透明な液体があり、衝撃からの保護や不要物の除去をする役割があります。ベッドに横向きに寝て、腰の部位に針を刺し、脊髄の周りにある髄液を取る検査が髄液検査です。ギラン・バレー症候群ではこの髄液に異常が出ることで診断の助けとします。細胞数が上昇していない割にタンパクの値が高いことが特徴です。細胞数が上昇していれば髄膜炎などの別の病気を疑います。

    ギラン・バレー症候群の、「電気生理検査」について教えて下さい。

    末梢神経を皮膚の上から針と電気で刺激し、筋肉の反応を見る、神経伝導検査が非常に重要になります。これは電気生理検査のひとつです。どの神経が障害されているかだけでなく、障害の程度や経過の推測にも有用な検査です。発症早期では異常が見つからないこともあるので注意が必要です。

    ギラン・バレー症候群の治療法について教えて下さい。

    一般的には治ることが多いのですが、まれに重症になった場合は免疫グロブリン大量療法(IVIg)を行うことが多いです。血漿交換療法を行うこともありますが、中心静脈カテーテルを挿入し血液透析に使う機械を使う必要があり、非常に大掛かりなものになってしまいます。

    多くの神経疾患でステロイドを治療に用いますが、この病気ではあまり効果が無いことが知られているので使いません。

    ギラン・バレー症候群が重症化した場合はどのような治療を行うのですか。

    呼吸に必要な筋肉の麻痺など、ギラン・バレー症候群では命にかかわる症状がみられることがあることは忘れてはなりません。血圧や心電図、血液中の酸素飽和度に注意しておく必要があり、そのために集中治療室での管理が必要となります。呼吸状態が悪い場合は人工呼吸器につないで呼吸の補助を行います。

    ギラン・バレー症候群は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    一般的には治ることが多いのですが、重症の場合は命を落としてしまうこともあり、症状の重症度は人それぞれです。

    一般的に、補助呼吸(人工呼吸器で呼吸を助けなければならない状態)が必要な方は経過が悪い(亡くなったり、人工呼吸器を外せなくなる可能性が上がってしまう)と言われています。

    自律神経障害のため、命に関わる不整脈がみられることもあるので注意が必要です。

    治療によりギラン・バレー症候群が治ったとしても、その後症状が再び現れることもあり、その際は再び治療が必要となります。あまりに再発を繰り返す場合は診断が間違っていることもあるので注意が必要です。

    ギラン・バレー症候群にかかった人が日常生活で気をつけることはありますか?

    ギラン・バレー症候群にかかった人のワクチン接種は問題となることがあります。

    基本的には、インフルエンザワクチンなどを摂取してもギラン・バレー症候群の再発リスクが上がることはないと言われていますが、個々の患者さんに応じて検討する必要があります。

    ギラン・バレー症候群はどのように診断するのですか?

    基本的には病歴や症状に基づいて診断します。診察の上では、筋力が低下している筋肉の分布や腱反射(筋肉の腱をゴムでできたハンマーで叩いて動きをみます)が弱くなっているか、などを確認します。その他にも併発している症状がないか、全身をくまなく診察していきます。診断の手助けとなる検査には髄液検査や電気生理検査、抗ガングリオシド抗体検査などがあります。いずれも非常に重要な検査であり、ほぼ必須と言えますが結果はすぐに出ないため、症状から疑うことが重要です。

    ギラン・バレー症候群の、「抗ガングリオシド抗体検査」について教えて下さい。

    血液を採取し、行う検査です。必須の検査ではありませんが、この検査が陽性であれば診断が確定し、ギラン・バレー症候群の中でもどのタイプか分かるため、非常に重要な意味を持ちます。

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