2016.05.18 | ニュース

外科の研修医の勤務時間を柔軟にすると問題は起こるか?

138,691人の患者を対象に比較検討
from The New England journal of medicine
外科の研修医の勤務時間を柔軟にすると問題は起こるか?の写真
(C) Tobilander - Fotolia.com

入院中に急に容体が変わらないか心配になった人にとって、研修医が身近にいると安心感があります。研修医は実際に急変に対応する場合も多いですが、まだ研修の身であることも確かです。研修医が病院にいることは結果に直結するのでしょうか。

◆研修医の勤務時間を柔軟にするとどうなるか?

アメリカの研究班が、2014年から2015年の間に研究に参加した施設で、外科研修医の勤務を、標準的な勤務時間で働くスタイルと、状況に応じてある程度変えられるスタイルの2群に分けて、患者への影響を比較 しました。

手術してから30日以内に、重大な合併症をきたしたかどうかと死亡したかどうかが評価の項目になります。

重大な合併症として、脳卒中心筋梗塞・心肺停止・肺塞栓・輸血を必要とするような出血などを集計しました。

 

◆重大な合併症に変化なし

138,691人の患者を解析したところ、研修医の勤務形態にかかわらず、術後30日における重大な合併症と死亡率に差が出ない結果となりました。重大な合併症や死亡が出現した患者は、標準的な勤務の群では9.0%、柔軟に変えられる群で9.1%といった結果でした。

 

研修医が身近にいてくれると安心感はありますが、長時間勤務を続けていると疲弊が目立ってきてしまうことも考えられます。

また、研修医はゆくゆくは医療を担っていく存在である一方で、まだ研修の身であるので能力にも限界があります。
今回の研究では研修医が病院にいる時間が流動的になっても、患者の命に関わるような出来事に差がないことが示唆されました。

これはもしかしたら、一大事が起こった際には上級医が対応するバックアップ体制が整っているおかげで差が出なかったのかもしれません。

 

患者にとっての研修医の存在の意味を考えさせられます。研修医の勤務形態について考える材料になるかもしれません。

もし入院先で研修医があまり身近にいなくても、困ったことがあれば看護師や他の医者に教えてください。

 

【訂正5/18】誤解を招く表現があるとの指摘があり、下記の点を訂正しました。

変更前・件名)外科の研修医がフレックスで働くと問題は起こるか?

変更後・件名)外科の研修医の勤務時間を柔軟にすると問題は起こるか?

変更前)◆研修医の勤務をフレックスタイムにするとどうなるか?

変更後)◆研修医の勤務時間を柔軟にするとどうなるか?

変更前)標準的な勤務時間で働くスタイルとフレックスタイムで働くスタイルの2群に分けて

変更後)標準的な勤務時間で働くスタイルと、状況に応じてある程度変えられるスタイルの2群に分けて

変更前)フレックスタイムで9.1%

変更後)柔軟に変えられる群で9.1%

変更前)研修医が病院にいる時間がフレックスになっても

変更後)研修医が病院にいる時間が流動的になっても

執筆者

園田 唯

参考文献

National Cluster-Randomized Trial of Duty-Hour Flexibility in Surgical Training.

N Engl J Med. 2016 Feb 25.

[PMID: 26836220]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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